日本 > 岩手県 > 盛岡市 > 前九年

前九年(ぜんくねん、英語: Zenkunen)とは、岩手県盛岡市の町丁であり、前九年一丁目から前九年三丁目までを擁する。住居表示実施済み区域[6]郵便番号は020-0127[3]。盛岡市の住民基本台帳によると2022年令和4年)2月末時点での前九年の住民は3,553人、世帯数は1,947世帯である[2]。旧岩手郡栗屋川村の一部、旧岩手郡のち南岩手郡下厨川村の一部、旧南岩手郡のち岩手郡厨川村大字下厨川の一部、旧盛岡市畑中宿田狐森館坂宿田後権現坂下厨川下厨川長畑下厨川馬頭下厨小屋塚頭の一部[7]

前九年
前九年の位置(岩手県内)
前九年
前九年
前九年の位置
北緯39度42分58.766秒 東経141度7分23.127秒 / 北緯39.71632389度 東経141.12309083度 / 39.71632389; 141.12309083
日本
都道府県 岩手県
市町村 盛岡市
成立 1960年[1]
面積
 • 合計 0.681929541 km2
人口
(2022年2月末時点[2]
 • 合計 3,553人
 • 密度 5,200人/km2
郵便番号
020-0127[3]
市外局番 019(盛岡MA[4]
ナンバープレート 盛岡
運輸局住所コード 03500-0886[5]

地理

編集

前九年は盛岡市の西部に位置し、多くの町丁と接しており、北西で青山と、東で上堂や安倍館町などと、南東で北夕顔瀬町と、南西で大新町や天昌寺町と接する。

域内は住宅地が多くを占めており、駅はないものの西部を東北新幹線いわて銀河鉄道線が通過する。東部に北上川が流れ、それに沿うように岩手県道220号氏子橋夕顔瀬線が南北に走っている。

河川

編集

歴史

編集

前九年一丁目から前九年二丁目にかけて、副葬品である2振の鉄刀を伴った7~8世紀代の地域首長の墳墓が宿田遺跡から出土しており、古代からこの地域には支配者がいた[9][10]

前九年の住所としての成立は1965年であるが、行政区としては、1945年頃から成立していたとされる[1]1955年頃から、急激に住宅が増えて、地価が高騰し、1961年時点の前九年町内会は世帯数は631世帯で市内で最大であった[1]

沿革

編集
  • 天正年間 - 岩手県管轄地誌によると岩手郡厨川村[注 1]から、上厨川村と下厨川村が分村したとされる[注 2]
  • 1889年明治22年) - 町村制施行に伴い、下厨川村は上厨川村、土淵村、平賀新田と合併し、厨川村となり、下厨川は厨川村の大字となった[7]
  • 1897年(明治30年) - 郡制施行に伴い、厨川村が岩手郡の管轄になった。
  • 1940年昭和15年)1月1日 - 厨川村が盛岡市に編入されるに伴って、厨川村の大字下厨川は盛岡市の大字となった。
  • 1965年(昭和40年) - 盛岡市の大字の一部が前九年一丁目として成立[1]
  • 1966年(昭和41年) - 盛岡市の大字の一部が前九年二丁目および前九年三丁目として成立[1]

名称の由来

編集

安倍氏源頼義が戦った前九年の役の安倍氏終焉の地である厨川柵が付近にあったことが由来とされる[11]

施設

編集
 
 
750 m
8
7
6
5
4
3
2
1
前九年にある施設の略地図
1
盛岡市立厨川小学校
2
北日本銀行館坂支店
3
日本通運盛岡支店
4
盛岡前九年郵便局
5
ウエルシア盛岡前九年店
6
前九年公園
7
江南義塾盛岡高等学校
8
盛岡西警察署前九年警察署
  • 盛岡市立厨川小学校(一丁目2番1号)[12]
  • 北日本銀行館坂支店(二丁目5番5号)[13]
  • 日本通運盛岡支店(二丁目13番5号)[14]
  • 盛岡前九年郵便局(三丁目5番24号)[15]
  • ウエルシア盛岡前九年店(三丁目6番26号)[16]
  • 前九年公園(三丁目7番1号)[17]
  • 江南義塾盛岡高等学校(三丁目8番20号)[18]
  • 盛岡市立ひまわり学園(三丁目12番38号)[19]
  • 盛岡西警察署前九年交番(三丁目18番10号)[20]

