上間永遠
上間 永遠(うえま とわ、2001年1月31日 - )は、沖縄県那覇市出身のプロ野球選手(投手・育成選手)。右投右打。埼玉西武ライオンズ所属。
埼玉西武ライオンズ #114 | |
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メットライフドームにて (2021年7月20日) | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 沖縄県那覇市 |
生年月日 | 2001年1月31日(23歳) |
身長 体重 |
180 cm 82 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | NPB / 2019年 ドラフト7位 |
初出場 | NPB / 2021年4月8日 |
年俸 | 500万円(2024年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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経歴
編集プロ入り前
編集祖父の草野球の試合をよく見ていたことから物心がついたときからキャッチボールをしていた。那覇市立城岳小学校1年生より「城岳中央ブレーブス」で軟式野球を始め、肩の強さから4年生からは本格的に投手になった[2][3][4]。那覇市立古蔵中学校では硬式野球のポニーリーグチーム「沖縄ダイヤモンドベースボールクラブ」に所属[3]。2年夏のときにはチームはジャイアンツカップに出場[3]、3年夏には全日本コルトリーグ全国大会で準優勝を果たした[2][4]。左投げの宮城大弥とともに硬式野球沖縄選抜の左右の両エースとして活躍した[5]。
クラブの指導者が監督の定岡智秋と出身高校が同じという関係から沖縄を離れ大分県の柳ヶ浦高等学校に進学[2][3][4]。高校進学後は体重を15kg増量した上で[4]定岡からの指導によってフォームを改善すると、入学当初は130km/h前半だった球速が最速144km/hまで向上[2]。3年生の全国高等学校野球選手権大分大会では決勝で藤蔭高等学校に敗れ、全国大会には進めなかった[2]。プロ志望届を提出したものの、ドラフト指名はなかった。
四国IL・徳島時代
編集定岡が独立リーグの指導者経験[注 1]を持っていたこともあり、卒業後の進路を1年目からNPBに進める独立リーグとした[2]。四国アイランドリーグplusのトライアウトを受験し、特別合格で徳島への入団が決まる[6]。徳島を入団先としたのは、「投手育成が得意」という定岡からの推薦による[2]。
2019年シーズン、徳島では15試合に登板して4勝4敗、防御率1.40、奪三振64の成績で、最優秀防御率のタイトルを獲得するとともに、投手部門のベストナインに選出された[7][8]。8月に行われた読売ジャイアンツ三軍との交流試合では6回10奪三振無失点と好投を見せてNPB球団からの注目を集めた[9]。しかし、9月上旬に右肘の炎症が発症し、同月に行われた阪神タイガース二軍との練習試合では1/3回を2安打3失点と精彩を欠いていた[10]。
2019年10月17日に行われたNPBドラフト会議では、埼玉西武ライオンズから7位指名を受け[11]、当初の目標通り、高卒1年目でのNPB入りを果たした。右肘故障の影響から「育成でも指名があればと思っていた」中での支配下指名だった[9]。また、チームメイトの岸潤一郎も同じく西武から8位指名を受けた。
11月11日、契約金1000万円、年俸500万円で契約に合意した[12]。背番号は64。
西武時代
編集2020年は徳島時代に腕だけで投げてしまいがちだった投球フォームを青木勇人三軍コーチのもとで修正に取り組んだ[13]。体を作りながらのシーズンだったこともあり、二軍での登板は9試合に留まり、一軍での登板はなかった[9][13]。
