井田幸昌

日本の画家、現代美術家

井田幸昌(いだ ゆきまさ、1990年2月18日 - )は、日本画家現代美術家。株式会社IDA Studio 代表取締役社長[1]

井田 幸昌
いだ ゆきまさ
生誕 (1990-02-18) 1990年2月18日(34歳)
日本の旗 日本鳥取県
出身校 東京藝術大学油画専攻卒業
東京藝術大学大学院油画修了
職業 現代美術家画家
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絵画を中心として彫刻や版画作品も発表。作品は一貫して「一期一会」をコンセプトとし、二度とない「今」を表現し、画面上に過去と現在を同時に投影させた作品を通して、他者の存在とは何かを問う。コンセプトの中には、時間、生と死といった概念も内在している[誰によって?]

作品は様々なストロークの強弱を融合させ、その劇的なインパストとテクスチャーが特徴。「Portrait」シリーズや、自身の心象風景や身近な無名の人々を出会ったその日に描く「End of today」シリーズなどを発表している。 [2]

来歴

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1990年鳥取県生まれ。彫刻家である父、井田勝己の影響を受け、小さい頃から身近にアートを感じ、物心ついた頃から絵を描いたり、創作をするなどして育つ[3]。父と親交のあった彫刻家であるロバート・シンドルフをメンターと慕い、彼から多くを学んだ。16歳の時、本格的に油彩画と出会う。

高校卒業後に石屋に就職するも、絵を諦めきれず[4]東京藝術大学を受験し入学。2016年東京藝術大学油画専攻卒業、2019年東京藝術大学大学院油画修了。

在学時代から対外的に作品を発表し、個展、グループ展を開催。

2016年当時長崎県立美術館学芸課長であった野中明氏の推薦[5]により「VOCA展 2016」に参加[6]。また、同年行われた現代芸術振興財団主催の「CAF賞」で「審査員特別賞」を受賞[7][8]

2017年、レオナルド・ディカプリオ・ファウンデーション・オークションへ他著名アーティストと共に最年少で招待参加[9]

2017年、ニューヨークロンドンに滞在。帰国後、株式会社IDA Studioを設立。同社代表取締役社長に就任。ギャラリーに属さない作家としての新しい地位を確立[10]する。

2017年、ロンドンで初の個展『Bespoke』を期に、海外でも積極的に活動を開始。これまでにパリ北京、ロンドン、シカゴなど、世界各地で個展・展覧会を開催している。

2018年、Fobus JAPANが表彰する「30 UNDER 30 JAPAN」のひとりに選ばれる[11]

2020年、3年の歳月をかけ、『箱庭 -創造的な寓意- 』(2020, Oil on panel,350×1092 cm)を完成させ、その作品も収蔵した作品集『YUKIMASA IDA: Crystallization』を美術出版社より刊行。

2021年 台湾の大人気歌手Jay Chouサザビーズ香港が行ったコラボレーションセールに出品され、アーティストレコードを更新[12]。また、マリアン・イブラヒム英語: Mariane Ibrahimとパートナーシップを開始。個展『Here and Now』、グループ展『J'AI DEUX AMOURS...ARCHITECTURAL DIGEST』など。Mariane Ibrahimは2021年Power 100にも選出されている[13]

また、ファッションECサイトZOZOVILLAのキービジュアルの担当や[14]ディオールがアーティストと行うコラボレーション「Dior Lady Art」プロジェクトに参加するなど、企業とのコラボレーションも発表し、活動の幅を拡げている。2021年、日本の民間人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙旅行を行った前澤友作によって、井田幸昌の作品『画家のアトリエ』がISSに設置された[15]』。

2022年4月26日から、パブロ・ピカソの生誕地である、スペインマラガにあるピカソ生誕地ミュージアム(Museo Casa Natal Picasso)にて個展『Yukimasa Ida visits Pablo Picasso』を開催。本美術館で展覧会を実施するのはアジア人アーティストとして初となった[16]。また、同年、グループ展では、ドバイのFabien Fryns Fine Art にて『Facial Recognition』、香港のVillepin Galleryにて『THE LOSS OF HUMAN FACE?』へ参加[17][18]

2022年、新たに創設された文化芸術の各分野において、優れた業績をおさめた又は新生面を開くなど優れた活動を行った将来性のある新人を表彰する鳥取県文化奨励賞を受賞。[19]

2023年自身初となる国内美術館での巡回展を実施。「Panta Rhei | パンタ・レイ − 世界が存在する限り」は、2023年7月22日から井田幸昌の故郷である米子市美術館[20]、9月30日から京都市京セラ美術館[21]で開催された。

