メンガーのスポンジ

自己相似なフラクタル図形の一種であり、立方体に穴をあけたもの

メンガーのスポンジとは1926年[1]カール・メンガーにより発見された自己相似フラクタル図形の一種であり、立方体に穴をあけたものである。そのフラクタル次元ハウスドルフ次元相似次元)は オンライン整数列大辞典の数列 A102447次元である。メンガーのスポンジの面は同じくフラクタル図形のシェルピンスキーのカーペットでできている。

メンガーのスポンジの構成過程における4回目の反復 (M4) におけるイメージ図。
カール・メンガー

メンガーのスポンジはフラクタル図形であるため、正確に作図することはできない。また、メンガーのスポンジは無限個の穴を開けるため正確には3次元空間では見ることができない。それは表に見える6つの面がシェルピンスキーのカーペットによって構成されていて面積が0となるからである。

面積

編集

メンガーのスポンジの次元は2より大きいため、2次元的な大きさである面積は無限である。表面積が1となる大きな立方体から穴を空けてメンガーのスポンジを構成する場合、一度目の穴を空けると、その表面積は 増加する。

穴を空ける回数を とすると、その表面積は と表すことができ、これは無限回繰り返した時、無限大に発散する。

体積

編集

メンガーのスポンジの次元は3より小さい(2.7268...次元)ため、3次元的な大きさである体積は 0 である。 実際、体積が1となる大きな立方体から穴を空けてメンガーのスポンジを構成する場合、一度穴を空ける毎にその体積は ずつ減少するため、穴を空ける回数を とすると最終的に体積は となり に収束する。

厳密な定義

編集
 
メンガーのスポンジの3回目 (M3) までの反復構成過程のフローイメージ図。

メンガースポンジの厳密な定義は以下である:

 

ここで  は単位立方体で、

 

脚注

編集

注釈

編集

出典

編集
  1. ^ Menger, Karl (1926), “Allgemeine Räume und Cartesische Räume. I.”, Communications to the Amsterdam Academy of Sciences . English translation reprinted in Edgar, Gerald A., ed. (2004), Classics on fractals, Studies in Nonlinearity, Westview Press. Advanced Book Program, Boulder, CO, ISBN 978-0-8133-4153-8, MR2049443 

関連項目

編集