加納一朗
日本の小説家、脚本家
1928年1月12日 - 2019年8月25日)は、日本の小説家、ミステリ作家、SF作家、時代小説作家。本名:山田 武彦。 祖父は言文一致の先駆者である明治の作家・山田美妙。
(かのう いちろう、生年月日 | 1928年1月12日 |
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没年月日 | 2019年8月25日(91歳没) |
本名 | 山田 武彦 |
出身地 | 日本・東京府北豊島郡 |
学歴 | 二松學舍専門学校 |
職業 | 小説家 |
ジャンル | サイエンスフィクション、ミステリー |
活動期間 | 1960年 - 2019年 |
親族 | 山田美妙(祖父) |
主な作品 | |
『ホック氏の異郷の冒険』など | |
人物
編集東京府北豊島郡(現在の東京都豊島区)生まれ[1]。満州国大連で育つ。二松學舍専門学校国文科卒業。教育委員会勤務、編集者を経て1960年「宝石」誌に「錆びついた機械」が掲載。『怪盗ラレロ』や『セブンの太陽』など児童文学にも多くの作品を残している。
また1963年から1964年にかけて、エイケンが製作し、東京放送(現 TBSテレビ)にて放映された連続テレビアニメ『エイトマン』(原作:平井和正)や『スーパージェッター』(原作:久松文雄)の2作品の脚本・監修を担当、特に『スーパージェッター』では主題歌(作曲:山下毅雄、歌唱:上高田少年合唱団)の作詩を手掛けたことで知られた[2]。
1984年『ホック氏の異郷の冒険』で第37回日本推理作家協会賞(長編部門)受賞。映画史についての著作もある。同年探偵作家クラブに入会し書記局担当。1967年から1993年まで日本推理作家協会理事。1988年から2005年まで日本文芸著作権保護同盟理事長。日本文芸家協会理事。
著書
編集- 『歪んだ夜』(光風社) 1962年
- 『シャット・アウト』(東都書房、Toto mystery) 1963年
- 『白い残像』(宝石社) 1963年、のち徳間文庫
- 『冷えた気流』(青樹社) 1963年
- 『影の接点』(青樹社) 1964年
- 『背後の標的』(光風社) 1964年
- 『セブンの太陽』(金の星社、少年少女21世紀のSF) 1969年
- 『パルにまかせろ』(朝日ソノラマ、サンヤングシリーズ) 1970年
- 『とびだせ! ピンキリ』(朝日ソノラマ、サンヤングシリーズ) 1971年
- 『無性集団』(双葉社、双葉ノベルス) 1973年
- 『背信の荒野』(青樹社) 1973年、のち角川文庫
- 『野獣の標的』(日本文華社、文華新書) 1976年、のち徳間文庫
- 『天使の身代金』(秋元書房、秋元文庫) 1976年[3][4]
- 『死霊の王国』(インタナル出版部) 1977年1月、のち角川文庫
- 『北方領土殺人事件』(日本文華社) 1977年8月、のち改題『流氷殺人事件』(徳間文庫)
- 『パリ殺人事件』(徳間書店、トクマ・ノベルズ) 1981年1月
- 『殺人フィルムへの招待』(徳間書店、トクマ・ノベルズ) 1981年10月
- 『女王陛下の留置場 殺人珍道中シリーズ』(角川書店、角川文庫) 1982年7月
- 『パリの空の下死体は流れる 殺人珍道中シリーズ』(角川書店、角川文庫) 1982年9月
- 『裂けた旅路』(徳間書店、トクマ・ノベルズ) 1982年6月
- 『生殖センターの殺人』(角川書店、角川文庫) 1983年4月
- 『暗殺回路』(角川書店、角川ノベルズ) 1983年4月
- 『血の色の冬』(徳間書店、トクマ・ノベルズ) 1983年6月
- 『にごりえ殺人事件』(双葉社、双葉ノベルス) 1984年12月、のち文庫
