マンハッタ
『マンハッタ (Manhatta)』(1921年)は、画家チャールズ・シーラーと写真家ポール・ストランドが監督した、短編のドキュメンタリー映画。シュルレアリスム映画の流れに位置付けられる作品とされ[1]、実験映画とも[2]、アメリカ合衆国最初のアバンギャルド(前衛)映画ともいわれる[3]。
マンハッタ | |
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Manhatta | |
『マンハッタ』全編。 | |
監督 |
チャールズ・シーラー ポール・ストランド |
公開 | 1921年 |
上映時間 | 10分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 |
サイレント映画 英語 インタータイトル |
制作の背景
編集『マンハッタ』は、20世紀初頭のマンハッタンの姿を捉えたものである。都市を主題とし、65のショットから成るが、物語性は極めて希薄な構造をとっており、マンハッタンへ渡って来るフェリーの映像で始まり、スカイスクレイパーからの夕陽の眺めで終わる[3]。映画のおもな主題は、写真と映画の関係を探求することにあり、カメラの動きは最小限に抑えられ、ここのショットの中で起こる出来事も最小限に抑えられている。ひとつひとつのフレームには、この都市の風景が映し出されており、これが注意深く配置された抽象的構成を成している。
『マンハッタ』は、画家チャールズ・シーラーと写真家ポール・ストランドの共同作品である。インタータイトルには、ウォルト・ホイットマンの言葉の抜粋も盛り込まれている。
保存状態
編集1995年、この作品は、「文化的に意義深い (culturally significant)」とアメリカ議会図書館から認定され、アメリカ国立フィルム登録簿に登録され、2005年10月にはDVDセット『Unseen Cinema: Early American Avant Garde Film 1894-1941』に修復の上で収録された。この映画の完全な修復は、2009年1月に、アーキビストのブルース・ポズナー (Bruce Posner) と修復業者ローリー・デジタルによって完成した[4]。ボズナーは、4年近くの時間をかけて、この映画をオリジナルの輝かしい姿に復元した。ニューヨーク近代美術館とアンソロジー・フィルム・アーカイヴズが、この作品のための新たな音楽を、ニューヨークの作曲家ドナルド・ソーシン (Donald Sosin) に委嘱した[5]。
脚注
編集- ^ “シュルレアリスム映画研究会 第Ⅱ期:シュルレアリスム映画の歴史をたどる”. 第七詩社. 2017年1月19日閲覧。
- ^ 日本大百科全書(ニッポニカ)『実験映画』 - コトバンク
- ^ a b “Paul Strand, Charles Sheeler Manhatta 1921”. The Museum of Modern Art. 2017年1月19日閲覧。
- ^ “Filmography”. Lowry Digital. 2009年6月28日閲覧。
- ^ Willis, Holly (2009年1月19日). “Proud and Passionate City”. Blur + Sharpen. KCET Online / Community Television of Southern California. 2009年6月28日閲覧。
関連項目
編集- 実験映画
- en:Rien que les heures (1926)
- en:Berlin: Symphony of a Metropolis (1927)
- これがロシヤだ en:Man with a Movie Camera (1929)