ラファエル・デバース

ドミニカ共和国の野球選手 (1996 - )

ラファエル・デバース・カルカーニョRafael Devers Calcaño, 1996年10月24日 - )は、ドミニカ共和国サンチェス・ラミレス州出身のプロ野球選手三塁手)。右投左打。MLBボストン・レッドソックス所属。愛称はラフィ・ビッグ・スティックRaffy Big Stick)、カルリータCarlita[2]

ラファエル・デバース
Rafael Devers
ボストン・レッドソックス #11
2017年9月18日
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 サンチェス・ラミレス州
生年月日 (1996-10-24) 1996年10月24日(28歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
240 lb =約108.9 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 三塁手
プロ入り 2013年 インターナショナルFA
初出場 2017年7月25日
年俸 $19,318,182(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
WBC 2023年

マイアミ・マーリンズ所属のホセ・デバース従弟である[3]

経歴

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プロ入りとレッドソックス時代

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2013年、アマチュア・フリーエージェントランキング6位に選ばれ、8月にインターナショナル・フリーエージェントボストン・レッドソックスと契約を結ぶ[4]

2014年、傘下のルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・レッドソックスでプロデビュー。ルーキー級ガルフ・コーストリーグ・レッドソックスでもプレーし、2球団合計で70試合に出場して打率.322、7本塁打、57打点、5盗塁を記録した。

2015年はA級グリーンビル・ドライブでプレーし、115試合に出場して打率.288、11本塁打、70打点、3盗塁を記録した。この年はオールスター・フューチャーズゲームにも選出された。

2016年はA+級セイラム・レッドソックスでプレーし、132試合に出場して打率.282、11本塁打、71打点、18盗塁を記録した。

2017年はシーズン開幕前にMLB.comが発表したプロスペクトランキングでは17位(シーズン途中で4位に上昇)、レッドソックスの組織内では2位(シーズン途中でアンドリュー・ベニンテンディがプロスペクト卒業で1位に繰り上げ)にランクインした[5][6]。シーズンでは開幕をAA級ポートランド・シードッグスで迎えた後、AAA級ポータケット・レッドソックスへ昇格。6月29日にオールスター・フューチャーズゲームの世界選抜に選出された[7]。7月24日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした。翌7月25日のシアトル・マリナーズ戦でメジャーデビューすると[8]、7月26日の同カードでは相手先発のアンドリュー・ムーアからメジャー初安打にして初本塁打を放った[9]。8月13日のニューヨーク・ヤンキース戦ではアロルディス・チャップマンの102.8mph(165.4km/h)の投球を本塁打にし、これは現在の球速計測方法が行われ始めた2008年以降で本塁打になった最速の球だった[10]。最終的に58試合に出場して打率.284、10本塁打、30打点を記録した。ポストシーズンではリーグチャンピオンシップシリーズ第3戦にレッドソックス史上最年少で、ポストシーズンの本塁打を記録した[11]。第4戦ではランニング本塁打を放ち、それを打ったMLB史上最年少の選手になった[12]

2018年4月18日のロサンゼルス・エンゼルス戦でタイラー・スカッグスから自身初の満塁本塁打を放つ[13]。また6月30日にはヤンキース戦でソニー・グレイから自身2度目の満塁本塁打を放った[14]。7月12日に左肩の炎症で故障者リストに入る。7月21日に復帰した[15]が、29日に左筋断裂により再び故障者リスト入りした[15]。8月8日に復帰し[16]トロント・ブルージェイズ戦で本塁打を打った[17]。しかし、8月17日にまた左筋断裂により故障者リストに入る[16]。8月29日にリハビリをするためにAAA級ポータケットに降格し[16]、9月4日にメジャーに復帰した[18]。9月26日には5打数4安打、2本塁打、6打点を記録する[19]。レギュラーシーズンでは、正三塁手として121試合に出場し打率.240、21本塁打、66打点を残した。

ポストシーズンでは、リーグチャンピオンシップシリーズ第5戦では6回に勝ち越し3点本塁打を打ち、チームをワールドシリーズへ導いた[20]。ワールドシリーズでは第4戦にサヨナラ安打を記録し、1997年第7戦でのエドガー・レンテリア以来となるワールドシリーズでの9回裏にサヨナラ安打を打った最年少打者になった[21]。ポストシーズンでの打点と守備の手腕はチームを勝利に導いた[22]。5試合目にも勝利し、自身初のワールドシリーズ優勝を経験した[23]

2019年は5月にプレイヤー・オブ・ザ・マンスを獲得した。8月13日のクリーブランド・インディアンス戦で4二塁打を含む6安打を記録し、プレイヤー・オブ・ザ・ウィークに選出された。9月21日のタンパベイ・レイズ戦で31号本塁打を放ち、三塁手の球団記録を更新した[24][25]。同29日のシーズン最終戦でシーズン200安打に到達した[26]。最終的に156試合で打率.311、32本塁打、115打点を記録し、54二塁打はアメリカンリーグトップだった。守備面ではリーグ最多の22失策を記録した。

