ローランの裂け目
ローランの裂け目(ローランのさけめ、フランス語: La Brèche de Roland、スペイン語: La Brecha de Rolando)またはロランドの裂け目は、スペイン北部のアラゴン州とフランス南西部のオート=ピレネー県の境にある標高2,804mのピレネー山脈にある、横幅40m、高さ100mの自然の岩山の裂け目の名前である。[1]
フランスとスペインの国境で、スペイン側のオルデサ・イ・モンテ・ペルディード国立公園の中にあり[2]、フランス側のガヴァルニー圏谷近くでもある
概要
編集伝説によると、ローランの裂け目は778年のロンスヴォーの戦いで敗れたローラン伯爵が、彼の剣「デュランダル」をそこの岩で壊そうとした時に切り裂いたものである。ウエスカの北約25kmにある岩場、サルト・デ・ロルダン岩にまつわる伝説の変種では、カール大帝の騎士たちの筆頭であったローラン(スペイン語ではロルダン)は、スペインを占領していたサラセン人(イスラム教徒のアラブ人)に激しく追われていた。サルト・デ・ロルダンで追い詰められたローランは、馬に乗って岩場から岩場へと飛び移り、難を逃れた。彼はそのまま徒歩で北上し、ピレネー山脈の岩を剣で叩いてローランの裂け目を作り、死ぬ前にもう一度フランスを見ることができるようにしたという[3]。
ガヴァルニー圏谷は、ローラン伝説の舞台となったロンスヴォー峠から東南東に約150kmも離れているため、この神話の出自は不明である。
ローランの裂け目は、レフュジオ・サラデッツ山小屋から1時間ほど登ればたどり着くことができる。[4]