数学、とくに解析学における交項級数(こうこうきゅうすう)または交代級数(こうたいきゅうすう、英: alternating series)とは項の正負が交互に入れ替わる無限級数
である。同様の有限級数をしばしば交代和 (alternating sum) と呼ぶ。
交代級数
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は ln 2(=0.69314…)に収束することが知られているが、いっぽう各項の絶対値をとった級数
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は調和級数としてよく知られた発散級数である。これは絶対収束が、級数が収束するための十分条件だが必要条件ではない(別な言い方をすれば、絶対収束は収束条件としては強すぎる)ことの例でもある。
実数項をもつ交代級数に対しては、収束判定法としてライプニッツによる「数列 {an} が単調減少で 0 に収束するならば級数 ∑ (−1)nan は収束する」というものがある(項が単調増大の場合も全体に −1 を掛けることにより単調減少の場合に帰着されるので、この場合も合わせて簡単に「数列 {an} が単調に 0 に収束する」ときと述べることもできる)。実際、交代級数
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の項の絶対値が単調減少で 0 に収束する、すなわち
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を満たすとき、部分和
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の列 {sN} はコーシー列を成すことが確認できる。特に部分和の二つの部分列 {s2n}, {s2m−1} は有界な単調列ゆえにそれぞれ有限な値に収束するが
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となり共通の極限値 S をもつので、それが求める和である。またこのとき、部分和 sN と級数の和 S との誤差は
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と評価することができる。