ミヤマキリシマ
ツツジの一種
ミヤマキリシマ(深山霧島[3]、学名: Rhododendron kiusianum)は、ツツジの一種。九州各地の高山に自生する[3]。
ミヤマキリシマ | ||||||||||||||||||||||||
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えびの高原のミヤマキリシマ
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Rhododendron kiusianum Makino (1914)[1] | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Kyushu Azalea |
名称
編集1866年には坂本龍馬が新婚旅行で霧島を訪れた際、姉に宛てた手紙の中で「きり島つゝじが一面にはへて実つくり立し如くきれいなり」と書いている。1909年には同じく霧島へ新婚旅行に訪れた植物学者・牧野富太郎が発見し、「深い山に咲くツツジ」という意味で「ミヤマキリシマ」と命名した。『三国名勝図会』で、高原の物産の花卉類の項目に、映山紅が「霧島山中特に多し。叢をなすこと甚廣し。花さける時は、満山錦のごとし。」と記載されている[4]が、これがミヤマキリシマのことである。
分布・生育地
編集和名に冠された霧島山・えびの高原のほか、阿蘇山、九重山、雲仙岳、鶴見岳など九州各地の高山に分布する[5]。ミヤマキリシマは、火山活動により生態系が撹乱された山肌で優占種として生存できる。逆に、火山活動が終息して植物の遷移により森林化が進むと、優占種として生存できなくなる。
特徴
編集半落葉広葉樹の低木で、高さは1 - 2メートル (m) 程度になる[3]。枝は密に分枝する[3]。葉は小型で、長さ8 - 20ミリメートル (mm) の長楕円形をしており、葉に毛がある[3]。夏に出る葉の一部は、落葉せずに冬を越す[3]。
花期はおおむね5月下旬から6月中旬[3]。枝先に2 - 3個ずつ花をつけ、直径20 - 30 mmの漏斗形で先は5裂し、花色は紅紫色、朱紅色、桃色、淡紅色、白色などが見られる[3]。雄しべは5個つく[3]。満開のころには、斜面をいっぱいに埋め尽くすように咲いて見事な景観になる[3]。また、気候が似通った秋にも少し咲くことがある。
都道府県・市町村の花
編集都道府県の花
編集市の花
編集町の花
編集- 大分県:玖珠郡九重町
かつて指定していた自治体(消滅)
編集脚注
編集- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron kiusianum Makino ミヤマキリシマ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron obtusum (Lindl.) Planch. var. japonicum (Maxim.) Kitam. ミヤマキリシマ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 西田尚道監修 学習研究社編 2009, p. 33.
- ^ 橋口兼古、五代秀堯、橋口兼柄 「高原」『三国名勝図会 巻之56』 1843年
- ^ a b 辻井達一 2006, p. 166.
- ^ 平嶋義宏 『ミヤマキリシマはよみがえった』 西日本新聞社、平成4年、ISBN 4-8167-0317-9[要ページ番号]
- ^ 長崎県のシンボル
参考文献
編集- 辻井達一『続・日本の樹木』中央公論新社〈中公新書〉、2006年2月25日。ISBN 4-12-101834-6。
- 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 ベストフィールド図鑑〉、2009年8月4日、33頁。ISBN 978-4-05-403844-8。