メネラーオス
メネラーオス(古希: Μενέλαος, Menerāos, ラテン語: Menelaus)は、ギリシア神話の英雄である。長母音を省略してメネラオス、あるいはメネラウスとも表記される。トロイア戦争におけるギリシア側の副大将で、伝説上のスパルタ王である。ミュケーナイ王アトレウスの子。妻はヘレネーで、兄はアガメムノーン、父はアトレウス、娘にはヘルミオネーがいる。
神話
編集メネラオスはスパルタ王の娘ヘレネーに訪れた数多くの求婚者の一人である。この際、ヘレネーの父であるテュンダレオースは大勢の求婚者のうち誰を選んでも恨みを買う恐れがあるので誰を婿にするか迷っていたところ、オデュッセウスが「誰が選ばれるにせよ、その男が困難に陥ったときは全員が力を合わせてその男を助ける」と誓わせた。そして、メネラーオスがヘレネーの夫となり、スパルタ王の後を継ぐこととなった。
その後、トロイアの王子パリスがヘレネーを連れて逃げ、メネラーオスから相談を受けたアガメムノーンはオデュッセウスの誓いを持ち出してトロイアに戦争を仕掛ける。この際、アガメムノーンが総大将、メネラーオスは副大将となった。
ギリシア軍とトロイア軍の全面衝突が始まり、パリスが軍の先頭に立って戦場に出ると、メネラーオスは勇んでパリスに戦いを挑もうとする。これを見たパリスは逃亡するものの、後にメネラーオスとの決闘を提案。メネラーオスはパリスを追い詰めるものの、アプロディーテーの妨害があったために決闘は中断となり、戦争が再開された。
戦争は10年にもおよび、トロイア陥落時には木馬の中にもぐりこみ、デーイポボスを館にて殺害する。
同時にパリス死後デーイポボスの妻となっていたヘレネーも殺そうとしたものの、未だに情があったため殺す事ができず連れ帰る事にした。
戦後メネラーオスはヘレネーを連れてスパルタへの帰途につくも、神への供物を怠ったために怒りを買い、途中で暴風に襲われてエジプトに漂流し、8年かけて祖国へ帰還する事となった。
その後、メネラーオスはヘレネーとともに不死の身となってエーリュシオンで暮らしたとされている。
系図
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