ヨウ化バナジウム(III)
ヨウ化バナジウム(III)(ヨウかバナジウム さん、Vanadium(III) iodide)は、化学式が VI3 と表されるバナジウムのヨウ化物である。常磁性の固体で、バナジウム粉末とヨウ素を 500 ℃ 程度に加熱することにより得られる[1]。吸湿性が高く、水に溶けると V(III) 化合物に特有の緑色のイオンが生じる。
ヨウ化バナジウム(III) | |
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ヨウ化バナジウム(III) | |
別称 三ヨウ化バナジウム | |
特性 | |
化学式 | VI3 |
外観 | 黒色固体 |
密度 | 5.14 g/cm3, 固体 |
水への溶解度 | 可溶 |
構造 | |
配位構造 | 八面体形 |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 臭化バナジウム(III) |
その他の陽イオン | ヨウ化バナジウム(II) ヨウ化チタン(III) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
金属バナジウムとヨウ素によりヨウ化バナジウム(III)が生じる反応は可逆反応のため、化学輸送法で純度の高い金属バナジウムを得ることができる。
VI3 の結晶構造はヨウ化ビスマス(III)と同じ六方最密充填構造で、各バナジウム中心は八面体の3分の1を占める。
VI3 を熱分解すると不均化してヨウ化バナジウム(II) VI2 とヨウ化バナジウム(IV) VI4 が生じる。この VI4 は蒸気輸送法で発生する揮発性ガスの主成分であると言われる。
脚注
編集- ^ Juza, D.; Giegling, D. and Schäfer, H. (1969). “Über die Vanadiniodide VJ2 und VJ3”. Z. anorg. allg. Chem. 366: 121–9. doi:10.1002/zaac.19693660303.