中野サンプラザ
この記事は中立的な観点に基づく疑問が提出されているか、議論中です。 (2023年6月) |
中野サンプラザ(なかのサンプラザ、英語: Nakano Sunplaza)は、東京都中野区の中野駅北西にあった宿泊・音楽等の複合施設。2023年(令和5年)7月2日をもって営業を終え、2024年度(令和6年度)から解体工事と跡地再開発が予定されている[1][2]。コンサート会場として使われることが多かった[3]。
中野サンプラザ Nakano Sunplaza | |
---|---|
中野サンプラザ (2016年12月) | |
情報 | |
通称 | サンプラザ、中野サンプラザ |
旧名称 | 全国勤労青少年会館 |
完成 | 1973年 |
開館 | 1973年6月1日 |
開館公演 | NHK交響楽団 開館記念演奏会 |
閉館 | 2023年7月2日 |
最終公演 | 山下達郎「PERFORMANCE 2023」 |
収容人員 | 2,222人 |
客席数 | 2,222席(1 - 4階) |
設備 | スクリーン、フライングスピーカー、オケピット、映写室、リハーサル室等 |
用途 | コンサート全般、宿泊 |
設計 | 林昌二 |
運営 | 株式会社中野サンプラザ |
所在地 | 東京都中野区中野四丁目1番1号 |
位置 | 北緯35度42分27秒 東経139度39分53秒 / 北緯35.70750度 東経139.66472度座標: 北緯35度42分27秒 東経139度39分53秒 / 北緯35.70750度 東経139.66472度 |
アクセス | JR東日本中央本線(中央線快速/中央・総武緩行線)・東京メトロ東西線中野駅北口より徒歩1分 |
外部リンク | 中野サンプラザ |
沿革
編集旧労働省所管特殊法人である雇用促進事業団が、雇用保険法に基づいた勤労者福祉施設として建設し、1973年(昭和48年)6月1日(金曜日)に正式名称「全国勤労青少年会館」として開業した[5]。6月2日に行われたNHK交響楽団による開館記念公演が杮落とし公演となる。中野駅北口から至近距離であったこともあり、施設運営は当初から黒字だった。
公益事業であり営利を求められた施設ではなかったが、利益が見込める施設として民間への譲渡が求められ、勤労者福祉施設の廃止に伴い売却が決定された。地元の中野区と金融機関・企業等が出資して設立された所有会社「株式会社まちづくり中野21」に52億9987万円で2004年(平成16年)11月に売却された。運営は並行して設立された「株式会社中野サンプラザ」が行うとされ、2004年(平成16年)12月より運営を開始した。以後、中野サンプラザは文化複合施設としてホテル・結婚式会場の運営、カルチャーセンターの開催、スポーツ施設の運営などを行ないつつ、コンサート会場・大規模イベントホールとしても引き続き利用した。
若者文化のサブカルチャー発信地としての知名度も高く[6]、東京都内では日比谷野外音楽堂や日本武道館と並び、大規模なコンサート会場としても著名な施設でもあった。
雇用推進事業を柱とする若者の職業相談を担当する「サンプラザ相談センター」は2003年(平成15年)に閉鎖された[7]。図書室などの併設施設も民営化に伴い閉鎖された。
施設建て替えに向けた閉館
編集2018年(平成30年)9月11日、中野区長の酒井直人は「中野駅周辺各地区の整備と密接に関連していることを考慮し、施設の再整備に向けて検討を進める」「現在の(中野サンプラザ)施設の歴史やブランド、形状などのDNAを引き継ぐ」として中野サンプラザを建て替える方針を明らかにした[8]。
2020年(令和2年)2月6日、酒井は、中野サンプラザの解体跡地に建設する複合施設の事業スケジュールや民間事業者の選定方法を発表した。2020年10月までに「公募型プロポーザル方式」で事業者を決定。5月から事業者からの提案を受付け、7月から提案内容を検討し、10月に事業者を決定する。新施設の完成は、2028年度を目指す。新施設の主な内容は、7000人収容できるイベントホール、商業施設、オフィス、ホテルなどを備える[9]。2021年1月29日、中野区は中野サンプラザも含めた中野駅新北口駅前エリア再整備事業のデベロッパー選定結果を発表し、野村不動産を代表とするグループが選ばれた。両者は2021年5月6日に基本協定書を締結した[10]。
