三津浜町

日本の愛媛県温泉郡にあった町

三津浜町(みつはまちょう)は愛媛県中予地方和気郡のち温泉郡にあった町である。

みつはまちょう
三津浜町
三津浜町役場と公会堂(広町)
三津浜町役場と公会堂(広町)
廃止日 1940年8月1日
廃止理由 編入合併
三津浜町和気村久枝村堀江村潮見村味生村桑原村 → 松山市
現在の自治体 松山市
廃止時点のデータ
日本の旗 日本
地方 四国地方
都道府県 愛媛県
温泉郡
市町村コード なし(導入前に廃止)
三津浜町役場
所在地 愛媛県温泉郡三津浜町
座標 北緯33度51分42秒 東経132度42分52秒 / 北緯33.86164度 東経132.71458度 / 33.86164; 132.71458座標: 北緯33度51分42秒 東経132度42分52秒 / 北緯33.86164度 東経132.71458度 / 33.86164; 132.71458
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地理

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温泉郡の西部にあって海岸に要港を控え、松山の玄関口である[1]。北は新浜村に界し東は丘陵によりて久枝村と接する[1]。南は味生村に接する[1]

沿革

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  • 1889年(明治22年)12月15日 - 町村制施行により和気郡三津梅田町、三津通町、三津桂町、三津久宝町、三津心齋町、三津広町、三津柳町、三津住吉町、三津新町、三津桜町、三津藤井町、三津三穂町、三津須先町、三津栄町および新浜村の一部が合併し和気郡三津浜町として発足。
  • 1897年(明治30年)4月1日 - 和気郡の温泉郡への編入に伴い温泉郡三津浜町となる。
  • 1903年(明治36年)3月17日 - 町会で三津浜港改修案を満場一致で可決。
  • 1908年(明治41年)5月28日 - 第75回臨時県会で三津浜築港費を含む22か年継続土木事業案が可決。
  • 1909年(明治42年)7月12日 - 三津浜築港起工式を挙行。しかしその後、三津浜町長ら11名が恐喝容疑で逮捕され、さらに政友会愛媛県支部幹事長藤野政高も逮捕され、県事業としての築港事業は中止となった(三津浜築港疑獄事件[2]
  • 1912年(明治45年)2月7日 - 松山電気軌道が全線開業。伊予鉄道との間で集客合戦が始まる。
  • 1916年(大正5年)8月29日 - 三津浜町主体の築港事業起工(1923年竣工)[3]
  • 1921年(大正10年)4月1日 - 松山電気軌道が伊予鉄道に吸収合併される(のち廃止)。
  • 1922年(大正11年)11月24日 - 皇太子(のちの昭和天皇)が町内の愛媛県女子師範学校と三津浜グラウンドに行啓[4]
  • 1924年(大正13年)12月1日 - 三津浜図書館が開館[5]
  • 1925年(大正14年)5月10日 - 古三津村を編入。
  • 1928年(昭和3年)
    • 3月 - 町役場が新町から広町に移転する[6]
    • 12月 - 三津魚市株式会社を買収し、公設魚市場とする[6]
  • 1929年(昭和4年)4月 - 三津浜競馬場が開設される(1955年廃止)[7]
  • 1932年(昭和7年)3月17日 - 三津浜上水道拡張工事完成。
  • 1937年(昭和12年)6月1日 - 新浜村を編入。
  • 1940年(昭和15年)8月1日 - 松山市に編入され消滅。

教育

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愛媛県女子師範学校(梅田町)
 
三津浜第一尋常高等小学校(通町)
 
三津浜港(×印は松山城)
 
伊予鉄三津駅(住吉橋前)
 
三津浜町公設魚市場

交通

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船運

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鉄道路線

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三津駅
江ノ口停留場 - 堀川停留場 - 住吉町停留場
三津浜駅

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

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  • 厳島神社(大字新立)[11]
  • 恵美須神社(大字栄町)[12][13]
  • 烈女松江の墓(三津浜町南境小松原)[14]
  • 明神丘 - 藤原純友の居館があったとの伝承がある[15]
  • 三津浜グラウンド
  • 三津浜競馬場

出身・ゆかりのある人物

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政治・経済

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近藤正平、近藤貞次郎、近藤松太郎などは貴族院多額納税者議員選挙の互選資格を有した[16]

文化

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脚注

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  1. ^ a b c 『愛媛県商工案内 昭和3年版』437-462頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2017年9月1日閲覧。
  2. ^ 松山市史編集委員会 『松山市史 第三巻』 松山市役所、1995年、286-290頁
  3. ^ 愛媛県史編さん委員会 『愛媛県史 地誌Ⅱ(中予)』 愛媛県、1984年、187-190頁
  4. ^ 宮内庁 『昭和天皇実録 第三』 2015年、758頁
  5. ^ 『三津の面影』 56-57頁
  6. ^ a b 『三津の面影』 131頁
  7. ^ 愛媛新聞社 『愛媛県百科大事典 下』 1985年、536-537頁
  8. ^ 『三津の面影』 49-50頁
  9. ^ 『三津の面影』 50-54頁
  10. ^ 『三津の面影』 54-56頁
  11. ^ 『新編温泉郡誌』 409-410頁
  12. ^ 『新編温泉郡誌』 410頁
  13. ^ 恵美須神社 « 愛媛県神社庁
  14. ^ 『新編温泉郡誌』 410-411頁
  15. ^ 『三津の面影』 125-126頁
  16. ^ a b c d 『貴族院多額納税者名鑑』527-537頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2017年7月23日閲覧。
  17. ^ 『全国五十万円以上資産家表 時事新報社第三回調査』10頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2017年8月31日閲覧。

参考文献

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  • 椿南松田卯太郎 『新編温泉郡誌』 松山石版印刷所、1916年
  • 『全国五十万円以上資産家表 時事新報社第三回調査』 時事新報社、1916年。
  • 三津浜商工会 『みつが浜』 1923年。
  • 織田正誠編 『貴族院多額納税者名鑑』 太洋堂出版部、1926年。
  • 谷本延衛 『三津の面影』 愛媛県三津浜町、1929年。
  • 愛媛県商工団体聯合会編 『愛媛県商工案内 昭和3年版』 愛媛県商工団体聯合会、1928年。
  • 角川日本地名大辞典編纂委員会編 『角川日本地名大辞典 38 愛媛県』 角川書店、1981年。

関連項目

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