上信電鉄150形電車
上信電鉄150形電車(じょうしんでんてつ150がたでんしゃ)は、上信電鉄が1992年(平成4年)に導入し2019年(平成31年/令和元年)まで運用していた電車である。 1980年代に導入した100形の置き換え用として、1992年から1996年にかけて同系列と同じく西武鉄道から購入した車両。
上信電鉄150形電車 | |
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基本情報 | |
製造所 | 西武所沢車両工場 |
導入年 | 1992年-1996年 |
運用終了 | 2019年 |
主要諸元 | |
編成 | 2両編成 |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 |
直流 1,500 V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 85 km/h |
車体 | 普通鋼 |
台車 |
揺れ枕吊り式コイルばね台車 FS342 |
主電動機 | 直流直巻電動機 |
主電動機出力 | 120 kW (1時間定格) |
搭載数 | 4基 / 両 |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン駆動方式 |
歯車比 | 84:15(5.6) |
制御装置 |
抵抗制御・直並列組合せ・弱め界磁 MMC-HT-20A MMC-HT-20A6 |
制動装置 | 電磁直通空気ブレーキ(HSC) |
保安装置 | ATS |
概説
編集種車は第1編成は401系、第2編成が801系、第3編成が701系の3系列に分かれるため、3編成それぞれスタイルが異なるが性能上は同一であり、譲渡された際に同一形式にまとめられている。また台車や車体構造に、同じく西武所沢車両工場製造された上信電鉄自社発注車の200形2次車と共通する部分がある。
第1編成(クモハ151-クモハ152)
編集1964年12月西武所沢車両工場製のクモハ414とクハ1453を、1978年8月に冷房化・新性能化改造したクモハ408-クモハ407がその前身である。前面は国鉄101系電車に影響された切妻3枚連続窓で、行先表示器が正面上部左側に設置されている。
1992年5月11日付で西武鉄道で廃車となり、同年11月7日付で入籍した。導入時には新性能化改造の際から装着していた空気ばね台車のFS372を、200形2次車や西武701系が装着しているコイルばね台車のFS342に換装している。1996年には同年10月1日から開始されたワンマン運転に伴う対応改造が施された。
当初の車体塗装はコーラルレッド1色[注 1]だったが、1999年10月ごろからマンナンライフの広告車となり、同年放映された同社の製品「蒟蒻畑」のテレビCMにも登場した。その後何度か塗り替えられながらも2008年まで同社の広告車を務めた。同年の全般検査に際して広告が解除され、銀河鉄道999のラッピングが施された500形501Fに替わってアイボリー地に緑帯の塗装に変更された。なお2010年12月から2014年3月までは人権ポスターのラッピング車となったものの塗装を生かしたかたちでのラッピングであった。
行先表示器は当初、「高崎」「下仁田」など行先のみの表記であったが、1996年10月のワンマン化に際し、「高崎 - 下仁田」などと双方向表示されるようになった。2004年10月16日ダイヤ改正以降、通常運行の場合は「高崎 - 下仁田」または「高崎 - 上州富岡」が表示される。
2018年5月25日をもって営業運転を終了[1]、同年6月30日の特別臨時列車をもって引退した[2]。
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150形第1編成(マンナンライフの広告塗装時代)
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150形第1編成(ライン塗装)
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切妻形の前面(クモハ151)
第2編成(クモハ153-クモハ154)
編集1968年1月西武所沢車両工場製(冷房化は1978年)で、1994年4月7日付で廃車の後上信電鉄へ譲渡され、同年7月13日付で入籍した。元々4両編成だったため、移籍にあたり中間電動車に先頭車の運転台を接合する改造が施工されており、旧番は元西武モハ802(クハ1802の運転台を移植)+モハ801(クハ1801の運転台を移植)である。前面2枚窓で正面の上部に行先表示器がある。1996年には第1編成と同じくワンマン運転対応改造が施工された。
同車の車体塗装も初期はコーラルレッドだったが、1997年8月から群馬サファリパークの広告車となって以来、車体塗装はホワイトタイガーを模したものになっている。一見するとシマウマのようにも見えるため「シマウマ号」とも称される。
行先表示器はワンマン運転開始以前は第1編成と同様に行先のみの表示だった。ワンマン化以降、通常運行の場合は「高崎 - 下仁田」、区間運行の場合「上州富岡」「高崎」[注 2]が表示される。
2019年9月23日(月祝)をもって引退することが9月9日に公式サイトで発表され、同日をもって運用を終了した。
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150形第2編成
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山名-西山名を走る150形第2編成
第3編成(クモハ155-クモハ156)
編集車齢は第2編成よりも古く、1966年3月西武所沢車両工場製・1982年冷房化の元西武モハ756(クハ1756の運転台を移植)+モハ755(クハ1755の運転台を移植)で、1996年8月14日付で廃車の後、同年12月6日付で入籍した。移籍にあたり第2編成と同様に2両化改造した他、ワンマン運転対応工事が施工されており、入線時からワンマン運転に対応している。側扉の窓ガラスは西武時代は押え金具支持だったが、移籍に際してHゴム支持のものに取り換えられている。第2編成とは外見上よく似ているが、種車の違いから側面の雨樋[注 3]などの細部に違いがある。
車体塗装はコーラルレッド1色塗装で就役[注 4]した後、1999年からマンナンライフの広告車となっていたが、2012年3月に500形第2編成と交代し、第1編成同様のアイボリー地に緑帯の塗装に変更された。同年8月からは塗装を生かしたままラッピングされて「下仁田ジオパークラッピング列車」として運行されている[注 5]。 2019年5月、解体・搬出された。
脚注
編集注釈
編集- ^ アクセントになっていた前面ステンレス化粧板とドアは当初は西武時代同様未塗装のままだったが、広告車になった際に塗りつぶされた。2014年の全般検査に際して前面の化粧板のみ磨きだしが行われて復活している。
- ^ クハ154の表記は一時手書きであった。
- ^ 第1編成と第3編成は普通屋根・露出型雨樋縦管、第2編成は自動洗車機導入に伴う清掃効率向上のため雨どいの位置を上げた張り上げ屋根風・車体埋込型雨樋縦管。
- ^ 同車も前面ステンレス化粧板とドアは未塗装で、広告車になった際に塗りつぶされた。第1編成から約1年後、同様に全般検査に際して前面の化粧板のみ磨き出しが行われた。
- ^ 前面化粧板磨き出し後も、その上からラッピングされている。
出典
編集- ^ “151形車両が引退します!”. 上信電鉄 (2018年5月7日). 2018年5月8日閲覧。
- ^ 『特別臨時列車「151形引退ラストラン」』(PDF)(プレスリリース)上信電鉄、2018年6月8日 。2018年6月12日閲覧。
関連項目
編集他社の西武411系→401系(2代)譲渡車
- 近江鉄道700系電車・近江鉄道800系電車
- 三岐鉄道101系電車ː上信と同様に普通屋根・露出型雨樋縦管の初期型グループが種車
他社の西武701系・801系譲渡車両