2023年(令和5年)7月2日をもって旧施設(現施設)の中野サンプラザは閉館[11]。それに先立つ5月3日から閉館日である7月2日まで、日毎にジャンルの垣根を超えて様々なアーティストがライブを行う音楽祭「さよなら中野サンプラザ音楽祭」が企画され、初日となる5月3日には、歌手としても活動している声優の寿美菜子と豊崎愛生がライブを行った[12]。閉館日である7月2日は、山下達郎のホールツアー「PERFORMANCE 2023」が最終の公演となった[13][14](元トライアングル・プロダクション所属かつ元トロワ所属の大場佳文(YouTubeチャンネルではジャンモンド名義[15])らにより閉館当日の昼~閉館時刻にかけて建物内外の様子が撮影され、中野サンプラザの地下1階にあった音楽スタジオ「BASS ON TOP」でレコーディングした「中野物語」という音源をBGMとしてYouTubeで公開されている[16])。
閉館後
編集正式な閉館日は2023年(令和5年)7月2日であるが、同年7月15日-7月17日に閉館済みの旧施設を特別に再開放して入場無料の「さよなら中野サンプラザ感謝祭」を開催した。区民感謝祭という位置づけで行われ、区民団体がコンサートホールでパフォーマンスを披露した。また7月17日の屋外ステージではサンプラザ中野くんとパッパラー河合が登場し、パフォーマンスを披露した[17]。
館内営業終了後もサンプラザ前広場はイベントに使われたが、中野消防署恒例の「青空コンサート」が2023年11月15日に従来会場としては最終開催となる[18]など解体工事に向けた準備が進められた。
翌2024年(令和6年)3月22日-24日には、正面にプロジェクションマッピング投影が行なわれた[4]。同年7月16日には中野区が外観と内部の3Dスキャンデータを、オープンデータとして無償公開した[19]。クリエイティブ・コモンズ(CC-BY4.0)に準拠しており、中野区のクレジット表示さえあれ、商用・営利目的を含めて自由にデータを改変、複製、再配布できる[19]。
同年10月1日から12月22日までの日程で、中野区立歴史民俗資料館において企画展(その名は「中野サンプラザ」)が開催された[20]。
施設概要
編集敷地面積は約1ha、海抜121m(地上高92m)で、地上20階、地下3階である。大小2つの三角積木を合わせて置いたようなデザインを有する。
- コンサートホール(1 - 4階、2,222席):優良ホール100選に選ばれている。
- 結婚式場(6階)
- 研修室(7・8階)
- テニスコート(8階)
- レンタルオフィス(9階)
- 宴会場(10 - 15階)
- ホテル(16 - 19階)
- レストラン(20階)
- フィットネススタジオ、リハーサル&レコーディングスタジオ(地下1階)
- プール(地下2階)
- ボウリング場(地下2階)
- インターネットカフェ(MB階)
- フラワーショップ(MB階)
正面前広場は、東日本大震災で被災した東北地方の復興支援や、沖縄県の物産販売や芸能披露を行う「チャンプルーフェスタ」など、イベント会場としてしばしば使われる。
運営企業
編集種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒164-8512 東京都中野区中野四丁目4番1号 |
設立 | 2004年12月 |
法人番号 | 1011201013144 |
事業内容 | 中野サンプラザの経営管理及びそれに附帯する業務 |
代表者 |
代表取締役会長CEO 金野晃 代表取締役社長 佐藤章 |
資本金 | 1000万円 |
純利益 |
▲3億円 (2023年3月期)[21] |
総資産 |
10億3100万円 (2023年3月期)[21] |
決算期 | 3月31日 |
中野サンプラザの運営は、株式会社中野サンプラザ(なかのサンプラザ、英:Nakano Sunplaza INC.)によって行われている。
会社概要
編集2004年(平成16年)12月より中野サンプラザの運営を開始し、文化複合施設としてホテル・結婚式会場の運営、カルチャーセンターの開催、スポーツ施設の運営などを行っている[22]。コンサート会場・大規模イベントホールとしての運営も行っている[22]。
組織図
編集ギャラリー
編集-
南側外観
-
北側外観
-
1階アトリウム側面
-
1階アトリウム南面
-
中野サンプラザ入口にある時計台(カリヨン時計)。クリスマス前後にはイルミネーションされている。
-
クリスマス前後の中野サンモールのイルミネーションの光に照らされた中野サンプラザ。北東方向より。
脚注
編集- ^ 「中野サンプラザが閉館、半世紀の歴史に幕 大トリで山下達郎さん」東京新聞 TOKYO Web(2023年7月2日)2023年11月21日閲覧
- ^ “中野サンプラザ跡再開発、計画見直し 認可申請取り下げ”. 日本経済新聞 (2024年10月11日). 2024年10月12日閲覧。
- ^ “中野駅北口に巨大壁画 真上に電車”. 産経ニュース (2021年12月14日). 2021年12月14日閲覧。
- ^ a b 解体予定の中野サンプラザ 思い出映すプロジェクションマッピング」朝日新聞デジタル(2024年3月22日)2024年8月20日閲覧
