九島
愛媛県にある島
九島(くしま)は、愛媛県の宇和島港の西、沖合い約3キロメートル、湾の入り口にたちはだかる形となっている有人島である。宇和海諸島の一部をなし、行政区域としては宇和島市に属する。
九島 | |
---|---|
九島の空中写真。 島の東部に九島大橋が架橋されている。2019年9月19日撮影の4枚を合成作成。 国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成 | |
所在地 | 日本(愛媛県) |
所在海域 | 宇和海 |
所属諸島 | 宇和海諸島 |
座標 | 北緯33度13分50秒 東経132度31分15秒 / 北緯33.23056度 東経132.52083度 |
面積 | 3.36 km² |
最高標高 | 320 m |
プロジェクト 地形 |
地理・歴史
編集交通・架橋問題
編集- 四国本土と九島との間は、一番狭いところで320メートルしかないことから、四国本土、宇和島市中心部と地続きになるのが九島島民の宿願であり、1991年には架橋促進協議会が結成された。
- 宇和島市では2010年度の国の事業採択をめざし、2008年度予算に調査費を計上して概略設計、海底深浅測量や船舶航行調査、橋脚部の地質調査を実施した。
- 2010年度には社会資本整備総合交付金で調査費1000万円(10年度事業費1500万円の3分の2)の配分決定、国費が初めて投入された[1]。
- 2013年6月に架橋工事が着工し、総工費70億円と2年半の歳月をかけて全長468mの九島大橋が完成。2016年4月3日に開通した[2]。これに伴い九島フェリーは同日付で廃止となった。
- 開通に合わせて宇和島自動車の路線バスが島内に乗り入れている。
社会
編集- 人口・世帯数 462世帯、1155人(2006年現在)
- 集落 本九島、百之浦、蛤
- 診療所 あり(百之浦)
産業
編集- 漁業(いわし漁、養殖)及び農業(柑橘類)
文化
編集- 方言
旧宇和島市とは全く違った方言やアクセントがあり、根強く残っている。中学校が旧宇和島市に編入されるなど、交流が盛んになるにつれ、徐々に差がなくなっているという指摘もある。
単語例
- あさじり(家庭菜園)
- いっけ(親戚)
- ちんち(新しい・美しい)
- ちんちまんま(白米のごはん)
- どばくえ(働かずブラブラしている者。ニート)
- ぞうをやかす(迷惑をかける)
- さっち(いちいち)
- じきん(すぐに)
- さぁ、さぁさ(話に同意する意、標準語のさぁ?とは対照的な意味合いがある)
- あんね(姉・若しくは年上の女性)
- あんやん(兄・若しくは年上の男性)
- おんら(我々)「おら」については後記参照
- わんら(君たち)「われ」については後記参照
他、多数。
- 語尾に「〜ねや」「〜きん」と付けるのが特徴。
- 相手と喧嘩する時、子供を叱る時には、最後に「こな!」と言うことが多い。
- 年長者や目上の人に対し、敬称として「お前」と呼ぶ。
- 年配者は、自分のことを「おら」(オンダと聞こえる)、相手のことを「われ」と言う。(若者が使わないのは、昭和50年代に小学校で繰り広げられた「ワレ、オラと言わない運動」が原因である。)
- 舞踊
扇子踊り
観光
編集島内には今まで特別の観光PRもなく宿泊施設もないが、その分観光資源は未開発であり、今後の整備が期待される。
- 鯨大師(遍照山願成寺・蛤)
- 扇子踊り
自然
編集出典
編集- ^ “九島架橋事業に国の交付金配分”. 建通新聞社. (2010年4月23日) 2012年10月6日閲覧。
- ^ “九島大橋開通 多彩なイベントでお祝い”. 愛媛新聞社. (2016年4月3日) 2016年4月4日閲覧。
- ^ 山内健生, 宮本大右, 古川真理「宇和海島嶼(九島嘉島戸島日振島)における哺乳類の分布」『日本生物地理学会会報』第63巻、日本生物地理学会、2008年12月、13-20頁、ISSN 00678716。
- ^ 山内健生「愛媛県宇和島市の有人島と本土で採集された蚊類」『衛生動物』第61巻第2号、日本衛生動物学会、2010年、121-124頁。