交響曲第3番 (ニールセン)
交響曲第3番ニ短調 『ひろがりの交響曲』もしくは『広がり』(Symfoni Nr.3 "Sinfonia Espansiva" op.27, FS.60)は、1910年 - 1911年4月30日にかけて作曲されたカール・ニールセン作曲の交響曲。2楽章の曲想から『ニールセンの田園交響曲』とも言われる。
音楽・音声外部リンク | |
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[1] - ラン・シュイ指揮シンガポール交響楽団による演奏。シンガポール交響楽団公式YouTube。 |
概要
編集第2楽章にはソプラノとバリトンのヴォカリーズが入る。この第3番以降の4・5・6番にはそれぞれティンパニ独奏、アドリブの小太鼓、トロンボーンの連続下降グリッサンドなどとユニークな演奏が入っており、このヴォカリーズもその一環として見ることもできる。
なお、この交響曲のタイトル『エスパンシーヴァ』(広がり)は第1楽章の発想記号であるアレグロ・エスパンシーヴォ (Allegro espansivo) に由来するものであり、描写的な意味は特に無いとされる。
- 第1楽章 アレグロ・エスパンシーヴォ
- 第2楽章 アンダンテ・パストラーレ
- 第3楽章 アレグレット・ウン・ポーコ
- 第4楽章 アレグロ
第1楽章はソナタ形式。力強い和音の連打から始まり、ロバート・シンプソンが「競技的な3拍子」と評した第一主題が出現する。そして木管楽器により第1主題とは対照的な曲想の第2主題が出現し、クライマックスまで発展していく。 第2楽章では北欧風の旋律の主題もあらわれる。そして舞台裏からバリトン、ソプラノによる独唱が始まり、牧歌的な曲想となる。 第3楽章はスケルツォのような形式。第4楽章は豊かで堂々とし、主要主題はブラームスの交響曲第1番のフィナーレを連想させる。
オーケストラ編成
編集ソプラノ独唱、バリトン独唱(それぞれクラリネット、トロンボーンによる代替も可能)
フルート3(うち1本はピッコロ持ち替え)、オーボエ3(うち1本はイングリッシュ・ホルン持ち替え)、クラリネット3、ファゴット3(うち1本はコントラファゴット持ち替え)、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、テューバ、ティンパニ、弦5部
初演・出版等
編集世界初演
編集1912年2月28日、作曲者自身の指揮によりコペンハーゲン宮廷劇場管弦楽団演奏で行われた。
出版
編集1913年、ライプツィヒ、カーント社
演奏時間
編集スコアに書かれている演奏時間は約32分だが、実際は35~38分ほどかかる。
参考文献
編集- 作曲家別名曲解説ライブラリー18「北欧の巨匠」(1994年 音楽之友社)ISBN 4276010586
関連項目
編集外部リンク
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