南川 三治郎(みなみかわ さんじろう、1945年9月14日[1] - 2018年2月6日)は、日本写真家

生涯

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三重県出身、東京写真大学(現・東京工芸大学)卒業。大宅壮一東京マスコミ塾第1期出塾。

主に「ヨーロッパの人と文化」をテーマに国内外の雑誌媒体を中心に発表。自ら決めたテーマを現地で長い時間かけ丹念に取材し著書は50冊以上にのぼる。特に20世紀美術を代表するジョアン・ミロマルク・シャガールジョルジュ・デ・キリコサルバドール・ダリマリノ・マリーニヘンリー・ムーアバルテュスからフランク・ステラまで芸術家たちの日常と制作の苦悩までを捉えた「アトリエの巨匠たち」では1980年日本写真協会新人賞を受賞。またグレアム・グリーンエド・マクベインフレデリック・フォーサイスマイケル・クライトンといった欧米のミステリー作家と彼らの書斎を撮影した「推理作家の発想工房」では、1986年に日本写真協会年度賞を受賞。これまでに撮影・インタビューした欧米のアーティストは500人以上にのぼる。

1993年オーストリア政府観光局より名誉勲章ゴールド受章。その後ビザンチン文化の残照を追った「イコンの道」は家庭画報誌上で1年間連載。またNHK-FMクロスオーバーイレブンでは旅のエッセイなどのスクリプトを担当。1998年からユネスコ世界遺産ヴェルサイユ宮殿」の全貌に迫る撮影を始め、フランス人以外の外国人として撮影許可が許される。写真集「ヴェルサイユ宮殿」(黙出版刊)は第35回造本装幀コンクールにおいて経済産業大臣賞に入賞。特集「ヴェルサイユ宮殿太陽王、此処に坐せり」ではフランス観光開発機構よりフランスルポルタージュ大賞受賞。2004年からユネスコ世界遺産フランス・スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」と日本の「紀伊山地の霊場と参詣道」の”道”としては世界に2つしかない世界遺産の撮影を始める。2007年12月から、銀座和光本館・和光ホールを皮切りに世界遺産「日・欧巡礼の道」展日本編/熊野古道、2008年1月から東京ミッドタウン・FUJIFILM SQUARE・PHOTO IS「日・欧巡礼の道」展欧州編/カミーノ・デ・サンティアゴ写真展を開催。

2013年「第62回式年遷宮」への取材・撮影に取り組み、2011年4月より2013年12月まで中日新聞朝刊文化欄にて「聖地伊勢へ」写真/文を毎月1回第2木曜日連載。2014年5月24日からMieMu三重県総合博物館開館記念企画第2弾「日本の心」第六十二回神宮式年遷宮写真展を開催、大判の伊勢和紙にプリントした写真作品を展示。。海外ではドイツ・ケルン日本文化会館をはじめ、ローマ日本文化会館、在ニューヨーク日本国総領事館ギャラリーとロサンゼルスJACC日米文化会館で同展を開催した。2015年日本写真協会賞「作家賞」を受賞。2016年藤本四八写真文化賞受賞。

2018年2月6日、急性心不全のため、東京都渋谷区病院で逝去[2]。72歳没。

主な作品

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  • 1980年『アトリエの巨匠たち』朝日ソノラマ
  • 1980年『ヨーロッパの窯場と焼きもの』美術出版社
  • 1982年『景徳鎮の焼きもの』美術出版社
  • 1983年『アトリエの画家たち』朝日新聞社
  • 1985年『推理作家の発想工房』文藝春秋
  • 1987年『世紀末ウィーンを歩く』新潮社 とんぼの本
  • 1991年『The Art of Living』建築資料研究社
  • 1992年『Coffee or Tea』美術出版社
  • 1993年『ヨーロッパの貴族と令嬢たち』河出書房新社
  • 1993年『ハプスブルク物語』新潮社 とんぼの本
  • 1994年『皇妃エリザベートその名はシシィ』河出書房新社
  • 1994年『アトリエの巨匠・100人』新潮社
  • 1996年『恋と美の狩人 エカテリーナ』河出書房新社
  • 1996年『特急ワイン街道』グリーンアロー出版
  • 1997年『イコンの道 ビザンチンの残照を追って』河出書房新社
  • 1997年『銅鐸の謎』島根県加茂町教育委員会編、河出書房新社
  • 1997年『クーデンホーフ光子 黒い瞳の伯爵夫人』河出書房新社
  • 1998年『図説 ウィーン世紀末散歩』河出書房新社
  • 1998年『図説 クリムトとウィーン美術散歩』河出書房新社
  • 2000年『ヴェルサイユ宮殿』黙出版
  • 2002年『ヘルマン・ヘッセを旅する』世界文化社
  • 2003年『ゴッホを旅する』世界文化社、ワイド版2010年
    • 改訂新版『ゴッホ名画巡礼』2021年
  • 2004年『モネの庭へ』世界文化社
  • 2005年『ウィリアム・モリスの楽園へ』『欧州陶磁紀行』世界文化社
  • 2006年『欧州ガラス紀行』『皇妃エリザベート永遠の美』世界文化社
  • 2007年『世界遺産巡礼の道をゆく 熊野古道』『世界遺産巡礼の道をゆく カミーノ・デ・サンティアゴ』玉川大学出版部
  • 2009年『アトリエの巨匠に会いに行く』朝日新書
  • 2009年『ラリックをめぐるフランスの旅』小学館 
  • 2012年『推理作家の家 名作のうまれた書斎を訪ねて』西村書店
  • 2014年4月『聖地 伊勢へ』中日新聞社
主な共著
  • 1990年『パリ・オルセ美術館と印象派の旅』新潮社 とんぼの本
  • 2008年 家庭画報 特別編集『印象派の名画を旅する』世界文化社
  • 2009年『マイセン』玉川大学出版部、大平雅巳共著
  • 2009年『ハプスブルク家美の遺産を旅する』世界文化社 新版2011年、改訂版2019年10月 
  • 2009年『語り部とともに歩く世界遺産熊野古道』かんき出版
  • 2010年 家庭画報 特別編集『世界遺産サンティアゴ巡礼路の歩き方』世界文化社
  • 2010年 家庭画報 特別編集『メディチ家 ルネサンス美の遺産を旅する』雨宮紀子共著 世界文化社
  • 2011年 家庭画報 特別編集『王妃マリー・アントワネット美の肖像』世界文化社
  • 2011年 家庭画報 特別編集『ヴェネツィア 美の遺産を旅する』世界文化社
  • 2012年 家庭画報 特別編集『華麗なるロマノフ王朝の至宝』世界文化社、改訂版2017年4月

脚注

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  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.492
  2. ^ “写真家の南川三治郎さん死去”. 朝日新聞社. (2018年2月14日). https://www.asahi.com/articles/ASL2G6GJPL2GULZU014.html 2018年2月15日閲覧。