ルノー・20(Renault 20,R20)は、フランスの自動車製造会社であるルノー1975年から1984年の間に生産した乗用車である。フランス語では「20」を「ヴァン」(: vingt)と読む。

20TX
20TX(リアビュー)

概要

編集

1975年11月、当時のトップモデルR30の廉価版として約9ヶ月遅れで発売された。R30と同じ大型の5ドアハッチバックボディに一回り小さいR16TXと同じ1.6Lの直4エンジン(90hp/67kw)を縦置で搭載。フロントマスクは丸型4灯ヘッドランプのR30に対して、こちらは異型2灯式ヘッドランプを持つ。

各種装備が簡素化され、メカニズム面ではリアブレーキがドラムとなり、ホイールサイズが13インチに下げられている。燃料タンク容量も7L少ない60Lに小型化。

当初組み合わせたギアボックスは4段MTと3段AT。 トリムはL、TL、GTLの3種類が用意された。

1977年にアンダーパワー解消のためシトロエン・CXプジョー・505とも共通の2.0L SOHC109hpPRVエンジンを積むTSを追加。1979年に5段マニュアルとルノー乗用車初となる2.1Lディーゼルを追加。1981年には2.2Lの燃料噴射R20TXを追加。1984年に後継車R25の登場により生産終了。

全幅が1,700mmを超えており、日本では3ナンバー登録となり、当時は自動車税が割高になるので正規に導入されなかったが[1]、79年3月からオーストラリアでも2L TSのATを販売、1980年2月からは4段MTも追加。82年3月にはMTが5段に切り替えられている。その他1984年にニュージーランドでも2LのMTとATを販売した。

1982年にマロー兄弟が、シンパー社が四輪駆動に改造した20を駆り、パリ・ダカールラリーで総合優勝を果たしている。当時クロスカントリー系の四駆が連覇し続けた中での快挙であった。

モデルコードと生産台数

編集
  • R1270:20/30ターボD - 27,601台
  • R1271:20L/TL/GTL - 187,001台
  • R1272:20TS - 201,401台
  • R1276:20TD/GTD - 84,801台
  • R1277:20LS/TS - 100,401台
  • R1279:20TX - 33,801台

R1273は不明。R1275とR1278はR30

脚注

編集
  1. ^ ただし、ルノー・5ターボ2は3ナンバーのまま輸入された。

外部リンク

編集
ルノー ロードカータイムライン 1980年代-
タイプ 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3
コンパクト トゥインゴ トゥインゴII トゥインゴIII
5/7 シュペール5 クリオI クリオII クリオIII クリオIV クリオV
シンボルI シンボルII
モデュス
カングー カングーII カングーIII
14 9/11 19 メガーヌI メガーヌII メガーヌIII メガーヌIV
フルエンス メガーヌIVセダン
パルス
スカラI スカラII
ミドル 18 21 ラグナI ラグナII ラグナIII
20/30 25 サフラン ヴェルサティス ラティテュード/サフラン
アッパー タリスマン(中国向け)
タリスマン
ミニバン セニックI セニックII セニックIII セニックIV
エスパスI エスパスII エスパスIII エスパスIV エスパスV エスパスVI
クーペ フエゴ アヴァンタイム ラグナクーペ
オープン ウインド
SUV キャプチャー キャプチャーII
カジャー
オーストラル
コレオス コレオスII
アルカナ
ピックアップトラック アラスカン
貨物自動車 マスターI マスターII マスターIII
トラフィックI トラフィックII トラフィックIII
エクスプレス
アルピーヌ/ルノースポール A310 V6 A610 スパイダー A110(2017)