南岳

長野県・岐阜県の山

南岳(みなみだけ)は、長野県松本市岐阜県高山市にまたがる飛騨山脈南部に位置する標高3,033 m(メートル)のである。山域は中部山岳国立公園に指定されている[3]。南岳と北穂高岳との間には大キレット(大切戸)と呼ばれる痩せ尾根の断崖絶壁が続く。

南岳
大キレットから望む南岳
標高 3,032.88[1] m
所在地 日本の旗 日本
長野県松本市岐阜県高山市
位置 北緯36度19分08秒 東経137度39分03秒 / 北緯36.31889度 東経137.65083度 / 36.31889; 137.65083座標: 北緯36度19分08秒 東経137度39分03秒 / 北緯36.31889度 東経137.65083度 / 36.31889; 137.65083[2]
山系 飛騨山脈
南岳の位置(日本内)
南岳
南岳の位置
プロジェクト 山
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概要

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南岳は3,000メートルを越える高峰であるが槍ヶ岳および穂高岳に挟まれた稜線上の一峰に過ぎず、これらの付属的な山とみなされ「…百名山」などに名を連ねることが無い。

山頂には点名が「北穂高」の三等三角点(所在地は、岐阜県高山市大字神坂字保高岳715番)が設置されている[1]

槍ヶ岳から穂高岳に延びる尾根の南端にあることから、1909年明治42年)に鵜殿正雄により南岳と命名された[4]

登山

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登山ルート

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槍ヶ岳からの縦走ルート 槍ヶ岳 - 槍ヶ岳山荘 - 飛騨乗越 - 大喰岳 - 中岳 - 天狗原分岐 - 南岳

槍ヶ岳へは上高地からの横尾山荘を経由する槍沢のルート、新穂高温泉からの飛騨沢のルート、表銀座裏銀座西銀座ダイヤモンドコースなどの各方面からの登山道がある。また槍沢の途中で天狗原の天狗池を経て横尾尾根に合流し、その先南岳のすぐ北で飛騨山脈の主稜線に合流するルートもあり、上部の急勾配の危険箇所には鎖が設置されている。

穂高岳から縦走ルート 奥穂高岳 - 穂高岳山荘 - 涸沢岳 - 北穂高岳 - 大キレット(飛騨泣き - 長谷川ピーク - 最低コル2,748 m - 獅子鼻) - 南岳小屋 - 南岳

大キレットを経る縦走コースは、険しい岩稜を歩かなければならない難路とされている[5][6]。南岳の南端は獅子鼻と呼ばれていて[7]、北穂高岳、滝谷、大キレットなどの展望台となっている[4]

南岳新道からのルート 新穂高温泉 - 穂高平避難小屋 - 白出沢出合 - 滝谷出合 - 槍平小屋 - 西側尾根 - 南岳小屋 - 南岳

南岳新道とは、槍平小屋からを経て南岳小屋まで直登する急勾配のルートがある、危険箇所にはハシゴや鎖が設定されている。

周辺の山小屋

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南岳小屋と南岳

周辺には以下の山小屋がある[6][8]。最寄りの山小屋は、山頂直下の南200 mにある南岳小屋で、ライブカメラが設置されている[9]1961年(昭和36年)に営林署の「南岳避難小屋」として建設され、1986年(昭和61年)7月に営林署から譲渡され「南岳小屋」と名称を変更し、民営の山小屋となった[10]

名称 所在地 南岳からの
方角と距離(km)
標高
(m)
収容人数
(人)
キャンプ
指定地
槍沢ロッジ 槍沢の下部左岸・赤沢山南  東 3.0  1,820
150
30~40張
槍ヶ岳山荘 槍ヶ岳山頂直下南側の肩  北 2.5  3,060
650
 30張
殺生ヒュッテ 山頂直下の槍沢上部  北 2.2  2,910
100
 50張
ヒュッテ大槍 東鎌尾根・雷鳥平  北 2.2  2,870
100
 なし
槍平小屋 右俣谷の南岳新道取付  西北西 2.0  1,990
80
 50張
南岳小屋 南岳南直下  南 0.2  2,970
80
30~40張
北穂高小屋 北穂高岳北峰  南 1.7  3,100
80
 20張

地理

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周辺の山

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飛騨山脈の主稜線にある。山頂のすぐ北から東に横尾尾根が延び、南からも東に東尾根がある。両者の尾根の間に位置する東斜面に、圏谷(カール)地形がある。

 
南岳周辺の山(笠ヶ岳方面から望む)
山容 名称 標高
(m)
三角点等級
基準点名[1]
南岳からの
方角と距離(km)
備考
  西岳 2,758  北東 3.2
  奥丸山 2,439.46 三等
「犬公望」
 西 2.9
  槍ヶ岳 3,180  北 2.6 槍ヶ岳山荘
日本百名山
  大喰岳 3,101  北 1.9
  中岳 3,084  北 1.2
  南岳 3,032.88 三等
「北穂高」
  0 日本で17位の高峰
南岳小屋、南岳新道
  北穂高岳 3,106  南 1.8
  涸沢岳 3,110 (三等、3,103.08 m)
「奥穂高」
 南 2.6
  奥穂高岳 3,190  南 3.3 飛騨山脈の最高峰
日本百名山

源流の河川

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源流となる以下の河川日本海へ流れる[6]

南岳の風景

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大天井岳から望む南岳 山頂から望む常念岳 山頂から望む南岳小屋と穂高岳 獅子鼻から望む大キレット

脚注

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  1. ^ a b c 基準点成果等閲覧サービス・穂高岳(高山)”. 国土地理院. 2016年9月8日閲覧。
  2. ^ 日本の主な山岳標高(岐阜県の山)”. 国土地理院. 2010年1月18日閲覧。
  3. ^ 中部山岳国立公園区域の概要”. 環境省. 2011年1月18日閲覧。 1934年(昭和9年)12月4日に指定。山域はその特別保護地区になっている
  4. ^ a b 日本山岳会 編『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月、pp.953-954頁。ISBN 4779500001 
  5. ^ 内田修『槍・穂高・常念岳』山と溪谷社〈新版 空撮登山ガイド〉、1994年8月、pp.953-954頁。ISBN 4635022196 
  6. ^ a b c 『槍ヶ岳・穂高岳 上高地』昭文社〈山と高原地図 2011年版〉、2011年3月。ISBN 9784398757777 
  7. ^ 『上高地・槍・穂高』山と溪谷社〈ヤマケイアルペンガイド〉、2000年4月、p.127頁。ISBN 4635013197 
  8. ^ 『山と溪谷2011年1月号付録(山の便利手帳2011)』山と溪谷社、2010年12月、pp.163-164、ASIN B004DPEH6G頁。 
  9. ^ 南岳小屋HP”. 南岳小屋. 2011年1月18日閲覧。
  10. ^ 『北アルプス山小屋案内』山と溪谷社、1987年6月、pp.144-145頁。ISBN 4635170225 

関連図書

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関連項目

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