ムランジェ山森林保護区
ムランジェ山森林保護区(Mulanje Mountain Forest Reserve)は、1927年に設立されたマラウイの保護区である。ムランジェ山保全トラストにより管理されている。2000年に生物圏保護区に指定された[1]。
ムランジェ山森林保護区 | |
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ムランジェ山の概観 | |
地域 | ムランジェ県 |
座標 | 南緯15度55分00秒 東経35度34分10秒 / 南緯15.91667度 東経35.56944度座標: 南緯15度55分00秒 東経35度34分10秒 / 南緯15.91667度 東経35.56944度 |
面積 | 500 km² |
創立日 | 1927年に設立 |
地理的背景
編集ムランジェ山は、閃長岩や石英閃長岩、花崗岩といった岩石から構成されており、およそ500km²の山塊から形成されている。
山の周辺は海抜600m-700mの平野であり、人口密集地域となっている。ムランジェ山は、この平野の中に急激な傾斜を持ってそそり立ち、海抜1800-1900mである斜面の上には盆地が形成されている。なお、山頂はサピータピーク(Sapitwa Peak)と呼ばれる地点で標高が3002mであり、マラウイ国内およびアフリカ南中部における最高峰となっている。
ムランジェ山の高い海抜やその地形学的構造から、この地域では11月から4月にかけて高い降雨量が観測されるような独特の気候が見られる。この特徴的な気候により生物の高多様性が育まれ、希少種や固有種が数多く存在するユニークな生態系が発展している。
動物相および植物相
編集ムランジェ山固有の植物であるWiddringtonia whytei (ウィドリントニア属の樹木) は激しい伐採により絶滅の危機にあるが、保護区内には貴重なこの植物が自生している。また、その他の植物や動物に関しても数多くの固有種が生息しており、具体的にはノドジロムジヒタキやムナジロムジヒタキ、ホオスジアオヒヨなどの鳥類[1]、様々なチョウ、ミニマヒメカメレオン、ヤモリ科、トカゲ科、サエズリガエル科の仲間のほか、手足を持たない珍しい"burrowing skink"などが知られている。
近年、ムランジェ山森林保護区の周囲の土地環境は、近年の人口の増加によって脅かされており、農地の開墾や薪の採集を目的とした森の伐採や、外来種であるメキシカンパインやヒマラヤンラズベリーの侵食といった問題が生じている。
脚注
編集- ^ a b “Mount Mulanje Biosphere Reserve, Malawi” (英語). UNESCO (2018年12月13日). 2023年1月23日閲覧。