レクタフレックス
レクタフレックス(Rectaflex )は
である。
イタリアのレクタフレックス社は1953年で倒産したが、商標権利者はリヒテンシュタインの皇太子から支援を受けて1956年にリヒテンシュタインで後継機を製造した。
製品一覧
編集一眼レフカメラ
編集設計者はテレマコ・コルシ(Telemaco Corsi )。ペンタプリズムを搭載する一眼レフカメラとしてツァイス・イコンのコンタックスSと並んで最初期の製品である。"Recta"とはラテン語またはイタリア語で「正しい」の意。シャッターはフォーカルプレーン式。レンズは独自のレクタフレックスマウントにより交換可能。大きく分けてシャッター最高速1/1000秒の"1000"、シャッター最高速1/1300秒になった"1300"、簡略化されてシャッター最高速1/500秒になった"ジュニア"、リヒテンシュタインにメーカーが移転してからの"レクタフレックス・リヒテンシュタイン"に分類される。詳細に分類するにはボディーナンバーによる分類も広く行われており、"シリーズ-"と呼称する。
レクタフレックス1000
編集最初の木製モックアップではプリズムでなくミラーが使用されており横位置では左右逆像、縦位置では上下逆像となる。
- MOD.947 - プロトタイプ。
- スタンダード947(1948年発売)
- シリーズ1000 - シリアルナンバー1000から1999。
- シリーズ2000(1949年発売) - シリアルナンバー2000から2999。スクリーンにスプリットイメージを装備した。
- シリーズ3000 - ボディーダイキャストが変更された。シリアルナンバー3000から3999。
- シリーズ4000 - フィルムカッターを省略、A/Rレバーが変更された。シリアルナンバー4000から5500。
- シリーズ16000 - シリアルナンバー16000から19000。巻き戻しノブにフィルムインジケーターを装備した。
- シリーズ20000(1951年発売) - シリアルナンバー20000から23000。シャッターが改良された。
レクタフレックス1300
編集- シリーズ25000 - シャッタースピード最高速が1/1300秒になった。ゴールド、ローター、軍用、24×32mm判モデル等特殊モデルが存在する。
- レクタフレックスゴールド - 金メッキされ革部分はリザード革で製作された高級仕上げ。原型はシリーズ25000。
- レクタフレックスローター - ズームレンズが発達する以前にムービーカメラにヒントを得、レンズターレットに3本のレンズを装着して瞬時に交換できる。原型はシリーズ25000だが後にローター仕様に改造された他シリーズの個体もある。
- シリーズ30000
レクタフレックスジュニア
編集- ジュニア(Junior ) - シリーズ16000の頃にシャッタースピード1/1000秒とスローシャッターを省略し製造された簡易型。
レクタフレックス・リヒテンシュタイン
編集リヒテンシュタインで製造された。テレマコ・コルシは関わっていない。ペンタプリズムのデザインは変更され、リヒテンシュタインの紋章が入っている。自動絞り。
- シリーズ40000(1956年発売)
レクタフレックスマウントレンズ
編集純正のM42アダプターがあり、それを介すればM42マウントレンズが使用できる。
→「M42マウントレンズの一覧」も参照
- タイプR11(Type R11 )28mmF3.5 - アンジェニュー製[1]。
- タイプR1(Type R1 )35mmF2.5 - アンジェニュー製。
- マクロキラーD(Makro-Kilar-D )4cmF3.5 - キルフィット製。
- レクタフレックスノクトン50mmF1.5 - 硝材8種を使って一眼レフカメラのミラー動作スペースを取るためにバックフォーカスを長く取った6群8枚、U.S.P.2662447[2]。フォクトレンダー製。
- タイプS1(Type S1 )50mmF1.8 - アンジェニュー製[3]。
- クセノン50mmF1.9 - 自動絞り、連動露出計に対応。シュナイダー・クロイツナッハ製。
- エター(Etar )50mmF2 - オフィチーネ・ガリレオ製。
- クセノン50mmF2 - シュナイダー・クロイツナッハ製[1]。
- タイプZ2(Type Z2 )50mmF2.9 - アンジェニュー製[1]。
- ベータ(Beta )5cmF3.5 - フィロテクニカ・サルモイラギ・ミラノ(Filotecnica Salmoiraghi-Milano )製。
- ビオター75mmF1.5 - カール・ツァイス・イエナ製。
- タイプP190mmF1.8 - アンジェニュー製[1]。
- タイプY2135mmF3.5 - アンジェニュー製[1]。
- ダラック(Dalrac )135mmF4.5 - ダルメヤー製。
- タイプ不明600mm - アンジェニュー製[1]。
その他のカメラ
編集- ディレクトール35(Director35 ) - 24×34mm判。レンズはアンジェニューの50mmF2.8。
- レクタ(Recta 、1953年試作) - レクタフレックスをベースに計画されたレンジファインダーカメラの試作品。テレマコ・コルシ設計。レンズはイスコ(Isco )のウェスターC(Westar C )5cmF3.5。
- レクタマチック(Rectamatic ) - テレマコ・コルシがレクタフレックスの後継機として1960年代始めにデザインした一眼レフカメラ。
脚注
編集参考文献
編集- 『クラシックカメラ専科』朝日ソノラマ
- 『クラシックカメラ専科No.9、35mm一眼レフカメラ』朝日ソノラマ
- 『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』朝日ソノラマ