主な個展

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  • 2023 「Panta Rhei | パンタ・レイ − 世界が存在する限り」
  • 2022 「Now is Gone」 Mariane Ibrahim Gallery (Paris,France)
  • 2022 「YUKIMASA IDA visits PABLO PICASSO」 Picasso Birthplace Museum (Spain,Malaga)
  • 2021 「Here and Now」 Mariane Ibrahim Gallery (Chicago,USA)
  • 2020 「Crystallization」 銀座蔦屋書店 GINZA ATRIUM (Tokyo,Japan)
  • 2020 「King of limbs」KAIKAI KIKI GALLERY(Tokyo,Japan)
  • 2019 「Rhapsody」 Mayfair London (London,UK)
  • 2019 「Portraits」 銀座蔦屋書店 GINZA ATRIUM (Tokyo,Japan)
  • 2019 「The End of Today」 东景缘 The Temple Hotel (Beijing,China)
  • 2017 「Banquet」NAUFU Contemporary (Gifu, Japan)
  • 2017 「Bespoke」Labassa Woolfe (London, UK)

主なグループ展

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  • 2022 「THE LOSS OF HUMAN FACE?」 Villepin Gallery (Hong Kong, China)」
  • 2022 「Facial Recognition」 Fabien Fryns Fine Art (Dubai)
  • 2021 「J'AI DEUX AMOURS...」 Mariane Ibrahim Gallery (Paris, France)
  • 2020 「Healing - Curated by TAKASHI MURAKAMI -」 Perrotin Gallery (Paris, France)
  • 2019 「KOTARO NUKAGA group exhibition – Gaze and Distance -」KOTARO NUKAGA (Tokyo, Japan)
  • 2017 LDF Auction (Saint-Tropez, France)
  • 2017 「Gallery Exhibition」 Oil Gallery (London, UK)
  • 2017 「Naufu Street Fair」NAUFU Contemporary (Gifu, Japan)
  • 2016 「The 3rd CAF Award Exhibition」Contemporary Art Foundation , 3331 Arts Chiyoda (Tokyo, Japan)
  • 2016 「VOCA Exhibition 2016」The Ueno Royal Museum (Tokyo, Japan)

脚注

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  1. ^ 株式会社IDA Studio
  2. ^ https://bijutsutecho.com/artists/776
  3. ^ 井田幸昌は、なぜ画家になったのか。ひたすら「手」を描いた中学時代 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)”. forbesjapan.com. 2024年2月13日閲覧。
  4. ^ 「遺骨」を洗う仕事で気付いた、画家・井田幸昌が生きる意味 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)”. forbesjapan.com. 2024年2月13日閲覧。
  5. ^ 上野の森美術館 - VOCA展2016”. www.ueno-mori.org (2015年12月23日). 2024年2月13日閲覧。
  6. ^ 上野の森美術館 - VOCA展2016
  7. ^ CAF賞2016
  8. ^ 名和晃平セレクション・CAF賞選抜展 注目作家インタビュー③
  9. ^ https://www.forbes.com/sites/jimdobson/2016/07/13/leonardo-dicaprio-hosts-outrageous-celebrity-auction-in-st-tropez-to-benefit-the-planet/
  10. ^ 自ら描き自ら売る ギャラリー以外の選択肢”. 日本経済新聞 (2021年4月18日). 2024年2月13日閲覧。
  11. ^ ZOZO前澤友作も注目するアーティスト 井田幸昌の創作哲学 #30UNDER30
  12. ^ Contemporary Curated: Asia | JAY CHOU x SOTHEBY’S | Evening Sale
  13. ^ Most influential people in 2021 in the contemporary artworld
  14. ^ キービジュアルは現代美術家の井田幸昌が担当、ZOZOVILLAのために制作した新作を「サイン入りポスター」にして100部のみ限定販売
  15. ^ 【前澤宇宙旅行】ロケット打ち上げの瞬間を生中継でお届けします!! - YouTube
  16. ^ 2022 「YUKIMASA IDA visits PABLO PICASSO」 Picasso Birthplace Museum (Spain,Malaga)
  17. ^ 2022 「Facial Recognition」 Fabien Fryns Fine Art (Dubai)
  18. ^ 2022 「THE LOSS OF HUMAN FACE?」 Villepin Gallery (Hong Kong, China)
  19. ^ [1]
  20. ^ 令和5年度米子市美術館特別企画展 井田幸昌展 『Panta Rhei|パンタ・レイ− 世界が存在する限り −』鳥取(米子)展開催のお知らせ”. 米子市美術館 -Yonago City Museum of Art-. 2024年2月13日閲覧。
  21. ^ 井田幸昌展 Panta Rhei|パンタ・レイ―世界が存在する限り”. 井田幸昌展 Panta Rhei|パンタ・レイ―世界が存在する限り. 2024年2月13日閲覧。

外部リンク

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