佳冬郷は屏東県西部沿海地方に位置し、東及び東南は枋寮郷と、東北は新埤郷と、西北は林辺郷とそれぞれ接し、西南は台湾海峡に面している。屏東平原南部に位置するため地勢は平坦であり、林辺渓が林辺郷境を流れている。地下水の過度な汲み上げによる地盤沈下が進み、台湾西部の中でも最も被害が深刻な地域の一つである。
佳冬郷は古くは平埔族の支族である馬卡道族茄藤社の居住地であった。旧名を「六根」、「茄苳脚」と称していた。「茄苳脚」の由来には2説ある。一つはこの地に茄苳樹が群生し、また屏東平原の客家集落の南側に位置していたことから「茄苳脚」と称されるようになったというものであり、二つは平埔族語からの音訳とする説である。
清代はこの地は鳳山県六根庄に帰属していた。1920年の台湾地方改制の際、「茄苳脚」を二字に縮少し、更に字音の近似、南方の「恒春」との一對性も考慮され、「佳冬」と改称され[1]、「佳冬庄」を設置、高雄州東港郡の管轄とした。戦後は高雄県佳冬郷とされたが、1950年に屏東県に改編され現在に至っている。
村
|
佳冬村、六根村、頼家村、万建村、昌隆村、豊隆村、玉光村、石光村、大同村、羌園村、燄塭村、塭豊村
|
種別 |
路線名称 |
その他
|
鉄道
|
屏東線
|
佳冬駅
|
省道
|
台1線
|
省道
|
台17線
|
- ^ 水越幸一「市郡の區域稱呼其所在地並街庄の稱呼等に就て」『臺灣時報』第十六號、大正九年、一四一頁。