2020年COVID-19の影響で60試合に短縮される。57試合の出場で打率.263、11本塁打、43打点だった。

2021年は前半戦を22本塁打で折り返し、自身初となるファン投票でオールスターゲームに選出された[27]。また、チームメイトで三遊間を組むザンダー・ボガーツもファン投票で選出されており、同じチームの三遊間が揃ってファン投票でオールスターゲームに選出されたのは2011年のヤンキースのデレク・ジーターアレックス・ロドリゲス以来だった[28]。オールスターゲーム前日の7月12日に「5番・三塁手」で先発出場することが発表された[29]。7月24日のヤンキース戦で通算100本塁打を記録した[30]。最終的に156試合の出場で、打率.279、38本塁打、113打点、OPS.890を記録した。 オフの11月23日に自身初めてオールMLBチームのセカンドチーム三塁手に選出された[31]

2022年オフの11月17日に全米野球記者協会(BBWAA)の投票による最優秀選手賞(MVP)では7位票1、8位票1、10位票3の計10ポイントで14位にランクインした[32]

2023年1月3日にレッドソックスと1年総額1750万ドルで契約延長、翌1月4日に前日に結んだ1年総額1750万ドルの契約に上乗せする形で10年総額3億1350万ドルで契約を延長した[33]

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2017 BOS 58 240 222 34 63 14 0 10 107 30 3 1 0 0 18 3 0 57 5 .284 .338 .482 .819
2018 121 490 450 59 108 24 0 21 195 66 5 2 0 2 38 6 0 121 9 .240 .298 .433 .731
2019 156 702 647 129 201 54 4 32 359 115 8 8 1 2 48 7 4 119 8 .311 .361 .555 .916
2020 57 248 232 32 61 16 1 11 112 43 0 0 0 0 13 0 3 67 8 .263 .310 .483 .793
2021 156 664 591 101 165 37 1 38 318 113 5 5 0 4 62 7 7 143 13 .279 .352 .538 .890
2022 141 614 555 84 164 42 1 27 289 88 3 1 0 3 50 11 6 114 14 .295 .358 .521 .879
2023 153 656 580 90 157 34 0 33 290 100 5 1 0 3 62 10 11 126 15 .271 .351 .500 .851
2024 138 601 525 87 143 34 5 28 271 83 3 0 0 6 67 14 3 147 13 .272 .354 .516 .870
MLB:8年 980 4215 3802 616 1062 255 12 200 1941 638 32 18 1 20 358 58 34 894 85 .279 .345 .511 .856
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別打撃成績所属リーグ内順位

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2017 21 ア・リーグ - - - - - - -
2018 22 - - - - - - -
2019 23 6位 2位 1位 - - 4位 -
2020 24 - - 7位 - - 6位 -
2021 25 - - 7位 - 9位 4位 -
2022 26 - - 4位 - - - -
2023 27 - - - - 5位 4位 -
2024 28 - - 7位 10位 - - -
  • -は10位未満(打率は規定打席未到達の場合も-と表記)

WBCでの打撃成績

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2023[34] ドミニカ共和国 4 21 16 1 2 0 0 0 2 0 0 0 1 0 0 0 0 0 .125 .222 .125

年度別守備成績

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二塁(2B) 三塁(3B) 遊撃(SS)




































2017 BOS - 56 28 107 14 12 .906 -
2018 - 116 57 245 24 14 .926 -
2019 - 152 117 292 22 20 .949 1 0 0 0 0 ----
2020 - 57 30 84 14 12 .891 -
2021 2 0 1 0 0 1.000 151 147 269 22 37 .950 -
2022 - 138 124 255 14 29 .964 -
2023 - 151 104 247 19 24 .949 1 0 0 0 0 ----
2024 - 130 102 185 12 19 .960 -
MLB 2 0 1 0 0 1.000 951 709 1684 141 167 .944 2 0 0 0 0 ----
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

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記録

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MiLB
MLB

背番号

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  • 11(2017年 - )

