五粽亭広貞
江戸時代後期の浮世絵師
来歴
編集歌川国升の門人、大坂の人で布袋町に住む。五粽亭と号し、「蘭畦」、「小西五長」、「貞」の印章を使用する。作からは弘化4年(1847年)以前に広国と称したことが知られる。確認される作画期は弘化4年から文久3年(1863年)にかけてで、中判の役者絵を多数描いている。門人に歌川広兼(照皇亭貞広)がいる。
作品
編集- 「犬塚信乃・嵐璃珏」 中判錦絵 早稲田大学演劇博物館所蔵 ※嘉永元年(1848年)5月、大坂筑後芝居『花魁莟八総』より
- 「八犬伝之内 犬つか信乃(二代目嵐璃珏)」 大判錦絵 池田文庫所蔵 ※同上
- 「芸子菊の・沢村其答 笹野三五兵衛・市川海老蔵 勝間源五兵衛・三枡大五郎」 中判錦絵3枚続 池田文庫所蔵 ※嘉永2年閏4月、筑後芝居『五大力恋縅』より
- 「日蓮上人一代記」 中判錦絵2枚続、5組揃 池田文庫所蔵 ※嘉永2年10月、大坂竹田芝居『日蓮上人御法海』より
- 「弁ノ内侍・中村大吉 楠正行・嵐璃寛 狐又五郎・嵐璃珏」 中判錦絵3枚続 池田文庫所蔵 ※嘉永3年3月、筑後芝居『同計略花芳野山』(とばかりはなのよしのやま)より
- 「団七九郎兵衛・中村歌右衛門」(夏祭忠孝伝) 中判錦絵2枚続 池田文庫所蔵 ※嘉永3年5月、大坂中の芝居『夏祭浪花鑑』より
- 「文覚上人・嵐璃寛」 中判錦絵上下2枚続 池田文庫所蔵 ※文久元年8月、大坂角の芝居『摂州渡辺橋供養』より
参考文献
編集- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年
- 『上方役者絵集成』(第4巻) 財団法人阪急学園池田文庫、2003年
- 国際浮世絵学会編 『浮世絵大事典』 東京堂出版、2008年