中津川 (信濃川水系)

日本の新潟県・長野県・群馬県を流れる信濃川水系の河川

中津川(なかつがわ)は、群馬県長野県および新潟県を流れる信濃川水系一級河川。流域には秘境として知られる秋山郷がある。

中津川
秋山郷 2005年11月撮影
秋山郷
水系 一級水系 信濃川
種別 一級河川
延長 35 km
平均流量 -- m3/s
流域面積 -- km2
水源 野反湖
水源の標高 -- m
河口・合流先 信濃川(新潟県津南町
流域 群馬県長野県新潟県
地図
テンプレートを表示

地理

編集

群馬県吾妻郡中之条町大字入山の北部に野反湖がある。その周辺にそびえる山々から流れ出た渓流が野反湖へ注ぎ、湖の北端の野反ダムより流出し北へと流れる。この時点では千沢とも呼ばれる。魚野川(魚沼市を流れる魚野川とは異なる)を合わせ、切明温泉雑魚川を合わせる。秋山郷の集落や中津川渓谷を流れ、新潟県津南町大字下船渡で信濃川合流する。

 
中津川(左下)空撮

歴史

編集

水力発電

編集

中津川を流れる水を利用した水力発電所の建設は、大正時代に始まる。水利権を取得した信越電力によって中津川第一・第二・第三発電所が相次いで運転を開始し、総出力およそ6万キロワットという一大電源地帯となった。

戦後は東京電力が事業を継承し、再開発事業に着手。中津川第一・第二発電所は出力増強。最下流の中津川第三発電所は廃止され、代わって下船渡発電所が新設。 発電所のトンネル工事現場では落盤により12人が死亡するなどの難工事であった[1]

上流では渋沢ダム・切明発電所を新設し、水源には野反ダムによって一大人造湖・野反湖が誕生した。2007年現在、中津川筋の水力発電所総出力は17万キロワットに及び、2009年には新たに栃川発電所(1,000キロワット)が完成する予定である[2]

河川施設

編集

流域の自治体

編集
群馬県
吾妻郡中之条町
長野県
下水内郡栄村下高井郡山ノ内町
新潟県
中魚沼郡津南町

並行する交通

編集

道路

編集
 
国道405号・通行規制地点(2006年・津南町側)
  • 国道405号 - 冬は豪雪により通行止めになる。

切明温泉から野反池までは人家も道路もない(点線国道)。秋山郷(中津川渓谷、切明温泉まで)を訪れるには新潟県側から、野反湖を訪れるには群馬県側からアクセスする。

橋梁

編集

下流より記載

脚注

編集
  1. ^ 日外アソシエーツ編集部 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年9月27日、94頁。ISBN 9784816922749 
  2. ^ 東京電力株式会社「水力発電所「栃川発電所」の新規開発計画について」2007年9月26日。

関連項目

編集

参考文献

編集
  • 市川健夫『平家の谷-秘境秋山郷-改訂16版』令文社、1982年。
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会編著『角川日本地名大辞典 15 新潟県』角川書店、1989年。
  • 東京電力編『関東の電気事業と東京電力 電気事業の創始から東京電力50年への軌跡』東京電力、2002年。

外部リンク

編集