ルゼルフの白本
ルゼルフの白本(―しろほん、ウェールズ語: Llyfr Gwyn Rhydderch)は、 ウェールズにおけるもっとも有名な写本の一つ。Rhydderchのカナ表記には何通りかあり、レゼルッフ[1]やリーゼルッハ[2]とも書かれる。
書かれたのは14世紀中頃(1350年頃)、ウェールズ初期の散文を収集した物で、その一部分は現在ウェールズ国立図書館に所蔵されている。
この写本は現在2つに分かれており、ペニアルス写本4 (Peniarth MS 4)、ペニアルス写本5 (Peniarth MS 5) として知られる。
ペニアルス写本4にはウェールズの物語が記されており、これは後にシャーロット・ゲストによって『マビノギオン』に収録されている。そして、ペニアルス写本5(こちらが写本の最初の部分である)には、ラテン語からウェールズ語に翻訳された、宗教的な文章が綴られている。
脚注
編集- ^ 中野節子訳『マビノギオン―中世ウェールズ幻想物語集』(JULA出版局、2000年) ISBN 978-4882841937.
- ^ 『ウェールズ語の基本』(三修社、2011年) の共著者である永田喜文によるウェブページ「ウェールズとケルト?――意外に身近なケルトの国・伝説と民話編」参照。
参考文献
編集- "White Book of Rhydderch". In Meic Stephens (ed.) (1998), The new companion to the literature of Wales. Cardiff : University of Wales Press. ISBN 0-7083-1383-3.
- Parry, Thomas (1955), A history of Welsh literature. Translated by H. Idris Bell. Oxford : Clarendon Press.
外部リンク
編集- リーゼルッハの白本(ウェールズ国立図書館のサイトにあるデジタルコピー)