停電少女と羽蟲のオーケストラ
停電少女と羽蟲のオーケストラ(ていでんしょうじょとはねむしのオーケストラ)は、CDレーベル「IM(アイム)」作品のひとつ。2009年7月24日よりドラマCDシリーズが発売されている。
原作・脚本は二宮愛、イラスト・キャラクターデザインは田倉トヲル、音楽はZIZZ STUDIOが担当している。
「IM」は2005年に原作者の二宮愛が立ち上げたインディーズレーベル。アニメイトの限定発売を経て、口コミで広まり、全国販売となる。二宮の拘りがあり大々的な宣伝はせず、宣伝は公式サイトがメインとされていた。2009年「株式会社レノ」の所属レーベルになる。
『月刊Gファンタジー』(スクウェア・エニックス)2010年8月号からコミカライズ連載された。
2018年5月27日 本編全7巻(計11枚)再版と新規録り下ろし1枚の計12枚のドラマCDを収録した「停電少女と羽蟲のオーケストラ 愛蔵盤」の一般発売が決定した事が発表された。
物語
編集人間が瞳から光(=視力)を失った世界。人間は光を灯す存在「蛍」と出会い、支えあうように生きていく。
用語
編集- 「蛍(ほたる)」
- 契約を交わすことで、人間の瞳に光を与えることができる種族。本来の寿命はひと夏と短く、契約した人間の寿命を吸うことで生き永らえることが出来る。身体能力は人間より高く、特殊な気配を纏うが、見た目は人間と変わらず見分けるのは困難とされる。
- 「揚羽(あげは)」
- 蛍と契約し、瞳に光を宿した人間の総称。視力を得て「自由を掴んだ蝶々」に由来。蛍に寿命を吸われるため、契約後は約20年で命が尽きる。
- 「蜉蝣(かげろう)」
- 蛍と契約していない盲目の人間の総称。「弱々しく、闇に解けゆく儚い羽蟲」に由来。
- 「紡詩(つむぎうた)」
- 蛍が人間と契約を交わす際に紡ぐ詩。五七五七七のリズムで、一部に蛍自身の名が含まれている。
- 「義眼(ぎがん)」
- 蛍と契約をしなくても(=寿命を吸われなくても)、視力を少し回復させることができる。別名、「硝子玉」。
- 「珠(ぎょく)」
- 蛍の心臓のこと。
- 「停電(ていでん)」
- 蛍の「心の病気」とされている。停電した蛍は、人間に光を与えることができなくなり、ただ寿命だけを吸い続けることになる。
- 「骸蛍(むくろぼたる)」
- 人間の心臓を喰らうという禁忌を犯し、蛍としての本質を失った存在。骸となり、気配も失う。契約した人間から光と寿命を吸い尽くす。
登場人物
編集メインキャラクター
編集- 灰羽(はいばね)
- 声 - 櫻井孝宏
- 盲目の青年。抜刀術を使う。ネムと共に生きようと決めており、停電したネムの治療費を稼ぐため、灯屋に居候し運び屋として働いている。極度の方向音痴。
- ネム
- 声 - 竹内順子
- 灰羽の蛍だが、停電中のため光を与えることができない。捨て子だった灰羽を育ててきた母親的存在であるが、灰羽の方が保護者としてネムを世話しているようにしか見えない。
- 漆黒(しっこく)
- 声 - 平田広明
- 義眼専門の医者。ネムを救おうとする灰羽に興味を持ち、運び屋として雇う。
- 柩(ひつぎ)
- 声 - 寺島拓篤
- 漆黒の蛍。漆黒を「お父様」と呼び慕う。感情をあまり表に出さないタイプ。灯屋の家事担当。
- 橘(たちばな)
- 声 - 下野紘
- 漆黒の蛍。漆黒を「お父様」と呼び慕う。人間嫌いで喧嘩っ早く、いつも灰羽に喧嘩を売っては返り討ちにあっている。
ゲストキャラクター
編集第一楽章
編集- 銀影(ぎんえい)
- 声 - 子安武人
第二楽章
編集第三・四楽章
編集- 李朱(りしゅ)
- 声 - 丹下桜
第三楽章
編集第四楽章
編集旋律、零。
編集第五楽章
編集真夏ノ雪虫
編集- 雪虫(ゆきむし)
- 声 - 岩田光央
最終楽章
編集- 世界樹(せかいじゅ)
- 声 - 田中敦子
陽継ノ章
編集絶華ノ章
編集停電刀匣
編集深淵からの招待状
編集WEBラジオ
編集公式サイト内にて配信中。原作の二宮愛がプロデューサー・構成作家を務めている。
また、携帯向けの出張版「本日ノ柩行キ」がポケット★ドラマCD、声優アニメイトにて配信されている。
停電ラジヲ
編集- 概要
- 配信期間:2009年9月7日 - 2010年8月23日(全26回)
- 配信日:隔週月曜日
- パーソナリティ:平田広明(漆黒役)、寺島拓篤(柩役)
- コーナー
- 電子紡詩
- 緋影流 一刀両断!