代表歴

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脚注

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  1. ^ Rafael Devers Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2023年1月24日閲覧。
  2. ^ Red Sox Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月6日閲覧
  3. ^ Jason Cohen (2016年7月4日). “Yankees sign eight international free agents” (英語). SB Nation. 2021年4月26日閲覧。
  4. ^ Top prospect Devers among four Boston signings. MLB.com, Retrieved on November 19, 2014.
  5. ^ 2017 MLB Prospects Watch – 100 Prospects. MLB.com. Retrieved on July 29, 2017.
  6. ^ 2017 MLB Prospects Watch – Boston Red Sox Top 30 Prospects list. MLB.com. Retrieved on July 29, 2017.
  7. ^ Moncada, Rosario highlight loaded Futures Game rosters MLB.com (英語) (2017年6月29日) 2017年8月3日閲覧
  8. ^ Joseph Zucker (2017年7月24日). “Rafael Devers Called Up by Red Sox After 9 Games at AAA Pawtucket” (英語). Bleacher Report. 2017年7月26日閲覧。
  9. ^ Ian Browne (2017年7月26日). “Devers delivers dinger for first career hit” (英語). http://m.mlb.com/news/article/244597410/red-sox-rafael-devers-homers-for-first-mlb-hit/ 2017年7月29日閲覧。 
  10. ^ Rソックス新人が快挙 チャップマンの165キロの剛速球を本塁打に”. ベースボールチャンネル. 2019年2月10日閲覧。
  11. ^ Rafael Devers becomes youngest Red Sox player to hit postseason home run”. Call to the Pen. 2019年2月10日閲覧。
  12. ^ MLB playoffs: Rafael Devers hits historic inside-the-park HR for Red Sox”. Sporting News. 2019年2月10日閲覧。
  13. ^ Doug Padilla (2018年4月19日). “Devers delivers 1st career slam for red-hot Sox” (英語). https://www.mlb.com/news/rafael-devers-hits-first-career-grand-slam/c-272861394 2018年12月6日閲覧。 
  14. ^ Ian Browne (2018年6月30日). “Devers youngest to hit slam in Sox-Yanks rivalry” (英語). https://www.mlb.com/news/rafael-devers-hits-grand-slam-off-sonny-gray/c-283658812 2018年12月6日閲覧。 
  15. ^ a b Red Sox Roster & Staff – Transactions”. MLB.com (July 2018). 2018年12月6日閲覧。
  16. ^ a b c Red Sox Roster & Staff – Transactions” (英語). MLB.com (August 2018). 2018年12月6日閲覧。
  17. ^ Red Sox vs. Blue Jays - Box Score” (英語). ESPN (2018年8月8日). 2018年12月6日閲覧。
  18. ^ Red Sox Roster & Staff – Transactions” (英語). MLB.com (September 2018). 2018年12月6日閲覧。
  19. ^ Orioles vs. Red Sox - Play-By-Play - September 26, 2018 - ESPN”. ESPN. 2018年12月6日閲覧。
  20. ^ Rafael Devers Stats”. Baseball Reference. 2018年12月6日閲覧。
  21. ^ “ESPN Stats & Info on Twitter” (英語). Twitter. https://twitter.com/ESPNStatsInfo/status/1056389438459256832 2018年12月6日閲覧。 
  22. ^ Red Sox vs. Dodgers - Game Summary - October 27, 2018 - ESPN” (英語). ESPN.com. 2018年12月6日閲覧。
  23. ^ Boston Red Sox win 2018 World Series.”. MLB. 2018年12月6日閲覧。
  24. ^ 今季30号到達のレッドソックス・22歳デバース、偉大なレジェンドたちの仲間入りへ”. ベースボールチャンネル. 2019年11月16日閲覧。
  25. ^ Most HR in a season by a Red Sox third baseman”. @SoxNotes. 2019年11月17日閲覧。
  26. ^ Smith, Christopher. “Boston Red Sox’s Rafael Devers joins Whit Merrifield as only MLB players with 200 hits in 2019”. masslive. 2019年9月29日閲覧。
  27. ^ Matt Kelly, Manny Randhawa (July 2, 2021). “Here are your 2021 All-Star Game starters” (英語). MLB.com. July 11, 2021閲覧。
  28. ^ @thexman2 and @rafael.devers will be the 1st teammates to start at SS/3B in the ASG for the AL since Derek Jeter and @AROD in 2011. #TBT”. MLB ⚾ (@mlb) - Instagram. July 12閲覧。
  29. ^ Anthony Castrovince (July 12, 2021). “All-Star Game starting pitchers, lineups, FAQ” (英語). MLB.com. July 13, 2021閲覧。
  30. ^ Molly Burkhardt (July 24, 2021). “Devers hits HRs No. 99, 100 to torment Yanks” (英語). MLB.com. July 27, 2021閲覧。
  31. ^ Anthony Castrovince (November 24, 2021). “The '21 All-MLB Team is here. And it's stacked” (英語). MLB.com. November 24, 2021閲覧。
  32. ^ Outfielder Aaron Judge adds another MVP Award to Yankees’ collection” (英語). BBWAA – Baseball Writers' Association of America (November 17, 2022). November 18, 2022閲覧。
  33. ^ “レッドソックス、主砲ディバースと33年まで契約延長 総額約447億円は史上6番目の高額契約”. 日刊スポーツ. (2023年1月5日). https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/202301050000042.html 2023年1月5日閲覧。 
  34. ^ 2023 WBC Player Hitting StatsMLB.com 2023年3月24日閲覧
  35. ^ All-MLB Team” (英語). MLB.com. November 27, 2021閲覧。

関連項目

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外部リンク

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