京王1000系電車 (初代)
日本の京王帝都電鉄の通勤形電車
基本データ
編集概要
編集1957年に登場した全鋼製の車両で、井の頭線初の高性能車である。京王線用車両である京王2000系の井の頭線版として登場した。主電動機出力は、初期の私鉄高性能車では標準的な75kWである。吉祥寺方のデハ1000形(初代)と渋谷方のデハ1050形(初代)の2形式からなり、デハ1000形に制御装置とパンタグラフを、デハ1050形に補器類を搭載している。
本系列を含めたグリーン車の共通事項については別項も参照。
外見
編集- 18m車。
- 正面は二枚窓の湘南スタイルを採用。
- ライトグリーンに塗装されていた。通称「グリーン車」。
- 前照灯は大型白熱灯1灯。後にシールドビーム2灯。
- d1D3D3D2の片開き3扉。
- 初期車9両は、京王線2000系の車幅を拡大してアンチクライマーを装備したイメージ。後期車3両は2010系後期車の車幅拡幅のイメージ。
- 正面行先表示は差込式。後に車掌台側室内差込式に変更。デハ1003とデハ1054は従来の板受け枠を撤去。
- 井の頭線は1000系、京王線は2000系が登場したことにより、京王全体で新車のデザインはほとんど統一された。しかし次世代車である井の頭線3000系と京王線初代5000系はお互いのデザインに独自の分化が発生し、その後の井の頭線と京王線は現在にいたるまで、異なる意匠の車両が続いている。
歴史
編集- 1957年:デハ1000形1001~1006、デハ1050形1051~1053を製造。1051-1001+1004、1052-1002+1005、1053-1003+1006で運用についた。1051-1001~1053-1003はMMユニット、1004~1006は単M。
- 1961年:デハ1050形1054~1056増備。2+2の4両編成となる。この3両は正面のアンチクライマーがない。
- 1969年:中間に組み込まれていたデハ1000形の偶数番号車とデハ1050形の奇数番号車を中間車化改造し、4両貫通編成となる。
- 1975年:サハ1300形1303~1305が組み込まれ、4M1Tの5両編成となる。
- 1984年3月:3000系増備に伴い廃車。引退時にさよなら運転が行われた。台車・主電動機は2010系の車体と組み合わされ伊予鉄道800系に流用されている。