北条町駅
北条町駅(ほうじょうまちえき)は、兵庫県加西市北条町北条駅前町にある北条鉄道北条線の駅。同線の終点であり[1]、加西市の代表駅である[3]。
北条町駅 | |
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駅舎(2013年3月) | |
ほうじょうまち Hojomachi | |
◄播磨横田 (2.2 km) | |
所在地 | 兵庫県加西市北条町北条駅前町28-2[1] |
所属事業者 | 北条鉄道 |
所属路線 | 北条線 |
キロ程 | 13.6 km(粟生起点) |
電報略号 | ホテ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線[1] |
乗降人員 -統計年度- |
524人/日 -2018年- |
開業年月日 | 1915年(大正4年)3月3日[1][2] |
歴史
編集1922年(大正11年)の鉄道敷設法別紙では、「谷川駅より西脇駅、北条町駅を経て姫路駅に至る鉄道」が建設予定線になっていたが、実現しなかった。
駅構造
編集片面ホーム1面1線を有する地上駅[1]。東側に安全側線(留置線として利用)、西側に検修庫へ繋がる分岐線が敷設され、夜間滞泊も設定されている[1]。駅入口に待合室がある。
北条鉄道の本社が併設されている有人駅であるが、定期券・回数券以外の一般旅客は基本的に車内精算のため、駅構内に自動券売機はあるが自動改札の設備はなく、また駅員による改札業務もない[1]。ATS設置済。男女別の水洗式便所が置かれている。以前は機回し線が敷設されていた。
駅舎は2階建てで、その1階には観光案内所が併設されており[1]、玄関脇のエレベータータワーおよび外階段でアスティアかさいとペデストリアンデッキで接続されている。なおアスティアかさいは2001年まで北条町駅のあった場所である[2]。
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留置線(2013年3月)
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改札口、切符売場(2013年3月)
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観光案内所(2013年3月)
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ホーム(2007年1月)
移転前の駅構造
編集蒸気機関車C12時代
編集蒸気機関車C12が活躍していた当時は混合列車が運行されていた。客車はオハ61 120が使用されていた。駅構内の線路配置は旅客・貨物を合わせて5線あった。旅客ホームは島式で1面2線で、旅客上屋はなかった。駅本屋側には貨物ホームがあり、1面1線で、貨物上屋があった。駅本屋の向こう側にも貨物ホームがあり、ここには農業倉庫が建ち並んでいて、農業倉庫と線路の間のホームの幅は、オート三輪が通れる幅があった[5]。
利用状況
編集1日乗降人員推移[6] | |
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年度 | 1日平均人数 |
2011年 | 560 |
2012年 | 600 |
2013年 | 570 |
2014年 | 535 |
2015年 | 621 |
2016年 | 699 |
2017年 | 528 |
2018年 | 524 |
駅周辺
編集兵庫県道23号三木宍粟線に接する駅。この道路の向かい側にはアスティアかさいという複合商業施設がある。北条町(現在の加西市)は三洋電機の発祥地であり[7]、三洋電機北条工場(旧・松下電工北条工場)の跡地に建設されたイオンモール加西北条の駐車場には「三洋電機発祥の地」という記念碑がある[7]。中国自動車道は駅北側を通るが、その道路との間には住宅が多く建ち並び、神社や商店もある。
駅東側には丸山総合公園や市立加西病院があり、この付近には市役所や市民会館もある。そこから更に東へ進むと玉丘古墳群や加西球場(アラジンスタジアム)に至る。駅西側には前述したイオンモール加西北条などの商業施設があり、その西側にはミシン工場、裏側には段ボール工場がある。駅南側を流れる下里川に沿って西へ進むとアクアスかさい(グリーンスポーツ広場)[8]というグラウンドに至るが、駅からはやや離れている。
- 加西市役所
- 加西市民会館[9]
- 市立加西病院
- 加西市立北条中学校
- 加西市立北条小学校
- 加西市立北条東小学校
- 加西市立北条ならの実こども園
- 加西市立北条東こども園
- アスティアかさい[10]
- 加西市立図書館
- 加西市地域交流センター(ねひめホール)
- 加西商工会議所
- イオンモール加西北条
- 三洋電機加西事業所(旧・鎮岩(とこなべ)事業所)
- 兵庫王子段ボール
- ジャノメダイカスト関西工場(ジャノメのグループ会社)
- 神戸新聞社加西支局
- 水田家住宅(国登録有形文化財)[11]
- すぱーく加西(屋内ゲートボール場)[12]
- 丸山総合公園
- 五百羅漢(羅漢寺)
- 酒見寺
- 播磨国三宮 住吉神社
- 大歳神社
- 生駒山神社(北条生駒山神社)
- 加西郵便局
- 加西北条郵便局
- 三井住友銀行北条支店・加古川法人営業部(北条法人営業所) - 加西市指定金融機関
- 中国自動車道
- 兵庫県道23号三木宍粟線
- 兵庫県道24号多可北条線
