マリウポリ市電ウクライナ語: Маріупольський трамвайロシア語: Мариупольский трамвай)は、ウクライナの都市・マリウポリに存在する路面電車。2022年のロシアの侵攻まではトロリーバスマリウポリ・トロリーバスウクライナ語版)や路線バスと共にマリウポリ市が所有する公益事業会社(КП)のマリウポリ路面電車・トロリーバス管理公社(ウクライナ語: Маріупольське трамвайно-тролейбусне управління)によって運営されていた[1][3]。2024年現在戦いのため公共交通機関が破壊され[4]、一つの系統だけが運転している[5]

マリウポリ市電
マリウポリ市電の主力車両・K-1(2007年撮影)
マリウポリ市電の主力車両・K-12007年撮影)
基本情報
ウクライナの旗ウクライナ
ドネツィク州の旗ドネツィク州
所在地 マリウポリ
種類 路面電車
路線網 12系統
開業 1933年[1]
運営者 マリウポリ路面電車・トロリーバス管理公社
(Мариупольское трамвайно-троллейбусное управление)[1]
車両基地 2箇所[1]
路線諸元
軌間 1,524 mm[2]
電化区間 全区間
路線図(2015年現在)
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概要

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1933年に開通した、ウクライナの都市・マリウポリ市内を走る路面電車。第二次世界大戦大祖国戦争)時にはナチス・ドイツの占領および撤退時の破壊に伴い長期にわたる運休を余儀なくされたが、戦後はマリウポリの発展に伴い路線網の拡張が1980年代まで続き、車両の増備も積極的に行われた。ソビエト連邦の崩壊以降はモータリーゼーションの進展により一部区間の廃止や車庫の閉鎖が実施されたが、後述の通り新型車両や中古車両の導入による近代化が継続して行われている[3]

2021年に、マリウポリ市電で設定されている系統は以下の通り。運賃は他の公共交通と共に7フリヴニャに設定されている[6]

系統番号 起点 終点 営業キロ 運行日
(時間帯)
備考
3 Областная больница Комбинат "Азовсталь" 5.77km 毎日 [7]
7 ул. Казанцева Стан 1700 11.37km 毎日 [8]
7c Обласна лікарня Стан 1700 25.95km 平日 2往復のみ運行[9][10]
7m Стан 1700 Стан 1700 18.29km 毎日 環状系統(左回り)
3往復のみ運行[11][12]
8 ул. Казанцева Областная больница 6.85km 毎日 [13]
9 Городской дворец культуры станция Западная 19.05km 毎日 [14]
10 Областная больница Энергоучасток 14.06km 毎日 [15]
10a Комбінат "Азовсталь" Трамвайне депо №3 24.49km 毎日 ラケット式環状系統(右回り)
夜間に1往復のみ運行[16][17]
11 Городской дворец культуры станция Западная 15.72km 毎日 ラケット式環状系統[18]
11a Трамвайне депо №3 Міський палац культури 20.71km 平日 ラケット式環状系統[19][20]
15 Городской дворец культуры Городской дворец культуры 8.69km 毎日 環状系統(右回り)[21]
16 ул. Полтавская ул. Полтавская 8.7km 毎日 環状系統(左回り)[22]

2022年3月2日に市内での戦闘による市電の交通が停止された。2024年現在戦いのため公共交通機関が破壊された状態にあり、約90%は修復不可能である[4]

2023年5月2日に一つの系統が再開された[5]

車両

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KTM-52019年に営業運転から撤退した(2007年撮影)

2021年現在、マリウポリ市電で営業運転に使用されている車両形式は以下の通り。2000年代はウクライナやロシアで製造された部分超低床電車が少量導入された一方、2010年代後半以降はチェコプラハ)やスロバキアコシツェ)、ラトビアリガ)から譲渡された車両の導入が積極的に行われており、長年に渡りマリウポリ市電で使用されていたKTM-52019年をもって営業運転を終了している[1][3][23][24][25]

