九州電気軌道200形電車
九州電気軌道200形電車(きゅうしゅうでんききどう200がたでんしゃ)は、九州電気軌道(現:西日本鉄道)が路面電車路線の北九州線向けに製造された電車である[1][4][5]。
九州電気軌道200形電車 西日本鉄道200形電車 | |
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基本情報 | |
運用者 | 九州電気軌道→西日本鉄道 |
製造所 | 日本車輌製造、汽車製造 |
製造年 | 1934年 |
製造数 | 12両(201 - 212) |
改造年 | 1952年(機器交換) |
廃車 | 1977年 |
投入先 | 北九州線 |
主要諸元 | |
編成 | 1両(単行運転) |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 |
直流600 V (架空電車線方式) |
車両定員 | 70人(着席30人) |
車両重量 | 16.0 t |
全長 | 12,110 mm |
全幅 | 2,286 mm |
全高 | 4,004 mm(集電装置含) |
台車 |
ブリル 27GE-1(登場時) 日立製作所 KBD-11(改造後) |
車輪径 |
838 mm(登場時) 660 mm(改造後) |
固定軸距 | 1,500 mm(改造後) |
動力伝達方式 | 吊り掛け駆動方式 |
主電動機 | 日立 HS-312-BR(改造後) |
主電動機出力 |
37.3 kw(登場時) 45 kw(改造後) |
歯車比 |
3.00(登場時) 3.11(改造後) |
出力 |
74.6 kw(登場時) 90 kw(改造後) |
定格速度 | 35.0 km/h |
定格引張力 | 910 kg/h |
制御方式 | 抵抗制御(直接制御方式) |
制動装置 | 空気ブレーキ |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4]に基づく。 |
概要・運用
編集1911年6月の北九州線開業時に導入された木造ボギー車の1形はその後も主力車両として活躍を続けたが、1930年代以降老朽化が目立つようになっていた。そこで、1形のうち9両と余剰となった散水車3両の台車や機器を流用する形で製造が実施されたのが200形である[4][6]。
車体は両端2箇所に引き戸を有する半鋼製で、北九州線初で初めて鋼製車体を用いた66形(車体交換前)に準じたものであったが、製造を手掛けたメーカーによって車体形状に若干の差異[注釈 1]が存在した。また、製造当初は種車の台車(ブリル 27GE-1形)の都合上高床式となり、主電動機の出力値も66形以降の半鋼製電車(45 kw)と比べて低い37.3 kwだった。主幹制御器についても種車のゼネラル・エレクトリック製の機器(GE-K14)がそのまま用いられた。車内の座席は全席ロングシートで、照明には白熱灯が用いられた[1][4][6]。
1934年から1937年にかけて日本車輌製造製の6両(201 - 206)、汽車製造製の6両(207 - 212)が導入されたが、他の半鋼製電車と比較しての性能不足に加え、27GE-1形台車の固定軸距が軌間(1,435 mm)より狭い事に起因する高速運転時の振動多発が課題となっていた。そのため、第二次世界大戦後の1952年に改造が実施され、台車を車輪径が小さい日立製作所製のKBD-11形に、主電動機を出力45 kwのものに交換する事で他車と性能や床面高さを合わせた他、乗降扉についても引き戸から2枚折戸に変更した。それに伴い、扉付近の側面形状にも変化が生じた。更に1954年以降は照明の蛍光灯への変更など車内の改良も実施された[5][3][4][6][7][8]。
以降も全車北九州線で使用されたが、ダイヤ合理化に伴い余剰となり、1973年12月から1977年3月にかけて全車廃車となった。ワンマン運転への対応工事は実施されなかった[4][6][9]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c 朝日新聞社 1963, p. 176-177.
- ^ 朝日新聞社 1963, p. 178-179.
- ^ a b 朝日新聞社 1973, p. 178-179.
- ^ a b c d e f 飯島巌, 谷口良忠 & 荒川好夫 1985, p. 115.
- ^ a b c 朝日新聞社 1973, p. 92.
- ^ a b c d 奈良崎博保 2002, p. 166.
- ^ 奈良崎博保 2002, p. 167.
- ^ 飯島巌, 谷口良忠 & 荒川好夫 1985, p. 77.
- ^ 飯島巌, 谷口良忠 & 荒川好夫 1985, p. 169.
参考資料
編集- 朝日新聞社「日本の路面電車車両諸元表(旅客車のみ)」『世界の鉄道 昭和39年版』1963年。doi:10.11501/2456138。
- 朝日新聞社「日本の路面電車車両諸元表」『世界の鉄道 昭和48年版』1973年10月14日、170-181頁。
- 飯島巌、谷口良忠、荒川好夫『西日本鉄道』保育社〈私鉄の車両 9〉、1985年10月25日。ISBN 4-586-53209-2。
- 奈良崎博保『福岡・北九州市内電車が走った街 今昔』JTB〈JTBキャンブックス〉、2002年4月1日。ISBN 4-533-04207-4。