- 『黄海大脱走』(徳間書店、トクマ・ノベルズ) 1984年4月
- 『白夜の狙撃者』(日本文華社、文華新書・小説選集) 1984年9月
- 『浅草ロック殺人事件』(栄光出版社) 1985年6月、のち講談社文庫
- 『特急“あじあ"殺人行』(双葉社、双葉ノベルス) 1986年12月、のち文庫
- 『魔性の天使』(徳間書店、トクマ・ノベルズ) 1986年3月
- 『なぞの惑星メタルーナ』(かのういちろう名義、くもん出版、くもんのユーモア文学館) 1986年7月
- 『蜘蛛たちの夜』(徳間書店、徳間文庫) 1989年2月
- 『黄金幻想殺人事件』(大陸書房、大陸ノベルス) 1989年2月
- 『“幻の炎"殺人ライン』(双葉社、双葉ノベルス) 1989年11月
- 『北アルプス白の死線』(青樹社、Big books) 1990年10月
- 『髑髏菩薩』(双葉社、双葉ノベルス) 1991年12月
- 『影の旅路』(出版芸術社) 1993年6月
- 『デスレス 奴等は死なない』(双葉社) 1996年1月
- 『あやかし同心事件帖』(ワンツーマガジン社、ワンツー時代小説文庫) 2006年3月
- 『あやかし同心死霊狩り』(ワンツーマガジン社、ワンツー時代小説文庫) 2008年1月
「ホック氏」シリーズ
編集- 『ホック氏の異郷の冒険』(角川文庫) 1983年8月、のち天山文庫、のち双葉文庫
- 『ホック氏・紫禁城の対決』(双葉ノベルス) 1988年1月、のち文庫
- 『ホック氏・香港島の挑戦』(双葉ノベルス) 1988年12月
開化殺人帖シリーズ
編集- 『開化殺人帖 懲役人源治の復讐』(青樹社、Big books) 1987年9月
- 『帝都誘拐団 開化殺人帖シリーズ』(青樹社、Big books) 1988年5月
- 『異人の首 開化殺人帖シリーズ』(青樹社、Big books) 1989年4月
- 『死人起こし 開化殺人帖シリーズ』(青樹社、Big books) 1990年3月
ソノラマ文庫(ジュブナイル)
編集SF、推理、冒険、ファンタジー、ホラー、ユーモアものなどジャンルは多岐にわたる。
- 『怪盗ラレロ』(講談社) 1968年、のちソノラマ文庫
- 『透明少年』(朝日ソノラマ) 1969年、のち文庫
- 『夕焼けの少年』(朝日ソノラマ) 1969年、のち文庫
- 『イチコロ島SOS』(朝日ソノラマ) 1969年、のち文庫
- 『ほらふき大追跡!』(朝日ソノラマ) 1970年、のち文庫
- 『ミラクル少女』(朝日ソノラマ) 1971年、のち文庫
- 『虹魚は海に消えた』(ソノラマ文庫) 1976年
- 『ふくろうが死を歌う』(ソノラマ文庫) 1977年4月
- 『ロボット大混乱』(ソノラマ文庫) 1977年11月
- 『タイムマシン殺人事件』(ソノラマ文庫) 1978年5月
- 『死体がゆっくりやってくる』(ソノラマ文庫) 1978年9月
- 『天国探偵局』(ソノラマ文庫) 1979年2月
- 『半透明人間の逆襲』(ソノラマ文庫) 1979年9月
- 『ピーマン特攻指令』(ソノラマ文庫) 1980年2月
- 『人工生命体ドンドン』(ソノラマ文庫) 1980年8月
- 『猿人対地球人』(ソノラマ文庫) 1981年1月
- 『冷凍人間アイスマン』(ソノラマ文庫) 1981年6月
- 『凸凹タイム・ライダー』(ソノラマ文庫) 1981年11月
- 『ショック! 夢見る機械』(ソノラマ文庫) 1982年11月
- 『うなぎマント作戦』(ソノラマ文庫) 1982年6月
- 『悪霊先生』(ソノラマ文庫) 1983年7月
- 『原始怪獣グララ』(ソノラマ文庫) 1984年11月