2021年の時点で車庫は2箇所(第2車庫、第3車庫)が存在するが、第2車庫については2020年以降車両の修理を専門としており、営業用車両は一部を除いて第3車庫に配置されている[1][3]

形式 備考
タトラT3 タトラT3SU コシツェ市電からの譲渡車両
タトラT3SUCS プラハ市電、コシツェ市電からの譲渡車両
タトラT3A リガ市電からの譲渡車両
K-1 [26]
K-1M 部分超低床電車
LM-2008 部分超低床電車

第2車両基地は戦闘の結果破壊され、領土内に残っていた車両は解体された。

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d e f Коммунальное предприятие «Мариупольское трамвайно-троллейбусное управление»”. Маріуполь. 2021年4月14日閲覧。
  2. ^ MARIUPOL'”. UrbanRail.Net. 2021年4月14日閲覧。
  3. ^ a b c d Mariupol”. Urban Electric Transit. 2021年4月14日閲覧。
  4. ^ a b Останні новини України та Світу | Українські Національні Новини УНН” (ウクライナ語). unn.ua (2024年9月1日). 2024年9月1日閲覧。
  5. ^ a b Окупанти відновили рух трамваїв у Маріуполі | Пасажирський Транспорт”. Пассажирский Транспорт. 2024年9月1日閲覧。
  6. ^ Про внесення змін до рішення виконкому міської ради від 22.10.2018 №444 «Про затвердження коефіцієнта співвідношення та тарифів на проїзд та перевезення багажу у транспортних засобах комунального підприємства «Маріупольське трамвайно-тролейбусне управління»”. Маріуполь (2019年2月). 2021年4月14日閲覧。
  7. ^ Трамвай 3”. Easyway. 2021年4月14日閲覧。
  8. ^ Трамвай 7”. Easyway. 2021年4月14日閲覧。
  9. ^ Трамвай 7с”. Easyway. 2021年4月14日閲覧。
  10. ^ 7c Обласна лікарня - Стан 1700”. Маршрути. 2021年4月14日閲覧。
  11. ^ Трамвай 7м”. Easyway. 2021年4月14日閲覧。
  12. ^ 7m Стан 1700 - сел. Мирне (через просп. Нікопольський)”. Маршрути. 2021年4月14日閲覧。
  13. ^ Трамвай 8”. Easyway. 2021年4月14日閲覧。
  14. ^ Трамвай 9”. Easyway. 2021年4月14日閲覧。
  15. ^ Трамвай 10”. Easyway. 2021年4月14日閲覧。
  16. ^ Трамвай 10a”. Easyway. 2021年4月14日閲覧。
  17. ^ 10ак-т "Азовсталь - сел. Мирне (через просп. Металургів)”. Маршрути. 2021年4月14日閲覧。
  18. ^ Трамвай 11”. Easyway. 2021年4月14日閲覧。
  19. ^ Трамвай 11a”. Easyway. 2021年4月14日閲覧。
  20. ^ 11a Трамвайне депо №3 - сел. Мирне - Лівобережний район (через вул. Пашковського - вул. Гугеля)”. Маршрути. 2021年4月14日閲覧。
  21. ^ Трамвай 15”. Easyway. 2021年4月14日閲覧。
  22. ^ Трамвай 16”. Easyway. 2021年4月14日閲覧。
  23. ^ Vehicle Statistics Mariupol, Ordzhonikidze tram depot (# 2)”. Urban Electric Transit. 2021年4月14日閲覧。
  24. ^ Vehicle Statistics Mariupol, Illichivsk tram depot (# 3)”. Urban Electric Transit. 2021年4月14日閲覧。
  25. ^ В Мариуполе вывели из эксплуатации трамваи КТМ-5”. Пассажирский Транспорт (2019年6月11日). 2021年4月14日閲覧。
  26. ^ КП «Мариупольское трамвайно-троллейбусное управление»”. Tatra-Yug (2015年8月2日). 2021年4月14日閲覧。