2021年は新型コロナウイルスの影響で外国人投手が不在ということもあり、春季キャンプをA班でスタートすると実戦で好投を続け、開幕ローテーションの6番手に抜擢された[14]。4月8日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦でNPB初登板・初先発を果たし、5回まで1失点と好投するも援護に恵まれず、6回にも失点を喫しNPB初黒星となった。翌日に登録抹消されたが[15]、西口投手コーチは「初登板であれだけ投げられれば、十分な合格点」[16]、辻監督は「HRは打たれたけど素晴らしい闘志」と首脳陣から評価され、再度の一軍起用が約束された[17]。4月20日に一軍再登録となり[18]、3試合目の登板となった同27日の千葉ロッテマリーンズ戦で5回1失点と好投し、NPB初勝利を挙げた[19]。以降の先発登板では5回もたずに降板するケースが続き、6月8日にシーズン3度目の登録抹消をされてから二軍で投球フォーム固めを重点に練習を続け[13]、その後の一軍登板は果たせず、この年は一軍で5試合に先発して1勝1敗・防御率6.33という成績であった。イースタン・リーグでは14試合の登板で7勝3敗・防御率1.58と二軍では結果を残したものの[20]、11月22日に右肘内側側副靭帯再建術手術を受けた[21]。復帰に1年以上を要することから、同24日に育成での再契約を前提とした戦力外通告を受け[22]、12月9日に育成選手として再契約したことが発表された[23]。背番号は114。
2022年は上記の手術の影響で公式戦出場はなかった。オフに再度戦力外通告が発表され[24]、契約変更後1年経過による自由契約となったが、11月29日に再契約した[25]。
2023年は2月7日に独立リーグ時代から交際していた一般女性との結婚を発表した[26]。3月22日の二軍戦で復帰登板を果たし、6月13日には先発して6回を3失点で、2021年以来となる公式戦勝利を記録した[27]。しかし二軍公式戦の登板は3試合にとどまり、1勝2敗・防御率9.95の成績で[28]、10月4日に3度目の戦力外通告となった[29]。ただしみやざきフェニックス・リーグ[30]および秋季キャンプには参加し[31]、11月23日に再契約した[32]。
選手としての特徴
編集140km/h後半の直球と精度の良い変化球の持ち主[9]。最高球速は148km/h[3]、得意とする球種は130km/h台の高速シンカーで[2]、スライダー、カーブ、カットボールも投げられる[3]。上間自身はアピールポイントを「相手打者との駆け引き」と語る[3]。
徳島時代の監督である牧野塁からは、下半身(右足が浮く)に課題があると指摘されていた[2]。また、アイランドリーグ選抜チームの監督を務める養父鐵は、「身体も大きく、18歳にしてはモノがいい」「ストレートでもスライダーでもストライクを取れる。淡々と投げて、気持ちを出さないのもピッチャーに向いている」と述べ、NPB入団後は身体作りに励むべきとコメントしている[34]。西武の担当スカウトである育成アマチュア担当の鈴木敬洋も養父と同じく、どの球種でもストライクが取れる点とマウンドでの態度を評価しており、徳島1年目の上間を見て「とても高卒1年目とは思えなかった」「滅多に見かけないタイプだから大したもんだなと感じた」「その時点でプロとの試合で十分に抑えられるものを持っていた」と語っている[35]。
詳細情報
編集年度別投手成績
編集年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021 | 西武 | 5 | 5 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .500 | 94 | 21.1 | 26 | 3 | 9 | 0 | 0 | 10 | 1 | 1 | 15 | 15 | 6.33 | 1.64 |
通算:1年 | 5 | 5 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .500 | 94 | 21.1 | 26 | 3 | 9 | 0 | 0 | 10 | 1 | 1 | 15 | 15 | 6.33 | 1.64 |
- 2023年度シーズン終了時
年度別守備成績
編集年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2021 | 西武 | 5 | 0 | 6 | 0 | 1 | 1.000 |
通算 | 5 | 0 | 6 | 0 | 1 | 1.000 |
- 2023年度シーズン終了時
記録
編集- 初記録
- 投手記録
- 初登板・初先発登板:2021年4月8日、対東北楽天ゴールデンイーグルス3回戦(メットライフドーム)、5回1/3を4失点で敗戦投手
- 初奪三振:同上、2回表に鈴木大地から空振り三振
- 初勝利・初先発勝利:2021年4月27日、対千葉ロッテマリーンズ4回戦(メットライフドーム)、5回1失点
- 打撃記録