交通

編集

鉄道

編集

先述の通り、前九年の西部にJR東北新幹線IGRいわて銀河鉄道いわて銀河鉄道線が走っているが、域内に鉄道駅は存在しない。なお、最寄駅は隣接する青山に所在する青山駅(IGRいわて銀河鉄道いわて銀河鉄道線)や盛岡駅(JR東北本線・IGRいわて銀河鉄道いわて銀河鉄道線など)が挙げられる。

道路

編集

バス

編集
  • 岩手県北バス
  • JRバス東北
  • 岩手県交通
    • 青山・天昌寺→盛岡駅前→盛岡バスセンター[21]
    • 上堂→盛岡駅前→盛岡バスセンター[21]
    • 青山町線(201他)[21]
    • 南青山町線(204)[21]
    • 盛岡北高線(212)[21]
    • みたけ西線(213)[21]
    • 青山天神線(214)[21]
    • 滝沢かつらぎ団地線(227)[21]
    • 厨川中央線(251・252)[21]
    • みたけ中央線(255他)[21]
    • みたけ東線(260)[21]
    • 日赤経由みたけ線(414)[21]
    • 厨川深夜線[21]
    • 滝沢深夜線[21]
    • 繋・鶯宿線[21]
    • 青山松園線[21]
    • 松園北高線[21]

統計

編集

人口

編集

盛岡市の住民基本台帳によると2022年令和4年)2月末時点での前九年の人口および世帯数の統計は以下の通りである[2]

丁目 世帯数
1丁目 328世帯 279人 273人 552人
2丁目 576世帯 475人 573人 1,048人
3丁目 1,043世帯 912人 1,041人 1,953人
合計 1,947世帯 1,666人 1,887人 3,553人

関連項目

編集

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ 栗谷川村、栗屋川村とも[7]
  2. ^ ただし、正保郷村帳や貞享高辻帳、元禄郷帳、天保郷帳、安政高辻帳によると栗屋川村の一村のみと記されている[7]

出典

編集
  1. ^ a b c d e 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 1995, p. 404.
  2. ^ a b c 人口と世帯数”. 盛岡市 (2022年3月22日). 2022年3月25日閲覧。
  3. ^ a b 郵便番号簿PDF(2020年度版) 岩手県” (PDF). 日本郵便グループ. 2022年3月25日閲覧。
  4. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2022年3月25日閲覧。
  5. ^ 自動車登録関係コード検索システム”. 国土交通省. 2023年8月18日閲覧。
  6. ^ 住居表示実施町名一覧”. 盛岡市役所. 2023年1月17日閲覧。
  7. ^ a b c d 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 1995, p. 403.
  8. ^ 北上川水系水質汚濁対策連絡協議会(事務局)岩手河川国道事務所河川管理課 (2004年8月3日). “8月3日発生の盛岡市前九年一丁目水質事故について(第1報)”. 国道交通省東北地方整備局. 2022年3月25日閲覧。
  9. ^ 盛岡市教育委員会 (2022年2月21日). “発掘調査報告書3”. 盛岡市. 2022年6月8日閲覧。
  10. ^ 第23回埋蔵文化財調査資料展 「盛岡を発掘する」-平成17年度調査速報-”. 丹青社 (2022年2月21日). 2022年6月8日閲覧。
  11. ^ 前九年の役古戦場:岩手県”. 刀剣ワールド. 2022年6月8日閲覧。
  12. ^ 施設案内 盛岡市立厨川小学校 所在地・連絡先”. 盛岡市 (2018年12月28日). 2022年3月28日閲覧。
  13. ^ 北日本銀行 館坂支店”. 金融機関コード・銀行コード検索. 2022年3月28日閲覧。
  14. ^ 岩手県の営業窓口”. 日本通運. 2022年3月28日閲覧。
  15. ^ 盛岡前九年郵便局 (もりおかぜんくねんゆうびんきょく)”. 日本郵政グループ. 2022年3月28日閲覧。
  16. ^ ウエルシア盛岡前九年店”. ウエルシア. 2022年3月28日閲覧。
  17. ^ 施設案内 前九年公園”. 盛岡市. 2022年3月28日閲覧。
  18. ^ 施設案内 盛岡市立厨川小学校 所在地・連絡先”. 盛岡市. 2022年3月28日閲覧。
  19. ^ 児童発達支援センター 盛岡ひまわり学園”. 盛岡市社会福祉事業団. 2022年6月8日閲覧。
  20. ^ 盛岡西警察署管内の交番 駐在所一覧”. 岩手県 (2021年12月21日). 2022年3月28日閲覧。
  21. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 館坂橋”. NAVITIME. 2022年3月28日閲覧。

参考文献

編集
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編 編『角川日本地名大辞典 3 岩手県』角川書店〈1版〉、1995年2月7日。ISBN 4040010302