「マスカレード」シリーズ > マスカレード・ナイト

マスカレード・ナイト』は、東野圭吾の長編ミステリ小説。「マスカレード」シリーズの第3作目。

マスカレード・ナイト
著者 東野圭吾
発行日 2017年9月20日
発行元 集英社
ジャンル ミステリ推理小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判
ページ数 457
前作 マスカレード・イブ
次作 マスカレード・ゲーム
公式サイト books.shueisha.co.jp
コード ISBN 978-4-08-775438-4
ISBN 978-4-08-744152-9文庫判
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2017年9月20日集英社より単行本が発刊された[1]。タイトルの「マスカレード」が英語で仮面舞踏会を意味することであることから、表紙にはアイマスクが描かれている。

2020年9月18日には集英社文庫版が発売された。

2021年9月17日に映画版が公開された[2]

あらすじ

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練馬ワンルームマンションで独り暮らしの若い女性が殺害され、警視庁に事件についての匿名の密告状が届いた。殺人事件の犯人が、ホテル・コルテシア東京に現れ、年越しのカウントダウン・パーティに参加するというのだ。かつて同ホテルで潜入捜査をした新田浩介は、再びホテルマンに扮し、犯人逮捕に挑むことになる。

大晦日のホテル・コルテシア東京では、カウントダウン・仮装パーティ「マスカレード・ナイト」に参加する客たちが、早い時間から仮面と衣装を付けて行き交っていた。今はコンシェルジュを任され、客の様々な要望に対応する山岸尚美は、ホテルマンとして「お客様に対し、決して“無理だ”と言わない」ことを誇りとし、機転を利かせてサービスに徹していた。

尚美は新田と再会し、彼が宿泊客を犯罪者扱いすることに反発する。新田と共にホテルに潜入した刑事たちは、スタッフや客に扮して捜査を開始した。宿泊名簿によって客の身元をチェックすると、偽名を使っていると思しき客が浮上した。それは尚美やフロントのスタッフに次々とわがままな要求を突き付ける日下部という男だった。仲根夫妻として宿泊した緑も、クレジットカードの姓は牧村であり、誰も彼女の夫の姿を見ていない。

常連客で、貝塚由里との不倫のためにホテルを利用する曽野は、今日は妻子を連れて宿泊していたが、殺人現場のマンション近くに住み、最近、超望遠レンズのカメラを購入したことが判明した。曽野は、窓越しに殺人を覗き見し、密告状を送った人物としてマークされる。

仲根夫妻を名乗った緑は、婚約者が病死し、彼を忘れるために想い出のホテルに来たと新田や尚美に打ち明けた。密告者だと疑われた曽野もマスカレード・ナイトに出席する様子はなかった。刑事たちは、他にも不審な行動を繰り返す客に振り回される。その間に由里を怪しんだ尚美は単独で後を追い、犯人に襲われて意識を失う。

犯人も密告者も特定できないまま、深夜のマスカレード・ナイトが始まった。能勢は、カメラで殺人を覗き見したのが曽野の中学生の息子であり、息子が母親である曽野万智子に相談した事に気づく。万智子を取り調べた能勢たちは、犯人が被害女性の恋人である“森沢光留(ひかる)”だと知る。万智子は友人である貝塚由里に事件について話し、由里が森沢光留に金を要求して、ホテルで会うことになっていたのだ。

男装してマスカレード・ナイトに出席する緑の振る舞いを見た新田は、彼女こそが普段は男性として暮らす森沢光留なのだと見抜く。光留(緑)は、新田に正体を暴かれるが、深夜0時に由里と尚美はタイマー装置により感電死すると笑う。新田は救助に走ったが、年明けのカウントダウンは終ってしまう。

由里と尚美は危うく命拾いし、光留(緑)は逮捕され、捜査班は年が明けた元旦のホテルから撤収した。尚美は、ホテル・コルテシア・ロスアンジェルスへの出向を命じられる。尚美やフロントに無理難題を連発していた日下部は、実は、優秀な東京のホテルマンをロスで研修させるために派遣されたスタッフであり、尚美が選ばれたのだ。

