六放海綿綱
六放海綿綱(ろくほうかいめんこう、Hexactinellid)は、4つか6つのシリカでできた骨針を備えた骨格を持つ海綿動物である。ガラス海綿類とも呼ばれる。通常は海綿動物門に分類されるが、合胞体亜門として分けて扱うことを提唱する研究者もいる。
六放海綿綱 | |||||||||
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亜綱 | |||||||||
生態
編集六放海綿綱は、水深450mから900mの海で良く見られるが、Oopsacas minutaは浅い海で見つかる。世界中の海に棲息するが、特に南極海に多い[1]。
コップのような形をしており、高さは10cmから30cmで、シリカの骨針でできた、しっかりしたレタスのような内部骨格を持っている。体は比較的対称形で、多くの種では内部の大きな空洞は、ふるいを通して外部に向かって開いている。また他の海綿とは異なり、群生せずに単独で存在する傾向がある。色は淡色であることが多い[1]。
体の大部分は多核細胞の合胞体でできている。特に他の海綿にあるような上皮細胞は持たず、アメーバ状の膜で覆われている。さらに他の海綿のように収縮する能力も持たない[1]。
体内の電気インパルスを高速で伝達させ、外部の刺激に迅速に反応する独特のシステムを持つ。カイロウドウケツのようなガラス海綿は、繊維の房を持ち、骨格の基部から裏返った王冠のように外側に向けて広がっている。繊維の長さは50mmから175mmで、人間の髪の毛ほどの細さである。今日の情報通信ネットワークで使われている光ファイバーと似た特性を持つと言われている[2]。
寿命はとても長いが、正確な年齢を測定するのは困難である。モデルに基づいたある研究によると、Scolymastra joubiniの年齢を23000年と推定している[3]。またAnAge Databaseには15000年以下と登録されている[4]。
礁
編集ブリティッシュコロンビア州やワシントン州の湾では、海綿が礁を作っており[5]、Sponge Reef Projectが研究を行っている。
分類
編集既知の最も初期の六放海綿綱は、カンブリア紀初期から新原生代後期の地層で見つかっている。化石は普通海綿綱とかなりの共通点を持つが、骨針が頑丈で良く化石化しており、少なくともその一部であったと考えられている。
現生種は2つの亜綱、5つの目に分けられる[6]。
- 両盤亜綱 Amphidiscophora
- 両盤目 Amphidiscosida
- ホッスガイ科 Hyalonematidae - 5属118種
- Monorhaphididae - 1属1種 Monorhaphis chuni
- Pheronematidae - 6属40種
- 六放星亜綱 Hexasterophora
- Aulocalycoida
- Aulocalycidae - 7属9種
- Uncinateridae - 2属3種
- 六放目 Hexactinosida
- Family incertae sedis - 3属3種
- Dactylocalycidae - 2属3種
- Aphrocallistidae - 2属6種
- Auloplacidae - 1属4種
- Craticulariidae - 1属1種 Laocoetis perion
- Cribrospongiidae - 1属1種 Stereochlamis incertum
- Euretidae - 18属56種
- Farreidae - 5属35種
- Fieldingiidae - 1属2種
- Tretodictyidae - 8属30種
- Lychniscosida
- Aulocystidae - 2属6種
- Diapleuridae - 1属2種
- カイロウドウケツ目 Lyssacinosida
- Family incertae sedis - 2属2種
- カイロウドウケツ科 Euplectellidae - 27属93種
- Leucopsacidae - 3属8種
- Rossellidae - 24属169種
出典
編集- ^ a b c Barnes, Robert D. (1982). Invertebrate Zoology. Philadelphia, PA: Holt-Saunders International. p. 104. ISBN 0-03-056747-5
- ^ Vikram C. Sundar; Andrew D. Yablon; John L. Grazul; Micha Ilan; Joanna Aizenberg (2003). “Fibre-optical features of a glass sponge”. Nature 424: 899-900.
- ^ Susanne Gatti (2002). “The Role of Sponges in High-Antarctic Carbon and Silicon Cycling - a Modelling Approach”. Ber. Polarforsch. Meeresforsch 434. ISSN 1618-3193 2012年8月14日閲覧。.
- ^ Hexactinellid information from the AnAge Database
- ^ “Reef of glass sponges found off Washington's coast”. 2012年8月14日閲覧。
- ^ “Hexactinellida in WoRMS”. 2012年8月14日閲覧。