- 初打席:2021年6月6日、対東京ヤクルトスワローズ3回戦(明治神宮野球場)、2回表に高梨裕稔から空振り三振
独立リーグでの投手成績
編集出典はリーグ公式ウェブサイトよりリンクされる「一球速報」[36]。
年 度 |
球 団 |
防 御 率 |
登 板 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
投 球 回 |
打 者 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
奪 三 振 |
与 四 球 |
与 死 球 |
失 点 |
自 責 点 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
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2019 | 徳島 | 1.40 | 15 | 4 | 4 | 0 | 2 | 1 | 0 | 70.2 | 284 | 48 | 2 | 64 | 22 | 4 | 24 | 11 | 3 | 0 |
通算:1年 | 1.40 | 15 | 4 | 4 | 0 | 2 | 1 | 0 | 70.2 | 284 | 48 | 2 | 64 | 22 | 4 | 24 | 11 | 3 | 0 |
- 各年度の太字はリーグ最高
背番号
編集- 19(2019年)
- 64(2020年 - 2021年)
- 114(2022年 - )
登場曲
編集脚注
編集注釈
編集- ^ 高知ファイティングドッグスの監督を務めていた。
出典
編集- ^ “西武 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2023年11月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “第1059回 上間永遠投手(柳ヶ浦-徳島インディゴソックス) 最短で一軍の舞台に上がるために!独立屈指の若手投手が歩んできた野球道”. 高校野球ドットコム. (2019年10月15日) 2020年5月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g “沖縄、大分、徳島で成長を遂げた18歳。変幻自在の最速148キロ右腕 上間永遠(徳島インディゴソックス)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 独立リーグ編】”. BASEBALL GATE. (2019年10月15日) 2020年12月27日閲覧。
- ^ a b c d 篠崎有理枝 (2020年12月18日). “目標叶えた独立Lから1年でのプロ入り 西武ドラ7右腕が貫く投球スタイルとは?”. Full-Count: p. 1 2020年12月27日閲覧。
- ^ “宮城・上間 ポニーLで活躍/県代表 左右のエース”. 沖縄タイムス+プラス. (2019年10月18日) 2021年6月8日閲覧。
- ^ “四国アイランドリーグplus 指名選手一覧” (PDF). 四国アイランドリーグplus (2018年11月22日). 2021年10月4日閲覧。
- ^ “四国アイランドリーグplus2019個人タイトル確定”. 四国アイランドリーグplusニュースリリース (2019年9月13日). 2021年10月4日閲覧。
- ^ “2019年 ベストナイン確定”. -四国アイランドリーグplusニュースリリース (2019年10月31日). 2021年10月4日閲覧。
- ^ a b c d 篠崎有理枝 (2020年12月18日). “目標叶えた独立Lから1年でのプロ入り 西武ドラ7右腕が貫く投球スタイルとは?”. Full-Count: p. 2 2020年12月27日閲覧。
- ^ “プロ注目四国IL・徳島の上間、阪神2軍相手にKO”. 日刊スポーツ. (2019年9月12日) 2020年12月27日閲覧。
- ^ “ILから4人の選手がドラフト指名を受けました!”. 四国アイランドリーグplusニュースリリース (2019年10月17日). 2021年10月4日閲覧。
- ^ “西武、IL徳島コンビが意気込み 上間「最多勝を」岸「外崎さんが目標」”. スポーツニッポン. (2019年11月12日) 2023年10月3日閲覧。
- ^ a b c “「一軍で5勝はしたい」ファームで好調をキープする西武・上間永遠/2021若獅子インタビュー第13回 | 野球コラム”. 週刊ベースボールONLINE. (2021年7月12日) 2021年9月2日閲覧。