- 兵庫県道369号大和北条停車場線
- 下里川
バス路線
編集「アスティアかさい(北条町駅)」停留所(駅前広場)
- 高速バス(西日本ジェイアールバス・神姫バス)
「アスティアかさい(北条町駅)」停留所
- 61・62・81系統
- 姫路駅(北口)行 / 北条営業所・フラワーセンター南門前行
- 無番
- 加西特別支援学校行
- soraかさい・フラワーセンター南門前行
- イオン加西北条・高速北条行
- 東国正行
- 健康福祉会館・中富・八千代小学校前行
- 嬉野台生涯教育センター行
- 宝殿駅北口行 / 北条営業所行
なお、当駅から徒歩約10分のところに高速北条バスストップが存在する。
「子ざる駅長」
編集2010年10月16日、当時兵庫県豊岡市のホテル経営者に飼われていた同年生まれのニホンザルの子ザル2匹、「ねひめ」(メス)と「らかん」(オス)が当駅の駅長としてデビューした。旧国鉄北条線から移管された1985年以来赤字続きである一方、2007年に和歌山電鐵にデビューしたネコの駅長「たま駅長」が2010年にその和歌山電鐵の”執行役員”に就任するなど人気が高まっていたことが背景にあった[13]。
この子ザル2匹の駅長就任は当時の北条鉄道社長たる加西市長の直談判から実現したものであり、2匹各々には地元特産の播州織でつくられた制服が用意されたほか、前記2匹各々の名前についても北条鉄道側で実施された一般公募によりそれぞれ命名されている[14][15][16]。
出勤は月1 - 2回程度で、当初は子ザル2匹の飼い主である前記ホテル経営者も同伴する形で出勤していた。2011年3月11日に東北地方を中心に東日本大震災に見舞われた折には、その翌月(2011年4月)に飼い主と共に、2匹各々首から小さな募金箱を提げて、利用客に被災者支援の募金を呼びかけた[13][17][18]。
しかし、2011年8月に入ってから、出勤の際同伴していた前記飼い主が”体調不良を訴え”たところから「子ざる駅長」たちは”休暇”入りした。そして、子ザルを北条鉄道側に無償貸与することで飼い主と北条鉄道の社長である加西市長との間で合意に達し、兵庫県から飼育許可が下りるのを見計らう形で同年10月15日に復帰する運びとなった[17][19]。
その後、2014年後半から2015年にかけての時期には「マキ」という名の「子ざる駅長」が出勤していたが[20][21]、2016年4月7日付けで「当面の間お休み」すると告知したのを最後に現在に至るまで、「子ざる駅長」たちの消息は何一つ伝えられてきていない[22][注釈 1]。
ところで、未だ前記ホテル経営者の同伴の下で「子ざる駅長」たちが出勤していた2011年4月から5月にかけての時期、同年4月に生まれたばかりのメスの赤ちゃんザルの初披露のため、同年5月15日、当駅に赴こうとしていた[15]。しかし、その2日前の5月13日になって飼い主が経営するホテルのもとに「選挙期間中となるので北条町駅に出勤しないように」等の要求が記された匿名のハガキが届いた。折しも前記「5月15日」は加西市長ならびに同市議会議員の選挙の告示日にあたっており、選挙戦への影響を懸念してのことと思われたが、これに対し「子ざる駅長」たちの飼い主たるホテル経営者は「匿名は卑怯であり、要求には応じられない」と憤っていた[15][注釈 2]。
隣の駅
編集- 北条鉄道
- 北条線
- 播磨横田駅 - 北条町駅
脚注
編集注釈
編集- ^ 北条鉄道の公式Webサイトに於いて、かつては子ざる駅長の特設ページが設けられており、制服をまとった子ざる駅長の写真画像と子ざる駅長からの”メッセージ”がトップに掲載され、そのすぐ下に関連情報が掲載されていたが、現行(2017年6月18日時点)の公式Webサイト上では、その特設ページ自体が削除されているほか、特設ページへのアクセスリンク(バナー)も2016年3月を最後に削除されている《特設ページ本体の存在については2016年9月18日付けアーカイブが確認可能な最後のものとなっており、関連情報を伴ったものに関しては同年4月4日付けアーカイブが最後となっている》[23][24][25][26][27]
- ^ 「子ざる駅長」を誕生させた当時の北条鉄道社長であり加西市長でもある中川暢三が打ち出してきた、この「子ざる駅長」を初めとする北条鉄道存続のための一連の施策に対し「市長の人気取り、政争の具」だと批判する勢力が存在したことが背景にあるとの指摘も為されている。なお、前記2011年4月生まれの赤ちゃんザルの当駅に於ける初お目見えの日として予定されていた同年5月15日に告知され、1週間後の同年5月22日に投票が行われた加西市長選挙では、現職だったその中川は落選、新人で元加西市職員の西村和平が初当選を果たした。西村は中川が打ち出してきた北条鉄道のための施策のうち民間公募社長を解任するなどの行動を起こし、北条鉄道の内部は一時混乱状態と化していた[28][29]。
出典
編集- ^ a b c d e f g h i j 『兵庫の鉄道全駅 JR・三セク』神戸新聞総合出版センター、2011年12月15日、226頁。ISBN 9784343006028。
- ^ a b c d e f g h 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』 14号 神戸電鉄・能勢電鉄・北条鉄道・北近畿タンゴ鉄道、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2011年6月19日、18-19頁。
