ミリヤナ・ルチッチ=バロニ

ミリヤナ・ルチッチ=バロニMirjana Lučić-Baroni, 1982年3月9日 - )は、クロアチアの女子プロテニス選手。1998年全豪オープン女子ダブルスでマルチナ・ヒンギスとペアを組んで優勝した。ドイツドルトムントに生まれる。自己最高ランキングはシングルス20位、ダブルス19位。WTAツアーでシングルス3勝、ダブルス3勝を挙げている。身長181cm、体重65kg。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。

ミリヤナ・ルチッチ=バロニ
Mirjana Lučić-Baroni
ミリヤナ・ルチッチ=バロニ
基本情報
フルネーム Mirjana Lučić-Baroni
国籍 クロアチアの旗 クロアチア
出身地 ドイツ・ドルトムント
生年月日 (1982-03-09) 1982年3月9日(42歳)
身長 181cm
体重 65kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 1997年
ツアー通算 6勝
シングルス 3勝
ダブルス 3勝
生涯獲得賞金 4,253,458 アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 ベスト4(2017)
全仏 3回戦(2001・15)
全英 ベスト4(1999)
全米 4回戦(2014)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 優勝(1998)
全仏 3回戦(2013)
全英 ベスト8(2013)
全米 3回戦(2013)
優勝回数 1(豪1)
4大大会最高成績・混合ダブルス
全英 準優勝(1998)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 20位(2017年5月1日)
ダブルス 19位(1998年10月26日)
2017年4月16日現在

2011年11月15日にダニエレ・バロニ(Daniele Baroni)と結婚し、結婚後はミリヤナ・ルチッチ=バロニ(Mirjana Lučić-Baroni)と名乗っている[1]

来歴

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ルチッチは4歳の時、姉がテニス・スクールで練習する姿を見てテニスを始めたという。1996年全米オープンジュニア女子シングルス部門に14歳で優勝し、1997年全豪オープンでもジュニア女子ダブルスで優勝した。同年4月末に15歳でプロ入りした後、いきなり翌週の5月4日に地元クロアチア・ボル大会で優勝する。プロ・デビュー戦の決勝でコリーナ・モラリューを 7-5, 6-7, 7-6 で破った。全仏オープン直前のフランスストラスブール大会でも決勝に進出し、憧れの人シュテフィ・グラフに 2-6, 5-7 で敗れた。当時の女子テニス界では、1995年1月から15歳-17歳の若年選手に対する試合出場制限が強化され、年齢に応じた段階的な出場試合数を定めていた。そのため、1997年当時のルチッチはWTAツアー大会の出場が「年間8試合」に制限されていたが、全米オープン直前には世界ランキングを63位まで上げていた。この大会で4大大会デビューを認められたルチッチは、3回戦で第3シードのヤナ・ノボトナと 2-6, 7-6, 3-6 のフルセットを戦った。

1998年全豪オープンで、ルチッチは女子ダブルスでマルチナ・ヒンギスとペアを組み、決勝でリンゼイ・ダベンポート&ナターシャ・ズベレワ組を 6-4, 2-6, 6-3 で破って初優勝した。翌週の「東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメント」でもヒンギスとのペアで、ダベンポート&ズベレワ組を破って2週連続優勝を果たす。5月初頭にはクロアチア・ボル大会の決勝で再びモラリューを破り、大会2連覇を果たした。しかし、その頃からルチッチのテニスは「球種の単調さ」を対戦相手に研究されていた。早熟選手としての人気を買われて、ウィンブルドン2回戦では同じ16歳のセリーナ・ウィリアムズとの対戦でセンター・コートに立ったが、黒人姉妹の妹セリーナに 3-6, 0-6 で完敗してしまう。このウィンブルドン選手権では、ルチッチは混合ダブルス部門でインドマヘシュ・ブパシとペアを組んで準優勝している。その後、全米オープンでは2回戦で日本沢松奈生子を 4-6, 6-1, 6-1 の逆転で破ったが、3回戦ではグラフに 1-6, 1-6 であっけなく敗れた。

1999年ウィンブルドンでベスト4進出した。3回戦で第4シードのモニカ・セレシュを 7-6, 7-6 で破ったルチッチは、準々決勝でも芝生コートがで得意なナタリー・トージア1998年度の女子シングルス準優勝者)を 4-6, 6-4, 7-5 で破り、準決勝では第2シードのシュテフィ・グラフから第1セットを 7-6 で奪った。しかしグラフに続く2セットを 6-4, 6-3 で奪い返され決勝進出はならなかった。この後、2000年全豪オープン1回戦でマルチナ・ヒンギスに完敗した。