- ^ “アガるビル図鑑#1 ★★★ 中野サンプラザ “東京ピラミッド”の秘密”. NHK すこぶるアガるビル. 2024年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月18日閲覧。
- ^ “「中野サンプラザ」きょう閉館 50年の歴史に幕”. テレ朝news (テレビ朝日). (2023年7月2日) 2023年7月2日閲覧。
- ^ “サンプラザ相談センター”. 特定非営利活動法人 キャリア・サポート・ネットワーク (2023年7月1日). 2023年10月26日閲覧。
- ^ “中野サンプラザ建て替え方針表明”. NHK NEWS WEB (日本放送協会). (2018年9月11日). オリジナルの2018年9月12日時点におけるアーカイブ。 2018年9月12日閲覧。
- ^ 「中野に新施設 28年度目標 サンプラザ跡 事業者10月決定へ」『読売新聞』朝刊2020年2月7日25頁都民面(14版)同日閲覧
- ^ "『中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備事業』に関する基本協定書を中野区と締結" (PDF) (Press release). 野村不動産株式会社 / 東急不動産株式会社 / 住友商事株式会社 / ヒューリック株式会社 / 東日本旅客鉄道株式会社. 12 May 2021. 2023年7月2日閲覧。
- ^ “中野サンプラザ 閉館のお知らせ”. 中野サンプラザオフィシャルサイト. 2023年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月2日閲覧。
- ^ “<さよなら中野サンプラザ音楽祭>開幕”. BARKS (2023年5月4日). 2023年5月5日閲覧。
- ^ "ありがとう「中野サンプラザ」、山下達郎さんが閉館日のステージに". 讀賣新聞ONLINE. 読売新聞社. 2 July 2023. 2023年7月2日閲覧。
- ^ “山下達郎「最初はすごいやりにくいホールだった」中野サンプラザ公演を43年続けた理由明かす”. 日刊スポーツNEWS. 日刊スポーツ新聞社. (2023年7月2日) 2023年7月2日閲覧。
- ^ “ジャンモンド”. YouTube. 2024年7月25日閲覧。
- ^ ジャンモンド (2023-07-02), ♪中野物語 The NAKANO STORY 2024年7月21日閲覧。
- ^ “公式 | さよなら中野サンプラザ感謝祭”. 公式 | さよなら中野サンプラザ感謝祭. 2023年7月17日閲覧。
- ^ 中野サンプラザ前「青空コンサート」見納め『東京新聞』朝刊2023年11月16日(都心面)2023年11月21日閲覧
- ^ a b “閉館した「中野サンプラザ」の3Dモデル、中野区が無料公開 商用利用もOK”. ITmedia NEWS. 2024年7月20日閲覧。
- ^ 中野区立歴史民俗資料館公式サイト内:企画展 その名は「中野サンプラザ」(2024年9月30日更新)2024年11月14日閲覧
- ^ a b 株式会社中野サンプラザ 第15期決算公告
- ^ a b “中野サンプラザ ホームページ”. 中野サンプラザ. 2018年3月13日閲覧。
- ^ a b “株式会社中野サンプラザの取締役”. 中野区議会. 2018年3月13日閲覧。
- ^ a b “中野サンプラザ 料理長紹介”. 株式会社中野サンプラザ. 2018年3月13日閲覧。
- ^ “明治大学リバティアカデミー”. 明治大学. 2018年3月13日閲覧。
関連項目
編集- 林昌二:設計者
- サンプラザ中野くん(爆風スランプ):アマチュア時代にイベントで中野サンプラザを利用した際、自分の苗字が中野であったことから芸名をサンプラザ中野とした。中野サンプラザではPRになるとして名称の使用を許可している。
- 山下達郎 : 彼が毎年東京方面でコンサートをするとき、音の通りが後方までよく響くという理由で、最も重要な会場として使用していた。中野サンプラザ閉館日の最終公演も担当した。
- 丸井:かつては同社が主催する試写会の会場によく使われていた。本社が中野に所在しており、事実上の本店である中野マルイが線路を挟んだ中野駅南西側に建つ。
- 銀座音楽祭:開催当初はサンプラザ音楽祭と名乗っていた。
- 堀越学園 (東京都):学園主催の式典や、堀越高等学校の入学式・卒業式の会場として利用していた。
- カックラキン大放送!!
- 生類憐れみの令:中野サンプラザと中野区役所一帯は、江戸時代、動物を保護し飼育していた場所。
外部リンク
編集- 中野サンプラザ - 公式ウェブサイト[リンク切れ]
- 中野駅新北口駅前エリア(区役所・サンプラザ地区)再整備について - 中野区役所 まちづくり推進部 中野駅周辺まちづくり課