- ^ “北条町(路線図・駅情報)”. 北条鉄道株式会社. 2014年11月8日閲覧。
- ^ a b 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、244頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 『シーナリィ・ガイド』(p42、p198)より。
- ^ 国土数値情報(駅別乗降客数データ) - 国土交通省、2020年9月11日閲覧
- ^ a b “創業地の源流ここにあり - 数々の"名品"を生み出す三洋電機加西事業所”. TECH+ (マイナビニュース). マイナビ (2011年11月4日). 2022年10月6日閲覧。
- ^ “アクアスかさい(グリーンスポーツ広場)について”. 加西市 (2020年11月30日). 2022年10月6日閲覧。
- ^ “加西市民会館”. 加西市民会館. 2022年10月6日閲覧。
- ^ “アスティアかさい”. アスティアかさい. 2022年10月6日閲覧。
- ^ “水田家住宅主屋”. 文化遺産オンライン. 文化庁. 2022年10月6日閲覧。
- ^ “すぱーく加西(屋内ゲートボール場)について”. 加西市 (2020年11月30日). 2022年10月6日閲覧。
- ^ a b “ライバルはたま駅長?子ザル駅長が誕生 兵庫・北条鉄道”. 朝日新聞. (2010年10月17日) 2017年6月18日閲覧。
- ^ “「子ザル駅長」デビュー 兵庫・北条鉄道”. 産経新聞(msn産経ニュース). (2010年10月16日). オリジナルの2010年11月24日時点におけるアーカイブ。 2017年6月18日閲覧。 ※ 現在はインターネット・アーカイブ内に残存
- ^ a b c “子ザル駅長に“横やり” 匿名はがきで「15日の選挙告示日は駅に来ないで」”. 産経新聞(msn産経ニュース). (2011年5月15日). オリジナルの2011年8月10日時点におけるアーカイブ。 2017年6月18日閲覧。 ※ 現在はインターネット・アーカイブ内に残存
- ^ “子ザル君の名前決定!”. 北条鉄道のブログ. 北条鉄道 (2010年10月19日). 2017年6月18日閲覧。
- ^ a b “子ザル駅長「しばらく休みます」 10月職場復帰目指す”. 産経新聞(msn産経ニュース). (2011年8月10日). オリジナルの2011年8月10日時点におけるアーカイブ。 2017年6月18日閲覧。 ※ 現在はインターネット・アーカイブ内に残存
- ^ 海上英敏(撮影) (2011年4月4日). “子ザル駅長が被災地支援の募金活動(動画)”. 読売新聞(YOMIURI ONLINE). オリジナルの2017年6月18日時点におけるアーカイブ。 2017年6月18日閲覧。《(アーカイブ内では動画再生不可)》
- ^ “子ザル駅長が帰ってくる☆”. 北条鉄道のブログ. 北条鉄道 (2011年10月11日). 2017年6月18日閲覧。
- ^ 毎日放送(MBS) (2014年11月22日). “せやねん! 2014年11月22日放送回”. gooテレビ番組. NTTレゾナント、ワイヤーアクション. 2017年6月18日閲覧。
- ^ よみうりテレビ(YTV) (2015年5月17日). “すもももももも!ピーチCAFE 2015年5月17日放送回”. gooテレビ番組. NTTレゾナント、ワイヤーアクション. 2017年6月18日閲覧。
- ^ “お知らせ〜子ざる駅長”. 北条鉄道. 2016年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月18日閲覧。
- ^ “子ざる駅長”. 北条鉄道 (2016年4月4日). 2016年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月18日閲覧。 ※ インターネットアーカイブより
- ^ “子ざる駅長”. 北条鉄道 (2016年9月18日). 2016年9月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月18日閲覧。 ※ インターネット・アーカイブより
- ^ “子ざる駅長”. 北条鉄道. 2016年11月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月18日閲覧。
- ^ “北条鉄道公式サイト・トップページ”. 北条鉄道. 2016年3月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月18日閲覧。
- ^ “北条鉄道公式サイト・トップページ”. 北条鉄道. 2016年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月18日閲覧。
- ^ 杉山淳一 (2012年10月12日). “「駅」を失った地域はどうなるのか”. ITmedia ビジネスオンライン. ITmedia. p. 3. 2017年6月18日閲覧。 “全4頁構成中3頁目中程掲載の『北条鉄道の紆余曲折』より”
- ^ “加西市長選挙”. 政治山. (株)VOTE FOR (2011年5月22日). 2017年6月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月18日閲覧。《》
参考文献
編集関連項目
編集外部リンク
編集- 北条町駅 - 北条鉄道