ルチッチはツアーから離れた時期もあったが、2010年ウィンブルドン選手権の予選決勝でミハエラ・クライチェクを 6-3, 6-2 で破り2002年全米オープン以来8年ぶりの4大大会本戦出場を果たした。1回戦で第14シードのビクトリア・アザレンカに 3-6, 3-6 で敗れている。続く全米オープンでも予選を勝ち上がり、本戦1回戦でアリシア・モリクを 7-6(5), 6-1 で破り2002年全仏オープン以来の4大大会での勝利を挙げた。2012年ウィンブルドン選手権では予選を勝ち上がり、2回戦で第9シードのマリオン・バルトリを 6-4, 6-3 で破り2001年全仏オープン以来の4大大会3回戦に進出している。

2014年の全米オープンでは予選から出場、3回戦で第2シードのシモナ・ハレプを破り15年ぶりに四大大会での16強入りを果たした[2]。全米後のクープ・バンク・ナショナルでは単複で決勝に進出しシングルスではビーナス・ウィリアムズを 6–4, 6–3 で破り16年ぶりのツアー優勝を果たした。ルーシー・ハラデツカと組んだダブルスでもユリア・ゲルゲス&アンドレア・フラバーチコバ組を 6–3, 7–6(8) で破って優勝した。

2017年の全豪オープンではノーシードで出場、2回戦で第3シードのアグニエシュカ・ラドワンスカを6-3, 6-2で、準々決勝で第5シードのカロリナ・プリスコバを 6-4, 3-6, 6-4 で撃破し、1999年のウィンブルドン以来18年ぶりとなるグランドスラムでのベスト4進出を果たす。準決勝で優勝したセリーナ・ウィリアムズに 1-6, 2-6 で敗れた。大会後のランキングで29位となり19年ぶりに自己最高位を更新した。2017年5月1日付で自己最高の20位を記録している。

WTAツアー決勝進出結果

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シングルス: 5回 (3勝2敗)

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大会グレード
2008年以前 2009年以後
グランドスラム (0–0)
WTAファイナルズ (0–0)
ティア I (0–0) プレミア・マンダトリー (0-0)
プレミア5 (0-0)
ティア II (0–0) プレミア (0–0)
ティア III (0–1) インターナショナル (1–1)
ティア IV & V (2–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1. 1997年5月4日   ボル クレー   コリーナ・モラリュー 7–5, 6–7(4), 7–6(5)
準優勝 1. 1997年5月24日   ストラスブール クレー   シュテフィ・グラフ 2–6, 5–7
優勝 2. 1998年5月3日   ボル クレー   コリーナ・モラリュー 6–4, 6–2
優勝 3. 2014年9月14日   ケベック・シティー ハード(室内)   ビーナス・ウィリアムズ 6–4, 6–3
準優勝 2. 2016年5月21日   ストラスブール クレー   キャロリン・ガルシア 4–6, 1–6

ダブルス: 4回 (3勝1敗)

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結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
優勝 1. 1998年2月1日   全豪オープン ハード   マルチナ・ヒンギス   リンゼイ・ダベンポート
  ナターシャ・ズベレワ
6–4, 2–6, 6–3
優勝 2. 1998年2月8日   東京 カーペット (室内)   マルチナ・ヒンギス   リンゼイ・ダベンポート
  ナターシャ・ズベレワ
7–5, 6–4
準優勝 1. 1998年5月3日   ボル クレー   ヨアネット・クルーガー   ラウラ・モンタルボ
  パオラ・スアレス
棄権
優勝 3. 2014年9月14日   ケベック・シティー ハード
(室内)
  ルーシー・ハラデツカ   ユリア・ゲルゲス
  アンドレア・フラバーチコバ
6–3, 7–6(8)

4大大会シングルス成績

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略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004–2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 通算成績
全豪オープン A 2R 1R 1R A A A A A 1R LQ 1R 1R 1R 1R SF 2R 7–10
全仏オープン A A 1R 1R 3R 2R LQ A A 1R 1R 1R 1R 3R 2R 1R 6–10
ウィンブルドン A 2R SF 2R LQ A LQ A 1R 1R 3R 2R 1R 2R 1R 1R 11–11
全米オープン 3R 3R 2R 1R LQ 1R LQ A 2R 2R 1R 1R 4R 1R 2R 2R 12–13

脚注

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出典

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  1. ^ A FAIRYTALE WEDDING: MIRJANA LUCIC MARRIES”. WTA Tennis English (2011年12月23日). 2013年12月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月11日閲覧。
  2. ^ 朝日新聞 2014年8月31日14版 23面

外部リンク

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受賞
先代
  アリサ・クレイバノワ
WTAカムバック賞
2014
次代
  ビーナス・ウィリアムズ