伊百七十四型潜水艦

日本の潜水艦の艦級

伊百七十四型潜水艦(いひゃくななじゅうよんがたせんすいかん)は、大日本帝国海軍潜水艦の艦級。海大VI型b(かいだいろくがたビー)とも。同型艦2隻。2隻とも1944年に戦没。

伊174型潜水艦(海大6型b)
伊175
艦級概観
艦種 一等潜水艦
艦名
前級 伊百六十八型潜水艦(海大6型a)
次級 伊百七十六型潜水艦(海大7型)
性能諸元
排水量 基準:1,420トン 常備:1,810トン
水中:2,564トン
全長 105.00m
全幅 8.20m
吃水 4.60m
機関 艦本式1号甲8型ディーゼル2基2軸
水上:9,000馬力
水中:1,800馬力
速力 水上:23.0kt
水中:8.2kt
航続距離 水上:16ktで10,000海里
水中:3ktで90海里
燃料 重油:442t
乗員 68名
兵装 12cm単装砲1門
13mm機銃1挺
7.7mm機銃1挺[1]
53cm魚雷発射管 艦首4門、艦尾2門
魚雷14本
九三式水中聴音機
九三式探信儀
備考 安全潜航深度:85m

概要

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本艦級の潜水艦は第二次軍備補充計画(②計画)によって2隻が建造され、共に1938年(昭和13年)に竣工した。計画番号S34。基本的に前型(海大6型a)と同型であるが船殻の板厚を増し安全潜航深度が85mに増大した。また燃料搭載量が更に100トンほど増加し航続距離を伸ばした。備砲は前型の後半3隻と同様、12cm平射砲を搭載した。聴音機は国産の九三式水中聴音機を装備している。

戦歴

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太平洋戦争で伊号第百七十五潜水艦は米護衛空母リスカム・ベイ撃沈という戦果をあげたが、2隻とも戦没した。

同型艦

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1942年(昭和17年)5月20日に改称、艦番に100を加えた。

潜水隊の変遷

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伊174型潜水艦は同型艦2隻からなり、3隻定数の潜水隊に1隻足りないものの1個潜水隊を編成した。呉鎮守府に配備されたため、呉鎮の固有番号を与えられて第11潜水隊となった。

第十一潜水隊

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呉鎮守府籍の伊74伊75で編成。L1型潜水艦L2型潜水艦からなる先代の第11潜水隊が昭和13年12月15日に解隊されて以来の3代目となる。太平洋戦争では中部太平洋、オーストラリア近海で哨戒・輸送任務に従事した。所属艦の戦没が著しい第12潜水隊の補充のため、昭和18年3月5日に解隊された。

1938年(昭和13年)12月15日:伊74で編成[2][3]。第11潜水隊司令鶴岡信道大佐。第二艦隊第2潜水戦隊。
1938年(昭和13年)12月18日:竣工した伊75を編入。編成完結。
1939年(昭和14年)11月15日:第11潜水隊司令竹崎馨中佐。第3潜水戦隊。
1940年(昭和15年)11月15日:第六艦隊第3潜水戦隊。
1941年(昭和16年)9月1日:第11潜水隊司令水口兵衛中佐。
1942年(昭和17年)8月4日:竣工した伊176を編入。
1942年(昭和17年)11月28日:第11潜水隊司令岩上英寿大佐。
1943年(昭和18年)3月15日:解隊。所属艦は第12潜水隊に編入[2]

脚注

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  1. ^ 計画では13mm機銃連装2基4挺を搭載する予定だったが、実際には13mm機銃1挺、7.7mm機銃1挺を装備したといわれる(『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』p59より)。
  2. ^ a b 『ハンディ版 日本海軍艦艇写真集19巻』74頁。
  3. ^ 『艦長たちの軍艦史』436頁。

参考文献

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  • 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年 ISBN 4-7698-0462-8
  • 雑誌「丸」編集部『ハンディ版 日本海軍艦艇写真集19巻』潜水艦伊号、光人社、1997年。
  • 外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年 ISBN 4-7698-1246-9

関連項目

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外部リンク

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