併呑集合
数学の関数解析学関連分野においてベクトル空間の部分集合が併呑集合(へいどんしゅうごう、英: absorbing set, absorbent set)とは、その部分集合を「膨張」させて空間の任意の点を含むようにできるものを言う。
定義
編集X の部分集合 A, B に対し、適当な正数 α が存在して、|λ| ≥ α なる任意のスカラー λ に対して λA ⊃ B が成立するとき、A は B を併呑すると言う。ただし、λA := {λa : a ∈ A} である。X の部分集合 A が X の任意の点を併呑するとき、A は X の併呑集合であるという。
例
編集性質
編集- 有限個の併呑集合の共通部分は、併呑である。
関連項目
編集参考文献
編集- Robertson, A.P.; W.J. Robertson (1964). Topological vector spaces. Cambridge Tracts in Mathematics. 53. Cambridge University Press. p. 4
- Schaefer, Helmuth H. (1971). Topological vector spaces. GTM. 3. New York: Springer-Verlag. p. 11. ISBN 0-387-98726-6
- ニコラ・ブルバキ『位相線型空間』〈数学原論〉。