乳び胸
乳び胸(乳糜胸-にゅうびきょう、英: chylothorax)は、胸管から漏出した乳び(乳糜:腸管からの脂肪球を含むリンパ球)が胸腔内に貯留した状態。原因は先天性、外傷性、非外傷性に分類されるが特定は困難である。呼吸困難を示す。確定診断は滲出液の検査により、中性脂肪値、コレステロール値は血清よりも高値を示す。中性脂肪値が血清と同等あるいはそれ以下の場合は偽乳び胸 (pseudchylothorax) と称する。
ヒトでの乳糜胸
編集胸腔穿刺で著しく白濁した乳糜様胸水を採取して診断する。胸水中の中性脂肪は高値[1][2]である。機序は下記とされる[2]。
- 胸管の破綻
- 悪性腫瘍、外傷・手術による胸管損傷、リンパ増殖性疾患によるリンパ管閉塞など。
- 長期にわたる胸水貯留による胸膜変化の結果
脚注
編集- ^ Light RW: PLEURAL DISEASES, Fourth Edition, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 2007, 346-361.
- ^ a b Hillerdal, G (1997). “Chylothorax and pseudochylothorax”. European respiratory journal (Eur Respiratory Soc) 10 (5): 1157-1162. doi:10.1183/09031936.97.10051157 .
参考文献
編集- 日本獣医内科学アカデミー編 『獣医内科学(小動物編)』 文永堂出版 2005年 ISBN 4830032006