ミッドナイトオートレース
ミッドナイトオートレースは、2015年に創設されたオートレースの競走の1つである。
概要
編集現在、飯塚オートレース場と山陽オートレース場で開催されている競走である。
概ね20時00分から23時30分までの間に競走を実施するのが特徴。開催時間が深夜となるため、近隣対策を考慮して無観客で競走を実施する。
2021年度時点で、飯塚オートは「7車立て8R」、山陽オートは「6車立て9R」の3日間又は4日間での開催がメインとなり、一部開催で5日間開催や「8車立て6R」、「7車立て7R」で開催される場合がある[1]。また番組編成上の時間の制約が厳しいため、普通開催とは異なり、原則として勝ち上がりは着順のみで決定される(一部の開催では選手ランクも併用する)[2][3][4][5]。
売り上げは好調で、2020年度の総売上額は131億5409万1600円(対前年度比235.5%)[6]、2021年度の総売上額は183億3731万6000円(対前年度比134.7%)と、いずれも高い伸びを示している[7]。
歴史
編集ミッドナイト競輪の成功を受け、オートレースでのミッドナイトレース開催の前段階として、川口オートで2015年9月にナイター開催を行い、これを成功させた。要因として、住宅地に所在するオートレース場における、消音器(マフラー)の効果が立証されたことによる。
2015年11月16日、飯塚オートレース場でミッドナイトオートレースが初開催された[8][注 1]。
その後、山陽オートレース場で2019年2月17日から3日間と同年2月22日から4日間の2開催で試行開催を行った[9]。試行開催後、2019年8月23日から正式開催となった。照明は、飯塚の移動照明車をレンタルで使用したが[10]、正式開催に併せて常設のLED照明灯7基をスタンドやバンク内に整備した[11]。
2019年12月6日から9日の4日間を飯塚オートレース場、2020年1月18日から21日の4日間を山陽オートレース場で「7車立8R制」の試行開催を行った[12][13]。
2020年4月17日、改正・新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて発令された新型コロナウイルス緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大されたことを受け[14]、4月20日から4月22日まで山陽オートレース場で開催を予定していたミッドナイトオートレースの中止を発表した[15]。
2020年8月20日から8月22日まで山陽オートレース場で開催されたミッドナイトオートレースは、業界初の「6車立9R制」で行われ[16][17][5]、以降、継続して開催されている。
2021年1月7日から1月9日まで飯塚オートレース場で開催予定だったミッドナイトオートレースは、降雪・積雪のため開催中止・打ち切りとなった[18][19]。
2021年2月21日、飯塚オートレース場で開催されたミッドナイトオートレースで藤本梨恵が女子選手では初めてのミッドナイトオートレース優勝。自身2回目の優勝で、初日から3日間全て1着入線の完全優勝だった[20][21]。
2021年度から、飯塚オートレース場・山陽オートレース場にてミッドナイトオートレース初となるグレードレース「GII ミッドナイトチャンピオンカップ」の開催が決定した[22][注 2][注 3]。
2022年4月19日、4月20日から22日まで開催を予定していた「山陽ミッドナイトオートレース」は、関係者に新型コロナウイルス感染症の陽性反応が確認されたため、全日程で開催を中止にすることを発表した[23]
2022年7月27日、8月2日から5日まで山陽オートレース場にて、オートレース初の1節(4日間)に2回優勝戦が行われ2日間で優勝を争うミッドナイトオートレースを連続開催することを発表した[24]。
2022年12月23日、飯塚オートレース場で開催予定だったミッドナイトオートレース(開催5日目)は降雪悪天候のため中止・打ち切り(順延なし)となった[25]。
2023年2月9日、オートレース業界初の代替開催(借り上げ施行開催)実施。山陽オートレース場を借り上げて「浜松市営ミッドナイトオートレース」を実施(2023年2月9日〜12日、3月25日〜28日)[26][27]。
2024年2月29日、JKAは飯塚オートレース場で3月20日〜23日に開催するミッドナイトオートレースにおいて、最終レースの発走時刻を日付を跨いだ24時30分とすることを発表[28]。
ミッドナイト王者決定戦
編集2017年から2021年まで毎年3月末に飯塚オートレース場で行われる開催。一般競走として行われた。
モデルとなった「スーパースターシリーズ戦」と「スーパースター王座決定戦」のように、「一般戦」と「ミッドナイト王者決定戦」の2開催が内包されて実施された。
当該年度のミッドナイトオートレース優勝者と準優勝者16名は本家同様トライアル戦に出場し、ポイント上位者が王者決定戦に出場できる。王者決定戦で優勝した選手はその年のミッドナイトオートレース年間チャンピオンに輝き、「夜王」の称号が与えられた。
2021年度より「GII ミッドナイトチャンピオンカップ」新設に伴い、2021年3月の開催を最後に以降行われていない。
歴代優勝者(王者決定戦)
編集回数 | 開催日 | 開催場 | 優勝者 | 年齢(当時) | 競走タイム | 競走車呼名 | 競走車車名 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2017年(平成29年)3月26日 | 飯塚オートレース場 | 青木治親 | 40 | 3.653 | ナンバー12 | セア |
2 | 2018年(平成30年)3月29日 | 飯塚オートレース場 | 荒尾聡 | 36 | 3.354 | デフジャムAK | セア |
3 | 2019年(平成31年)3月30日 | 飯塚オートレース場 | 佐藤裕児 | 35 | 3.363 | アールCK81 | セア |
4 | 2020年(令和2年)3月26日 | 飯塚オートレース場 | 佐々木啓 | 47 | 3.797 | リアン | セア |
5 | 2021年(令和3年)3月26日 | 飯塚オートレース場 | 鐘ヶ江将平 | 33 | 3.373 | ジェイドA | セア |
脚注
編集注釈