- 『コピー人間の復讐』(ソノラマ文庫) 1984年2月
- 『幽霊宅急便』(ソノラマ文庫) 1985年11月
- 『一九八五年、異次元への旅』(ソノラマ文庫) 1985年6月
- 『妖気の森の物語』(ソノラマ文庫) 1986年11月
- 『踊るエレベーターの謎』(ソノラマ文庫) 1986年5月
- 『四次元階段』(ソノラマ文庫) 1987年5月
- 『ノートルダムのけむし男』(ソノラマ文庫) 1987年11月
- 『タイム・エスケープ1945年』(ソノラマ文庫) 1988年11月
- 『『魂』セールスマン』(ソノラマ文庫) 1988年5月
- 『恐竜ランドの挑戦』(ソノラマ文庫) 1989年5月
- 『ブラック・クリスマス』(ソノラマ文庫) 1989年11月
- 『アシスタント魔女』(ソノラマ文庫) 1990年5月
- 『ゴースト刑事街を行く』(ソノラマ文庫) 1990年11月
- 『三ダースのエイリアン・エッグ 迷走宇宙トラック・シリーズ』(ソノラマ文庫) 1991年11月
- 『恐怖の大頭脳』(ソノラマ文庫) 1991年5月
- 『異次元のマンモス 迷走宇宙トラック・シリーズ』(ソノラマ文庫) 1992年5月
- 『マッド・ボンバーを追え』(ソノラマ文庫) 1992年12月
小説以外
編集- 『ぼくらのものしり百科 SF編』(朝日ソノラマ) 1972年
- 『名探偵登場 推理クイズ』(学習研究社) 1973年
- 『名探偵入門』(小学館、小学館入門百科シリーズ) 1973年
- 『SFゲーム 知的プレーを楽しむクイズの本』(日本文芸社) 1973年
- 『探偵 現代の科学捜査をさぐる』(若木書房、ものしり100シリーズ) 1974年
- 『推理 名探偵40人に挑戦』(ユニコン出版、ユニコンブックス) 1974年
- 『SF SFクイズに挑戦』(ユニコン出版、ユニコンブックス) 1975年
- 『怪奇 実話! 62の怪奇スリラー』(ユニコン出版、ユニコンブックス) 1975年
- 『推理・SF映画史』(インタナル出版社) 1975年
- 『怪奇・SF 恐怖のミステリーゾーン』(学習研究社) 1977年10月
- 『秘密の探偵術』(広済堂出版、豆たぬきの本) 1979年10月
- 『アリバイをくずせ ズバリ見破れ!! 謎の怪事件30題』(永岡書店) 1980年9月
- 『ホシを探せ トリックの盲点をつけ!』(永岡書店) 1980年9月
- 『探偵推理入門』(有紀書房、なかよし入門百科) 1981年11月
- 『SFディメンションクイズ 超心理学と想像力への挑戦』(日本文芸社) 1985年3月
- 『映画プログラム・グラフィティ 映画100年・その輝く青春』(双葉社) 1995年2月
- 『落語を生んだ江戸の笑い話・こわい話』1 - 6(学習研究社) 2005年2月
- 『映画は光と影のタイムトラベル 映画プログラムの時代』(パピルスあい) 2005年3月
- 『アジアの笑い話・こわい話』1 - 6(学習研究社) 2008年2月
翻訳
編集脚注
編集- ^ 『加納一朗先生』プロフィール - 日本文芸学院
- ^ a b "作家の加納一朗氏死去=「エイトマン」などの脚本に携わる". 時事ドットコム. 時事通信社. 2 September 2019. 2019年9月3日閲覧。
- ^ 東京都古書籍商業協同組合『天使の身代金(加納一朗 著) / 古本屋ピープル / 古本、中古本、古書籍の通販は「日本の古本屋」』 。
- ^ “天使の身代金 加納一朗著 岩田ひろまさ絵 秋元文庫 YOUNGシリーズ 送料無料|Yahoo!フリマ(旧PayPayフリマ)”. Yahoo!フリマ. 2024年7月30日閲覧。