- ^ “西武先発6枚目は2年目上間 4・8楽天戦起用へ”. 日刊スポーツ. (2021年3月18日) 2021年9月2日閲覧。
- ^ “西武が吉川光夫と上間を抹消、十亀と武隈が1軍昇格”. 西日本スポーツ. (2021年4月9日) 2021年9月2日閲覧。
- ^ “プロ初先発の西武・上間は初黒星も首脳陣はべた褒め 西口コーチ「十分勝てる投手」”. Sponichi Annex. (2021年4月8日) 2021年9月2日閲覧。
- ^ “次のチャンスは「もちろん!これだけの投球したら使わない訳ないよ」…本日の【#辻コメ】”. 文化放送 (2021年4月9日). 2021年9月2日閲覧。
- ^ “西武・上間、プロ初勝利ならず…序盤3失点も野田コーチ助言で修正「緩急がうまく使えるように」”. Sponichi Annex (2021年4月20日). 2021年12月9日閲覧。
- ^ “西武の20歳右腕・上間永遠がプロ初勝利 チームの連敗を6で止める”. デイリースポーツ. (2021年4月27日) 2021年4月27日閲覧。
- ^ “2021年度 埼玉西武ライオンズ 個人投手成績(イースタン・リーグ)”. 日本野球機構. 2021年12月9日閲覧。
- ^ “西武・上間が右肘手術 実戦復帰には約1年を要する見込み”. サンスポ (2021年11月23日). 2021年12月9日閲覧。
- ^ “右肘靱帯手術の西武・上間永遠「パワーアップしたい」育成で再契約の見込み”. nikkansports.com. 2021年11月24日閲覧。
- ^ “西武が5選手と育成契約 2017年ドラフト1位の齊藤大将は背番号「111」に”. Full-Count (2021年12月9日). 2021年12月9日閲覧。
- ^ “【西武】牧野翔矢、斉藤大将ら6人戦力外「ファンの期待に応えることができず悔しい」と斎藤”. 日刊スポーツ. 2023年11月25日閲覧。
- ^ “西武 粟津、上間、出井の3投手と育成契約を発表”. スポニチアネックス. 2023年11月25日閲覧。
- ^ 「【西武】上間永遠が一般女性との結婚を発表「結婚を機にさらにやる気も湧いてきている」」『日刊スポーツ』2023年2月7日。2023年10月4日閲覧。
- ^ 「11得点で埼玉西武が快勝 上間永遠は2021年以来の白星【6/13 二軍試合結果】」『スポーツナビ』2023年6月13日。2023年10月4日閲覧。
- ^ “2023年度 埼玉西武ライオンズ 個人投手成績(イースタン・リーグ)”. NPB.jp 日本野球機構. 2023年10月4日閲覧。
- ^ 「西武 公文克彦投手、森脇亮介投手ら16選手に戦力外通告 公文は現役引退「本当に心残り、悔しい」」『Sponichi Annex』2023年10月4日。2023年10月4日閲覧。
- ^ “『第20回 みやざきフェニックス・リーグ』参加選手決定”. 埼玉西武ライオンズ (2023年10月5日). 2023年10月5日閲覧。
- ^ “【10/30更新】秋季キャンプ参加選手と練習公開について”. 埼玉西武ライオンズ. 2023年11月7日閲覧。
- ^ “西武 川野、ブランドン、仲三河ら11選手と育成契約発表”. スポニチアネックス. 2023年11月25日閲覧。
- ^ “上間 永遠 - 埼玉西武ライオンズ - プロ野球”. スポーツナビ. 2024年11月23日閲覧。
- ^ “西武ドラ7上間がNPBで活躍するためには… 四国IL代表監督「十分に可能性はある」”. Full-Count. (2019年12月7日) 2019年12月14日閲覧。
- ^ “西武・鈴木敬洋スカウト ドラ7上間は「気になっていた存在」 自主性備われば「“はなまる″を」”. Sponichi Annex. (2020年5月21日) 2020年6月30日閲覧。
- ^ “徳島インディゴソックス個人投手成績”. 一球速報.com (2020年1月25日). 2021年10月4日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 個人年度別成績 上間永遠 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)
- 114 上間 永遠 選手名鑑 - 埼玉西武ライオンズオフィシャルサイト
- 上間永遠 (@u.towa_114) - Instagram