北川フラム
北川 フラム(きたがわ ふらむ、1946年(昭和21年)10月5日 - ) は、日本のアートディレクター。
きたがわ ふらむ 北川 フラム | |
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文化功労者顕彰に際して公表された肖像写真 | |
生誕 |
北川 フラム(きたがわ ふらむ) 1946年10月5日(78歳) 日本新潟県高田市 |
住居 | 日本 |
国籍 | 日本 |
出身校 | 東京芸術大学美術学部 |
職業 | アートディレクター |
活動期間 | 1971年 - |
時代 | 昭和時代後期 - |
活動拠点 | 日本 |
肩書き | 主な役職一覧 |
親 | 父:北川省一(良寛研究家) |
親戚 | 義兄:原広司(建築家) |
受賞 | 主な受賞歴一覧 |
来歴
編集新潟県高田市(現・上越市)出身。新潟県立高田高等学校から東京芸術大学美術学部入学。仏教彫刻史を専攻。 大学では「東京芸術大学全共闘」として孤軍奮闘する。大学時代から学生運動界隈のつながりから、アングラ文化周辺に集まる人々と協働し、音楽や演劇のイベントを開催するようになる[1]。
大学卒業後、1971年(昭和46年)、東京芸術大学の学生・卒業生を中心に「ゆりあ・ぺむぺる工房」を発足させ、展覧会やコンサート、演劇の企画・制作に関わる。1982年(昭和57年)より代官山で「アートフロントギャラリー」を経営すると共に、アートディレクターとして国内外の美術展、企画展、芸術祭を多数プロデュースする。
1997年(平成9年)より越後妻有アートネックレス整備構想に携わり、2000年(平成12年)から開催されている「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」では総合ディレクターを務める他、瀬戸内国際芸術祭でも総合ディレクターを務めた。
主な役職
編集新潟市美術館運営問題
編集2007年(平成19年)から新潟市美術館の非常勤館長に就任し、美術館改革を進めようとしていた。2009年(平成21年)に開催された第一回水と土の芸術祭2009年(平成21年)ではディレクターとなる。この芸術祭は、新潟市に特徴的な「水と土」の文化を発掘・発信するものであり、美術館でも水と土に因む関連作品が展示された。しかし空調を止めたこと等が原因で、伝統的な手法で土と藁から作られた土壁の作品からカビが発生し、マスコミで騒がれた。また関連企画展「新潟への旅」展では、展示作品より蜘蛛が発生したことが再びマスコミ等で騒がれ全国的な話題となった。
これらカビと蜘蛛の問題が、実際には直接人体や作品へ影響を与えるようなものでは無かったにもかかわらず大きく騒がれたことの背景には、美術館改革に伴う前職員、地元美術関係者との確執が存在しているという意見もある[2][3]。この状況を鎮めるべく、準備を進めていた「奈良の古寺と仏像」展の開催のために、2010年(平成22年)当時の新潟市長・篠田昭は2010年(平成22年)3月12日付けで館長職の解任を発表、3月末の任期満了を待たず更迭に踏み切った。
後に本人は、当時を振り返って、「新潟の件については、調子に乗っていたな、と思います。」とコメントしている。[4]
主な展覧会・プロジェクト
編集- ガウディ展(1978年 - 1979年)
- 子どものための版画展(1980年 - 1982年)
- アパルトヘイト否!(1988年 - 1990年)
- ファーレ立川(1994年)
- さよなら同潤会代官山アパート展(1996年)
- 場所の状態:フランス文化省パブリックアートプロジェクトの記録日本展 1997
- アントニオ·ガウディ展 1998
- 高田·花ロード展(1999以降毎年開催)
- ショパン ボーランド·日本展 1999
- 代官山インスタレーション展(1999以降、隔年開催)
- 繋がる日本海(表参道·新潟館ネスパス)2001
- 日本・ヨーロッパ建築の新潮流展 2001
- 立川国際芸術祭 2001
- 中川幸夫「花狂い」(大地の芸術祭 2003プレイベント)
- 菜の花里美発見展:アートユニバーシアード 2002
- 東大寺アートプロジェクト 2004
- ヨーロッパ·アジア·パシフィック建築の新潮流展 2004
- 日本におけるドイツ年:ドイツデザインプロジェクト
- 宇宙連詩プロジェクト(2005,2007,2008)
- 韓国·安養市パブリックアート·プロジェクト 2005
- 上勝町アートプロジェクト 2007
- ショパン・ポーランド日本展(1999年)
- 札幌ドームアート計画(2000年)
- 第1回 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2000-(2000年)
- 第2回 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003-(2003年)
- 第3回 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2006-(2006年)