編集- ^ 開催日程:2015年11月16日~11月18日。レース体系:8車立て6R制。開催時間:第1R発走時間21:00、最終第6R発走時間23:30(開催初日(11月16日)のみ発走時間:第1R発走時間18:25、最終第6R発走時間20:55)
- ^ 初開催の日程は、2021年6月28日から7月2日まで。
- ^ オートレースと管轄が同じJKAである競輪では、ミッドナイト競輪においてはA級選手で事足りるため(FII)、S級戦(FI)は年数回行われるのみでグレードレースの開催実績はなかった。ただ、2024年度よりミッドナイト競輪においても初のグレードレース(GIII)を年2回実施する。
出典
編集- ^ ミッドナイトレースとは 飯塚オートレース場
- ^ “ミッドナイトオートレース勝ち上がり 3日制(7車立7R) PDFファイル” (PDF). オートレースオフィシャルサイト. 2020年5月20日閲覧。
- ^ “ミッドナイトオートレース勝ち上がり 4日制(7車立7R制)PDFファイル” (PDF). オートレースオフィシャルサイト. 2020年5月20日閲覧。
- ^ “ミッドナイトオートレース勝ち上がり 4日制(7車立8R制)PDFファイル” (PDF). オートレースオフィシャルサイト. 2020年5月20日閲覧。
- ^ a b “ミッドナイトオートレース勝ち上がり 3日制(6車立9R制)PDFファイル” (PDF). オートレースオフィシャルサイト. 2020年8月19日閲覧。
- ^ “オート20年度総売上約946億円前年度比128%”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年4月1日) 2021年4月7日閲覧。
- ^ “オートレース盛況 21年度の総売上額1032億円で前年度比109% ミッドナイト同134%”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2022年3月31日) 2022年3月31日閲覧。
- ^ “飯塚オートで深夜の時間帯にオートレースが開催されます!オートレースオフィシャルサイト”. オートレース オフィシャルサイト (2015年10月9日). 2021年1月17日閲覧。
- ^ 山陽オートレース場で初のミッドナイトレースを試行開催いたします オートレースオフィシャルサイト 2018年12月10日
- ^ 2019年2月2日のツイート 山陽オートレース場公式twitter
- ^ “山陽オートの夜間開催、好評【山陽小野田】”. 宇部日報 このまちメディアWeb. 宇部日報社 (2019年9月11日). 2021年1月17日閲覧。
- ^ ミッドナイトオートレース「7車立8R制」を試行開催いたします オートレースオフィシャルサイト 2019年11月3日
- ^ 2019年度下半期ミッドナイトオートレース8R制発走時刻表(PDFファイル) オートレースオフィシャルサイト 2019年11月3日
- ^ 日本放送協会 (2020年4月16日). “「緊急事態宣言」対象を全国に拡大 5月6日まで 新型コロナ”. NHKニュース. 2020年4月16日閲覧。
- ^ “【お知らせ】4月20日(月)から4月22日(水)までの山陽ミッドナイトオートレース中止について”. オートレース オフィシャルサイト ニュース (2020年4月17日). 2020年4月17日閲覧。
- ^ “ミッドナイトオートレース(山陽・8/20~8/22)は業界初の6車立9R制で行われます!”. オートレース オフィシャルサイト (2020年8月19日). 2020年8月19日閲覧。
- ^ “山陽ミッドナイトオートレースは6車立9R制!”. 山陽オート オフィシャルサイト (2020年8月15日). 2020年8月19日閲覧。
- ^ “本日(1/7)の飯塚オートレース場は降雪のため「9R以降の場間場外発売」及び「ミッドナイト開催(1日目)」が中止となりました。”. オートレース オフィシャルサイト (2021年1月7日). 2021年1月8日閲覧。
- ^ “1/8、1/9の飯塚ミッドナイトオートレースは開催中止・打ち切りとなりました。【順延なし】”. オートレース オフィシャルサイト (2021年1月8日). 2021年1月8日閲覧。
- ^ “レース結果|飯塚オート|ネットスタジアム”. オートレース オフィシャルサイト (2021年2月21日). 2021年2月22日閲覧。
- ^ “飯塚オートレース場 - 【チャリロト杯ミッドナイトオートレース】 優勝は…...”. Facebook (2021年2月21日). 2021年2月22日閲覧。
- ^ “オートが大きく変わる ミッドナイトG2など新施策”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年4月7日) 2021年4月7日閲覧。
- ^ “山陽ミッドナイトオートレース(4月20日~22日)の開催中止について”. 山陽オート. 山陽オートレース場 (2022年4月19日). 2022年4月19日閲覧。
- ^ “オートレース初!2日間開催トーナメントを山陽オートで開催します!”. AutoRace.JP. 公益財団法人JKA (2022年7月27日). 2022年8月2日閲覧。
- ^ “12/23の飯塚レース場のミッドナイト競走及び12/23~25の場外発売は降雪等悪天候のため中止となりました”. AutoRace.JP. 公益財団法人JKA (2022年12月23日). 2022年12月24日閲覧。
- ^ “開催日程【2022年10月~2023年3月】が決定しました!”. AutoRace.JP. 公益財団法人JKA (2022年8月8日). 2023年2月9日閲覧。
- ^ 山陽オート OFFICIAL [@SANYO_AUTO] (2023年2月8日). "【オートレース業界初!】". X(旧Twitter)より2023年2月9日閲覧。
- ^ “3月の飯塚オートレース場ミッドナイト開催の発走時刻変更のお知らせ”. Auto Race.JP. 公益社団法人JKA (2024年2月29日). 2024年3月4日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- ミッドナイトオートレース特設サイト - オートレースオフィシャルサイト