ムラサキヤシオツツジ
ムラサキヤシオツツジ(紫八汐躑躅、学名: Rhododendron albrechtii)はツツジ科ツツジ属の落葉低木。山地から亜高山帯にかけて生える。別名、ミヤマツツジ[1]、ムラサキヤシオ(紫八汐)[2]。鮮やかな濃紅紫色の花色が知られる。
ムラサキヤシオツツジ | ||||||||||||||||||||||||
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岩手県八幡平 2018年6月
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Rhododendron albrechtii Maxim. (1870)[1] | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ムラサキヤシオツツジ(紫八汐躑躅) |
分布と生育環境
編集北海道、本州の東北地方および中部地方の日本海側に分布し[2]、山地から亜高山の林縁や疎林内などに生育する。低山にも生育することがある。葉がまだ小さいうちに濃い紅色の花が咲くため、早春の山でよく目立つ[3]。庭園でもよく植栽されたものが見られる[3]。
特徴
編集高さは1 - 2メートル (m) になり、若い枝には淡褐色の長毛と長い腺毛がやや密に生え[2]、のちに落ち無毛となる。樹皮は茶褐色から赤褐色をしている[2]。若木では樹皮に浅い縦溝があるが滑らかで、生長するに従い薄くはがれるようになる[2]。
葉は互生し、枝先に集まってつき、葉柄は長さ1 - 3ミリメートル (mm) になり、淡褐色の長毛が密生する。葉身は長さ4 - 11センチメートル (cm) 、幅3 - 6 cmになり、倒卵形または楕円形で、先はとがり先端に腺状突起があり、基部はくさび形で葉柄に流れる。葉の表面には微毛が生え、裏面の葉脈の下部に開出する白毛がやや密生する。
花期は4 - 6月。葉の展開と同時か先に開花し、枝先の1個の花芽に1 - 4個の花をつける。花柄は長さ5 - 15 mmになり、長毛と腺毛が密生する。花冠は鮮紅紫色で、径4 cmの広漏斗形で5深裂し、花冠の上側内面に濃色の斑点がある。雄蘂は10本で、うち上部の5本は短く、花糸に白色の短毛が生え、下部の5本は長く花冠の外側に伸び、無毛。花柱は無毛で子房には腺毛が密生する。果実は蒴果で長さ8 - 10 mmの長卵形になる。
冬芽は、枝先の頂芽の花芽は長さ8 - 10 mmの卵形で先端がとがり、葉芽は花芽よりもやや細くて小さい[2]。側芽は頂芽よりもずっと小さい[2]。
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上側の5本の雄蕊は短く、下側の5本は長い。
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つぼみ
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吸蜜するモンキチョウ
下位分類
編集- シロバナムラサキヤシオツツジ Rhododendron albrechtii Maxim. f. albiflorum T.Yamaz.
- ウラゲムラサキヤシオツツジ Rhododendron albrechtii Maxim. f. canescens Sugim.
脚注
編集- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron albrechtii Maxim. ムラサキヤシオツツジ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年3月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 79
- ^ a b 辻井達一 2006, p. 166.
参考文献
編集- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、79頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
- 辻井達一『続・日本の樹木』中央公論新社〈中公新書〉、2006年2月25日。ISBN 4-12-101834-6。
- 佐竹義輔ほか 編『日本の野生植物 木本II』平凡社、1989年2月。ISBN 4-582-53505-4。
- 茂木透 写真、高橋秀男・勝山輝男 監修『樹に咲く花:合弁花・単子葉・裸子植物』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑 5〉、2001年7月。ISBN 4-635-07005-0。