- 第4回 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009-(2009年)
- 大阪・アート・カレイドスコープ2007 大大阪にあいたい(プロデューサー)
- 大阪・アートカレイド・スコープ2008 大阪時間(プロデューサー)
- にいがた水と土の芸術祭2009(ディレクター)
- 水都大阪2009(プロデューサー)
- 瀬戸内国際芸術祭2010(総合ディレクター)
- 瀬戸内国際芸術祭2013(総合ディレクター)
- 徳島LEDアートフェスティバル2013(スーパーバイザー)
- 北アルプス国際芸術祭(総合ディレクター)
- 奥能登国際芸術祭2017(総合ディレクター)
- 再開発・パプリックアート事業
- ファーレ立川アート計画総合プランニング 1994
- クイーンズスクエア横浜 1997
- 宮城県図書館アートワーク 1998
- HAT 神戸·灘の浜、脇の浜アートワーク 1999
- OFRONTコンテンポラリーアートショーケース 第1回作品プロデュース 1999
- 渋谷マークシティ遊歩道設計.2000
- 代官山アドレスアートワーク 2000
- 釧路シビックコアアート計画 2000
- 愛野駅周辺アート計画 2001
- 上目黒2丁目再開発事業アート計画 2002
- 御池通シンボルロードアート空間創生事業 メモリアルロード2002
- 朱鷺メッセアート計画 2003
- 札幌駅アート計画 2003
- 関西電力本社ビルアート計画 2004
- 中部国際空港アート計画 2005
- 赤坂サカスアート計画 2008
主な受賞歴
編集著書・編著・共著
編集- 『私ではなく、不知火の海が』(現代企画室、1981年)
- 『ART UNIVERSIADE - 菜の花里見発見展記録集 -』(現代企画室、2003年)
- 『いま、そこにいる良寛』(現代企画室、2004年)
- 『希望の美術・協働の夢 北川フラムの40年 1965 - 2004』 (角川学芸出版、2005年)
- 『大地の芸術祭 - 越後妻有アートトリエンナーレ2006 -』(現代企画室、2007年)
- 『つながる日本海 - 新しい環日本海文明圏を築くために -』(現代企画室、2007年)
- 『逸格の系譜 - 愚の行方 -』(現代企画室、2007年)
- 『M×M -建築家が語る「都市への処方」』(前田建設工業(現代企画室)、2007年)
- 『大地の芸術祭』 (角川学芸出版、2010年)
- 『丹下健三 伝統と創造 –瀬戸内から世界へ』(美術出版社、2013年)
- 『アートの地殻変動 大転換期、日本の「美術・文化・社会」』(美術出版社、2013年)
- 『美術は地域をひらく: 大地の芸術祭10の思想 Echigo-Tsumari Art Triennale Concept Book』(現代企画室、2014年)
- 『ひらく美術: 地域と人間のつながりを取り戻す』 (ちくま新書、2015年)
- 『直島から瀬戸内国際芸術祭へ─美術が地域を変えた』(現代企画室 、2016年)福武總一郞、北川フラム共著
- 『ファーレ立川パブリックアートプロジェクト 基地の街をアートが変えた』(現代企画室、2017年)
脚注
編集- ^ 運動も美術も、排斥ではなく協働を――北川フラム氏(元・東京芸大全共闘)に聞く 60年代・70年代を検証する - 図書新聞、2009年(平成21年)7月4日
- ^ 新潟市美術館 独断運営でほころび 生え抜き学芸員放出 - 毎日新聞 東京朝刊28頁社会面、2010年(平成22年)3月21日
- ^ 「ガバナンスに問題あった」北川前・館長、新潟市美術館の運営検証委で - 朝日新聞東京地方版/新潟25頁、2010年(平成22年)5月14日
- ^ (フロントランナー)アートディレクター・北川フラムさん - 朝日新聞 東京朝刊週末be、2013年(平成25年)8月10日
- ^ “704人26団体 紫綬褒章に映画監督の周防正行さん、囲碁棋士の石田芳夫さんら”. 産経ニュース (2016年4月28日). 2016年4月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月14日閲覧。
- ^ “朝日賞 2001-2018年度”. 朝日新聞社. 2023年1月3日閲覧。
- ^ “平成30年度 文化功労者”. 文部科学省 (2018年11月3日). 2018年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月27日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- ART FRONT GALLERY(アートフロントギャラリー)
- ART SETOUCHI
- 大地の芸術祭
- 水と土の芸術祭2009 新潟市(最終更新日:2020年(令和2年)6月12日)
- 水と土の芸術祭2009(2014年(平成26年)7月3日時点のアーカイブページ)
- とくしまLED・デジタルアートフェスティバル
- 北アルプス国際芸術祭2020
- 奥能登国際芸術祭2020