ヨハネスブルグ (競走馬)
ヨハネスブルグ (Johannesburg) は、アイルランドの競走馬。[1]馬名の由来は南アフリカ共和国の都市ヨハネスブルグから。2001年カルティエ賞およびエクリプス賞の最優秀2歳牡馬に選ばれ、引退後には種牡馬となった。2010年から日本で供用された。米国で残した産駒スキャットダディ(英:Scat Daddy)が種牡馬として大きな成功を収めた。
ヨハネスブルグ | |
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マイケル・テイバーの勝負服 | |
欧字表記 | Johannesburg[1] |
品種 | サラブレッド |
性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
生誕 | 1999年 |
父 | Hennessy |
母 | Myth |
生国 | アメリカ合衆国 |
生産者 |
W.G. Lyster Iii & Jayeff 'B' Stables |
馬主 |
Michael Tabor until 2nd April 2002 |
調教師 | Aidan Patrick O'Brien(アイルランド) |
競走成績 | |
生涯成績 | 10戦7勝 |
競走馬時代
編集2001年、2歳時の5月にデビュー戦を勝利すると、ノーフォークステークス (G3) ・アングルシーステークス (G3) と連勝。さらにフィーニクスステークス (G1) ・モルニ賞 (G1) ・ミドルパークステークス (G1) と欧州の2歳G1を3連覇。アメリカに渡り、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル (G1) に出走する。ここまでの6戦すべて1番人気だったが、初ダート・約2ハロンの距離延長などから3番人気となるもリペント (Repent) に1馬身4分の1差をつけて優勝。7戦7勝で2歳シーズンを終える。カルティエ賞・エクリプス賞最優秀2歳牡馬同時受賞はアラジ以来2頭目となる。
明けて2002年、3歳時はグラッドネスステークス (G3) からの始動となったが、リベリン (Rebelline) に短頭差の2着に敗れ連勝がストップする。次にアメリカへ渡りケンタッキーダービーに出走するも8着。さらにロイヤルアスコット開催のゴールデンジュビリーステークスに出走するも9着に敗れ、3歳時に1勝を挙げることもなく引退となった。
競走成績
編集出走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離 | 着順 | 騎手 | 着差 | 1着(2着)馬 |
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2001.05.30 | フェアリーハウス | 未勝利 | 芝6f | 1着 | M.キネーン | 3 1/2馬身 | (Minaun Heights) | |
2001.06.21 | アスコット | ノーフォークS | G3 | 芝5f | 1着 | M.キネーン | 1 1/4馬身 | (Waterside) |
2001.07.14 | カラ | アングルシーS | G3 | 芝6f63y | 1着 | M.キネーン | 4馬身 | (Waiseman's Ferry) |
2001.08.12 | レパーズタウン | フィーニクスS | G1 | 芝6f | 1着 | M.キネーン | 5馬身 | (Miss Beabea) |
2001.08.26 | ドーヴィル | モルニ賞 | G1 | 芝1200m | 1着 | M.キネーン | 1 1/2馬身 | (Zipping) |
2001.10.04 | ニューマーケット | ミドルパークS | G1 | 芝6f | 1着 | M.キネーン | 3馬身 | (Zipping) |
2001.10.27 | ベルモント | BCジュヴェナイル | G1 | D8.5f | 1着 | M.キネーン | 1 1/4馬身 | (Repent) |
2002.04.07 | カラ | グラッドネスS | G3 | 芝7f | 2着 | M.キネーン | 短頭 | Rebelline |
2002.05.04 | チャーチルダウンズ | ケンタッキーダービー | G1 | D10f | 8着 | G.スティーヴンス | 9馬身 | War Emblem |
2002.06.22 | アスコット | ゴールデンジュビリーS | G1 | 芝6f | 9着 | M.キネーン | 10馬身 | Malhub |
種牡馬時代
編集引退後はアメリカとオーストラリアでシャトル種牡馬として供用される。産駒には、シャンペンステークス・フロリダダービー勝ち馬でアメリカで種牡馬としても成功したスキャットダディ(Scat Daddy) がいる[2]。2009年10月5日に日本軽種馬協会が購入を発表し、2010年より日本で供用されることになった[3]。
2013年になって国内供用後の初年度産駒がデビューすると、ホウライアキコ(デイリー杯2歳ステークス)、フクノドリーム(エーデルワイス賞)などをはじめとして、JRAおよび地方競馬で2歳戦を席巻。2歳リーディングで5位につけた[4]。 同時に、各地のセリでも産駒の人気が急騰するが、種牡馬としての同馬の人気は供用2年目、3年目と急落しており(種付け数は、20~30頭前後[5])、セリに出される産駒が極端に少なく、価格が上昇する現象が顕著であった。各地のセリ会場では、「こんなことなら(自家の牝馬に種を)付けておくんだった…」という、生産者のボヤキの声が漏れているという[6]。
