マーサ・スチュワート

アメリカの実業家、ライフコーディネーター (1941-)

マーサ・スチュワートMartha Stewart、本名Martha Helen Kostyra1941年8月3日 - )は、アメリカ合衆国ニュージャージー州出身の実業家。料理、園芸、手芸、室内装飾など生活全般(ライフスタイル)を提案するライフコーディネーター・クリエータで、関連する本も多く出版している。

マーサ・スチュワート

彼女が経営する会社は、生活提案のTVレギュラー番組『マーサ・スチュワート・リビング』を持ち、同名の雑誌を出版し、オリジナル・ブランドの商品を販売している。日本では「カリスマ主婦」として知られているが離婚歴があり、現在独身である。単にテレビに良く出る有名人でなく、実業家として評価されている[1]

経歴

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成功の軌跡

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彼女はポーランド移民の両親の下に生まれた。大学時代(Barnard College)からアルバイトモデルをしており、卒業後もモデルやCM出演をしていたが、1965年に出産のため引退した。その後、1973年まで株式のブローカーをしていたが、証券不況により、コネチカット州の田舎に移り住んだ。

そこで、料理のケータリング・サービスを行いながら、料理、園芸、室内装飾に関するコラムを雑誌に寄稿していた。1982年に出版した『マーサ・スチュワート・エンターティニング(Martha Stewart Entertaining)』はベストセラーとなった。

1987年に大手スーパーのKマートと契約し、食器、インテリア小物、寝具、衣料品など幅広い商品のプロデュース、宣伝に関わり、自身の名前も商標登録した。1991年から自分のライフスタイル提案誌『マーサ・スチュワート・リビング』を発刊、ライフスタイル業界の大立者になっていく。彼女の会社のライフスタイル提案番組『マーサ・スチュワート・リビング』はデイタイム・エミー賞を受賞し、オリジナル・ブランド製品をKマートなどを通して広く販売した。ニューヨーク証券取引所の役員にも選ばれる。

夫とは、結婚23年後に離婚。離婚後も、彼女は夫の姓を名乗っている。 前夫との間に、娘(Alexis Stewart)一人。

事件

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2002年インサイダー取引[注釈 1]の容疑で捜査を受け、2003年6月に起訴され、2004年3月5日陪審員評決で有罪となった。

TVレギュラー番組は中止になり、彼女は自分の会社の役員を辞任したが、同社の株は暴落した。7月16日の判決では、5ヶ月の禁錮と5ヶ月の自宅軟禁、3万ドルの罰金が課せられた。10月から2005年3月まで服役し、自宅に戻った後、仕事を再開した。

2005年9月からTVの仕事に復帰し、ドナルド・トランプ(後の第45代アメリカ合衆国大統領)の人気リアリティー番組アプレンティス』の姉妹番組の司会者にもなる。 しかし、視聴率は期待したより低く、1シーズン限りの放送となった。

トピック

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2005年、テレビ番組の企画で集めた自身と同姓同名164人という記録がギネス世界記録として認定されていた[2][3]

この記録は2022年に日本東京にて行われた、「一般社団法人 田中宏和の会」による「たなかひろかず」の集結(178人)で記録更新された[3][4]田中宏和運動を参照のこと。

主な著作

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  • 『マーサ・スチュワート・エンターティニング(Martha Stewart Entertaining)』、1982年。
  • 『マーサ・スチュワート・リビング』、1991年。
  • 『マーサ・スチュワートヘルシークイック・クック : 4つの季節のおいしいメニュー』、鈴木るみこ (訳)、フェリシモ、1999年。ISBN 4-89432-144-0
  • マーサ・スチュワート・リビング・オムニメディア株式会社『グッドシングズオーガナイジング』、森泉亮子 (訳)、フェリシモ、2003年。ISBN 4894323095
  • 『マーサの成功ルール』槙原凛 (訳)、東京 : トランスワールドジャパン、2006年。ISBN 4-925112-91-0。 別タイトル : The Martha rules。
  • 『MARTHA STEWART weddings JAPAN』2017SUMMER/FALL、東京 : ネコ・パブリッシング〈NEKO MOOK ; 2601〉、2017年6月。

脚注

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注釈

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  1. ^ 製薬会社が開発した癌の新薬の申請が却下されたことを創業者から事前に伝えられており、公表される前に同社の持ち株を売却。

出典

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  1. ^ バーンド・H・シュミット「マーサ・スチュワート・リビング」『経験価値マーケティング : 消費者が「何か」を感じるプラスαの魅力』嶋村和恵、広瀬盛一 (訳)、ダイヤモンド社、2000年11月、206-207頁。ISBN 4-478-50172-6 
  2. ^ 朝日新聞 2017年11月7日 29面
  3. ^ a b タナカヒロカズさん集結、同姓同名のギネス記録達成”. 産経新聞 (2022年10月29日). 2022年10月30日閲覧。
  4. ^ 東京新聞 2022年10月21日 夕刊7面

関連項目

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外部リンク

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