- 俺とお前のオーケストラ
- 停電折り紙教室(〜15回)
- 停電粘土教室(16回)
- 停電双六(17回〜)
- ゲスト
基本的にレギュラー陣(下野紘、櫻井孝宏、竹内順子)の持ち回りとなっている。
- 第1・2回 - 下野紘(橘役)
- 第3・4回 - 櫻井孝宏(灰羽役)
- 第5・6・7回 - 竹内順子(ネム役)
- 第8・9回 - 下野紘(橘役)
- 第9回は寺島拓篤がゲストとなり下野紘がパーソナリティを担当
- 第10・11回 - 櫻井孝宏(灰羽役)
- 第12・13・14回 - 竹内順子(ネム役)
- 第15・16回 - 山口勝平(橙馬役)
- 第17回 - 竹内順子(ネム役)
- 第18回 - 下野紘(橘役)
- 第21回 - 丹下桜(李朱役)
- 第22回 - 櫻井孝宏(灰羽役)
- 第23回 - 加瀬康之(梔役)
- 第24回 - 櫻井孝宏(灰羽役)
- 第25回 - 丹下桜(李朱役)・下野紘(橘役)
- 第26回 - 竹内順子(ネム役)
停電ラジヲ戒
編集- 概要
- 配信期間:2010年10月11日 - 2012年4月2日(全37回)
- 配信日:隔週月曜日
- パーソナリティ:竹内順子(ネム役)、寺島拓篤(柩役)
- コーナー
- 電子紡詩・戒
- 停電少女と虫喰い劇場
- 愛ちゃん先生の「だってあたしがこれしたいんだもん!」
- ゲスト
関連商品
編集ドラマCD本編
編集※主題「停電少女と羽蟲のオーケストラ」は略して列記している。
- 第一楽章:蛍(2009年7月24日)
- 第二楽章:宴(2009年11月27日)
- 第三楽章:命(2010年3月30日)
- 第四楽章:棺(2010年6月25日)
- 旋律、零。(2010年10月29日)
- 第五楽章:涙(2010年12月17日)
- 最終楽章:光(2011年8月31日)
- ナナツハナ全集(全巻セット)(2011年8月31日)
- 愛蔵盤(全巻セット+新作)(2018年10月24日)
ドラマCD番外編
編集※主題「停電少女と羽蟲のオーケストラ」は略して列記している。
- 真夏ノ雪虫(2011年3月18日)
- 名無し指の約束 / 返り咲け ナナツハナ(2018年11月10日、新作キャラクターソングおよびBGMCD付き)
ドラマCD続編
編集- ナナツハナ 前篇(2019年8月7日)
- ナナツハナ 中篇(2020年10月30日)
スピンオフCD
編集※劇場版以外は主題「停電少女と羽蟲のオーケストラ」は略して列記している。
- 陽継ノ章(2012年4月20日)
- 絶華ノ章(2013年3月 5日)
- 停電刀匣(2013年8月26日)
- 劇場版 停電少女と羽蟲のオーケストラ 深淵からの招待状(2013年9月20日)
クロスオーバーCD
編集- IMの100まいめ。(2014年5月16日)
ワンコインCD
編集※主題「停電少女と羽蟲のオーケストラ」は略して列記している。
※現在は制作中止[1]
- 虫喰和歌集:蜜蜂(2009年8月13日)
- 虫喰和歌集:蟷螂(2009年10月30日)
- 虫喰和歌集:蝸牛(2010年10月29日)
- 未ダ見ヌ母ヘ(2011年6月10日)
- 番頭茶屋計画(2011年6月26日)
ミニドラマCD
編集※主題「停電少女と羽蟲のオーケストラ」は略して列記している。
※「虫喰和歌集 蜜蜂 其之弐」以外は、本編CDやゲームの購入特典として、主にIM公式通販サイトで配布された数量限定の非売品。
- 灯屋小噺 其之壱:火車
- 灯屋小噺 其之弐:座敷童子
- 灯屋小噺 其之参:人魚
- 停電皐月晴レ
- 一生懸命、蛍を数えてるだけの円盤。
- 寺子屋小噺 其之壱:柩
- 寺子屋小噺 其之弐:橘
- 寺子屋小噺 其之参:ネム
- 真剣に「停電少女と羽蟲のオーケストラ」の乙女ゲーム化計画について悩んでいるだけの、円盤。
- 7つのいろは珠を集めて願いを叶えるだけの、円盤。
- 真面目に「劇場版 停電少女と羽蟲のオーケストラ」について考えているだけの、円盤。
- 停電した世界の中心で電波を飛ばしているだけの、円盤。
- 虫喰和歌集:紡蟻
- 虫喰和歌集:紅娘
- 雨二唄エバ
- 虫喰和歌集 蜜蜂 / 蜜蜂 其之弐(ワンコインCD「虫喰和歌集:蜜蜂」の再録と続編、2018年8月19日)
音楽CD
編集- 一輪花(「停電ラジヲ」オープニングテーマ)(2010年1月9日)
- 歌 - 柩(寺島拓篤)、橘(下野紘)
- 蛍月夜(本編主題歌)(2010年3月30日)
- 歌 - ネム(竹内順子)
- 閃紅(「停電ラジヲ」オープニングテーマ)(2010年8月13日)
- 歌 - 柩(寺島拓篤)