これを受けて2014年の種付け数は153頭まで跳ね上がったものの2年目以降の産駒は芳しいものではなく、種付け数も再び減少に転じて2017年は34頭と以前の水準に戻った[5]。
2019年をもって種牡馬引退、種牡馬引退後も引き続き日本軽種馬協会静内種馬場で繋養される。
主な産駒
編集2004年生
- Scat Daddy / スキャットダディ(シャンペンステークス、フロリダダービー)
- Sageburg / セージバーグ(イスパーン賞)[2]
- Turffontein / ターフフォンテン(インヴィテーションステークス、ウィリアム・レイドステークス)
2006年生
- Once Were Wild / ワンスワーワイルド(AJCオークス)
2007年生
- Strapping Groom / ストラッピンググルーム(フォアゴーステークス)
2009年生
- Bamba Jane / バンバジェーン(サトゥルニノ・J・ウンセ大賞)[7]
2010年生
- Juahayna / フーハイナ[8] (ポトランカス大賞、エストレジャス大賞ジュヴェナイルフィリーズ、1000ギニー大賞、エンリケ・アセバル大賞)
2011年生
2013年生
- ヨシオ(ジャニュアリーステークス)
2016年生
ブルードメアサイアーとしての主な産駒
編集2013年生
- Seventh Heaven / セブンスヘヴン(愛オークス、ヨークシャーオークス)
- Collected / コレクテッド(パシフィッククラシックステークス)
2017年生
- Going to Vegas / ゴーイングトゥベガス(ロデオドライブステークス連覇)
- Swiss Skydiver / スイススカイダイバー(アラバマステークス、プリークネスステークス、ビホルダーマイルステークス)
2019年生
- Rattle N Roll / ラトルンロール(ブリーダーズフューチュリティステークス)
- Straight No Chaser / ストレイトノーチェイサー(ブリーダーズカップ・スプリント)
2022年生
- Gaming / ゲーミング(デルマーフューチュリティステークス)
血統表
編集ヨハネスブルグの血統(ストームキャット系 / アウトブリード) | (血統表の出典) | |||
父 *Hennessy 1993 栗毛 |
父の父 Storm Cat1983 黒鹿毛 |
Storm Bird | Northern Dancer | |
South Ocean | ||||
Terlingua | Secretariat | |||
Crimson Saint | ||||
父の母 Island Kitty1976 栗毛 |
Hawaii | Utrillo | ||
Ethane | ||||
T.C. Kitten | Tom Cat | |||
Needlebug | ||||
母 Myth 1993 鹿毛 |
*Ogygian 1983 鹿毛 |
Damascus | Sword Dancer | |
Kerala | ||||
Gonfalon | Francis S. | |||
Grand Splendor | ||||
母の母 Yarn1987 黒鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native | ||
Gold Digger | ||||
Narrate | Honest Pleasure | |||
State F-No.2-f |
血統背景
編集脚注
編集- ^ a b c “Johannesburg”. Racing post. 2024年10月4日閲覧。
- ^ a b c “良血外国産馬ジークエンブレムが種牡馬入り”. netkeiba.com (2008年9月12日). 2012年7月26日閲覧。
- ^ “種牡馬ヨハネスブルグ号(Johannesburg)を購買契約【日本軽種馬協会】”. JRA (2009年10月5日). 2009年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月5日閲覧。
- ^ “2013年 2歳リーディングサイアー TOP30”. Target de WinGet. 2014年7月2日閲覧。
- ^ a b “種牡馬情報:世代・年次別(サラ系総合)|ヨハネスブルグ(USA)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBIS. 日本軽種馬協会. 2014年7月2日閲覧。
- ^ netkeiba「生産地便り」田中哲実
- ^ 日本軽種馬協会、JBIS(Japan Bloodstock Information System)、Bamba Jane(ARG)基本情報、2020年8月31日閲覧。
- ^ 日本軽種馬協会、JBIS(Japan Bloodstock Information System)、フーハイナ(ARG)基本情報、2020年8月31日閲覧。
- ^ “トピックス「ヨハネスブルグの半弟ジークエンブレムが青森で種牡馬入り」”. ケイバブック (2008年9月12日). 2012年7月26日閲覧。
- ^ “新種牡馬【ジークエンブレム】を繋養する諏訪牧場の種牡馬展示会は2/5開催!”. 馬市.com. 阿波屋庄兵衛 (2009年1月29日). 2012年7月26日閲覧。
外部リンク
編集- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post
- ヨハネスブルグ(USA) - 競走馬のふるさと案内所