ヨハン・リス または ヤン・リス(Johann Liss または Jan Lys、1590年ころか 1597年の生まれ、1629年か1630年に没)は、ドイツ生まれの画家。1620年代初めからイタリアで活動し、主にヴェネツィアで活動したが、おそらくヴェネツィアで流行したペストのために40歳になる前に亡くなった。初期バロック期を代表する画家の一人である。

ヨハン・リス
ohann Liss
ヨハン・リス作「サテュロスと農夫」
生誕 1590年ころか 1597年
オルデンブルク・イン・ホルシュタイン
死没 1629年か1630年
ヴェローナ
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略歴

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バルト海沿岸の街、オルデンブルク・イン・ホルシュタインで生まれた。ホルシュタイン=ゴットルプ家に仕えていた画家の息子であったと推定されている。18世紀初めのアルノルト・ホウブラーケンの著書によれば、ドイツで学んだ後、ハールレムヘンドリック・ホルツィウスの元やアムステルダムで修行し、1620年ごろ、パリを経由してヴェネツィアへ旅した。ヴェネツィアで働いた後、1620年から1622年ころには、ローマで働き、当時の画家たちに大きな影響を与えたカラヴァッジョのスタイルから影響を受けた作品を描いたとされる。

ふたたびヴェネツィアに戻り、ヴェネツィア派の画家たちの影響を受けて明るい色使いのスタイルとなり[1]、そのスタイルはドメニコ・フェッティ(c.1589-1623)やベルナルド・ストロッツィ(1581-1644)とともに初期バロックを代表する画家の一人となった。

ヴェネツィアで流行したペストから避難するためにヴェローナに移ったが、おそらくこの疫病で亡くなった。若くして亡くなったため残された作品は少ないが神話と聖書の物語を題材にした作品を残した。

作品

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脚注

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  1. ^ le muse, VII, Novara, De Agostini, 1966, p. 4.

参考文献

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  • Joseph Eduard Wessely: Liss, Johan. In: Allgemeine Deutsche Biographie (ADB). Band 18, Duncker & Humblot, Leipzig 1883, S. 748 f.
  • Rüdiger Klessmann: Liss, Johan. In: Neue Deutsche Biographie (NDB). Band 14, Duncker & Humblot, Berlin 1985, ISBN 3-428-00195-8, S. 688–690 (Digitalisat).
  • Rüdiger Klessmann: Johann Liss. Eine Monographie mit kritischem Oeuvrekatalog. Davaco Publishers, Doornspijk 1999, ISBN 90-70288-07-9.
  • Rüdiger Klessmann: Neue Funde und Betrachtungen zum Werk von Johann Liss. In: Münchner Jahrbuch der bildenden Kunst 60, 2009, S. 59–90.
  • Lars Olof Larsson: Wege nach Süden, Wege nach Norden: Aufsätze zu Kunst und Architektur. S. 169 ff. ([1])
  • Eckhard Leuschner: Cephalus gibt sich Procris zu erkennen: zu einer Radierung des Johann Liss. In: Ovid: Werk und Wirkung. Festgabe für Michael von Albrecht zum 65. Geburtstag, Bd. II, Frankfurt/Main 1999, S. 1123–1131.
  • Joachim von Sandrart: Teutsche Academie der Edlen Bau-, Bild- und Mahlerey-Künste. Uhl, 1994 (Bände 1–3, Nachdruck der Ausgabe Nürnberg 1675–79). ISBN 3-921503-79-5. (siehe auch Online-Ausgabe)
  • Weltenbummler. Johann Liss. Eine virtuelle Reise. Publikation von Studierenden der Universität Freiburg (Hauptseminar Anna Schreurs-Morét), https://www.blogkunstgeschichte.uni-freiburg.de/