- 眠リノ森(本編エンディングテーマ)/ ちっくんほたる。(2010年11月26日)
- 歌 - ネム(竹内順子)
- BOBONと蛍火BONDANCE(「停電夏祭り」使用曲)(2011年7月29日)
- 歌 - ネム(竹内順子)
- 恋スル蛍はいろは珠(Windows専用ソフト「停電いろは珠」主題歌)(2012年1月27日)
- 歌 - ネム(竹内順子)
- LIVE CD ZIGZAG3 LIVE BANG!!(2012年3月30日)※ライブCD
- 揚華羽(「陽継ノ章」主題歌)(2012年4月6日)
- 歌 - 柩(寺島拓篤)
- 透明な、恋なんて。(2012年6月1日)
- 歌 - 李朱(丹下桜)
- 花陽炎(「絶華ノ章」主題歌)(2012年11月11日)
- 歌- 橘(下野紘)
- 集真愛 / 一輪花 - 散リ逝ク君ヘ。(2013年4月30日)
- 歌 - 柩(寺島拓篤)
- 歌曲絵巻 花ヤ夏成リ詩、紡詩。(2013年5月17日)
- 花、遺塵歌。 / 橘のひまわり体操(2013年8月7日)
- 歌- 橘(下野紘)
- 停電少女と羽蟲のオーケストラ 歌曲絵巻 色ヲ巡ル羽、紡詩。(2019年3月25日)
- 歌 - 柩(寺島拓篤)、橘(下野紘)の楽曲のみ収録。新曲を含む全11曲。
- 停電少女と羽蟲のオーケストラtheme song maxi 蛍時雨/サカサマ子守唄/光の先に(2018年10月24日)
ラジオCD
編集- 停電ラジヲ 万葉集 第一首(2010年2月26日)
- 停電ラジヲ 万葉集 第二首(2010年8月18日)
- 停電ラジヲ 万葉集 第三首(2011年3月18日)
- 停電ラジヲ戒 万葉集 来客篇(2013年3月15日)
- 停電ラジヲ戒 万葉集 最後の日常篇(2014年5月23日)
- 停電ラジヲ戒 出張版(2012年「Gファンタジー」1月号付録CD収録)
ライブCD
編集- 停電少女と羽蟲のオーケストラ 光の先に、が居た。(2019年3月25日)
イベントDVD
編集- 停電夏祭り(2012年1月27日)
- ZIGZAG4(2012年12月21日)※ライブDVD
- 停電少女と羽蟲のオーケストラ ~いざ宵、オルケストラ。~(2014年5月23日)
- IM classic ~ページを捲る音楽会~(複数作品イベント、2018年11月10日、CD付き)
ゲーム
編集- Windows専用ソフト「停電いろは珠」(2012年3月16日)
- iOS専用アプリ「停電むすコラ。 完全版」(2014年8月30日)
書籍
編集- 停電報(2009年8月13日)
- 停電報 通(2010年1月16日)
- 停電報 傘・詩(2010年8月27日発売)
- 漫画(Gファンタジーコミックス(スクウェア・エニックス)、作画 - 白木苺)
- 停電少女と羽蟲のオーケストラ 1巻(2011年1月27日)
- 停電少女と羽蟲のオーケストラ 2巻(2011年7月27日)
- 停電少女と羽蟲のオーケストラ 3巻(2012年4月27日)
- 停電少女と羽蟲のオーケストラ 4巻(2012年12月27日)
- 停電少女と羽蟲のオーケストラ 行ノ刻(2014年1月25日)
- 停電少女と羽蟲のオーケストラ 路ノ刻(2014年6月25日)
- 停電少女と羽蟲のオーケストラ 羽ノ刻(2016年6月15日)
- 絵本(ムービック、文 - 二宮愛、イラスト - teracco)
- 停電少女と羽蟲のオーケストラ 音戯想詩 灰羽篇(2020年1月24日、櫻井孝宏による朗読・音楽入りCD付き)
関連項目
編集脚注
編集- ^ “【弊社の著作物に関するお願い】”. 公式サイト. レノ. 2012年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年12月28日閲覧。
- ^ モロクっち(@m_molockchi)の2016年2月2日のツイート
- ^ IM HappinessParty!!(@IM_10th)の2016年2月2日のツイート
- ^ 『停電少女と羽蟲のオーケストラ』ノベル3巻のお詫びとお知らせ - 一迅社 ノベル編集部、2016年2月4日、同年2月5日閲覧。
- ^ 停電少女と羽蟲のオーケストラ 羽ノ刻 - 一迅社 既刊検索、2016年6月15日閲覧。
外部リンク
編集- 現・公式サイト
- 旧・公式サイト - ウェブアーカイブ(インターネットアーカイブ、2013年9月19日)
- 【公式】ドラマCDシリーズ「停電少女と羽蟲のオーケストラ」 (@teidenlove) - X(旧Twitter)
- :::: GFantasy Website :::: 停電少女と羽蟲少女 -月刊Gファンタジーオフィシャルサイト