新田は、尚美がロスに発つ日にホテルまで見送りに来る。いずれ日本に帰った日にホテルで新田と食事をする約束をして、尚美は旅立つ。

登場人物

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警視庁

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新田浩介(にった こうすけ)
主人公で捜査一課の警部補。フロントスタッフとして潜入する。
稲垣(いながき)
捜査一課係長。新田の上司。
尾崎(おざき)
捜査一課管理官。潜入計画の立案・責任者。
本宮(もとみや)
捜査一課。新田の先輩。客を装ってホテルの監視に当たる。
関根(せきね)
捜査一課。巡査。ベルボーイとして潜入する。
能勢(のせ)
品川警察署の刑事。一見愚鈍だが、バディを組んだ刑事は皆一目置いている。

ホテル・コルテシア東京のスタッフ

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山岸尚美(やまぎし なおみ)
主人公でコンシェルジュ。
氏原祐作(うじはら ゆうさく)
40歳代のフロントオフィス・アシスタント・マネージャー。約3年前にコルテシア横浜から異動してきた。
山岸に変わって、新田を補佐する役を担ったが、生真面目な性格で、新田にフロント業務をしないように指示する。
藤木(ふじき)
総支配人。尚美の初上京時の副支配人。尚美にホテル就職を決意させた温厚な人物。
田倉(たくら)
宿泊部長。尚美の直接の上司。
久我(くが)
フロントオフィス・マネージャー。
川本(かわもと)
若手のフロントクラーク。
杉下(すぎした)
ベルキャプテン。
町田(まちだ)
入社1年目のベルボーイ。
仁科理恵(にしな りえ)
宴会部ブライダル課。

ホテル・コルテシア東京の客

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秋山久美子(あきやま くみこ)
チェックインした部屋が気に入らないと山岸に難題を突き付ける。
日下部篤哉(くさかべ とくや)
ロイヤルスィートに4泊する予定の中肉中背の中年男性。
狩野妙子にプロポーズを断られた翌日に、仲根緑に一目惚れする。
狩野妙子(かのう たえこ)
30歳前後の女性。特別支援学校の教師。日下部からディナーの誘いを受ける。
仲根緑(なかね みどり)
仲根伸一郎(なかね しんいちろう)と共に、コーナー・スィートに3泊する予定。
だが結婚はしておらずクレジットカードの名義は牧村緑(まきむら みどり)。
浦辺幹夫(うらべ みきお)
本名・内山幹夫(うちやま みきお)。40歳代の男性。
ゴルフのキャディーバッグ持参で、スタンダード・ツインに2泊の予定。
曽野昌明(その まさあき)
50歳くらい。デラックス・ツインに家族3人で宿泊予約。
曽野万智子(その まちこ)
曽野昌明の妻。夫と息子・英太(えいた)と共に家族3人で宿泊する。
貝塚由里(かいづか ゆり)
デラックス・ダブルに2名で1泊予定。曽野昌明の不倫相手。

被害者

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和泉春菜(いずみ はるな)
マンションで殺害された被害者。28歳。職業はトリマー。
室瀬亜実(むろせ あみ)
3年半前の殺人事件の被害者。自宅マンションの風呂場で感電死。
税理士事務所勤務で、絵本作家志望。

映画

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マスカレード・ナイト
MASQUERADE NIGHT
監督 鈴木雅之
脚本 岡田道尚
原作 東野圭吾
製作 若松央樹
和田倉和利
日高峻
製作総指揮 臼井裕詞
出演者 木村拓哉
長澤まさみ
小日向文世
梶原善
泉澤祐希
東根作寿英
石川恋
中村アン
田中みな実
石黒賢
沢村一樹
勝村政信
木村佳乃
凰稀かなめ
麻生久美子
高岡早紀
博多華丸
鶴見辰吾
篠井英介
石橋凌
渡部篤郎
音楽 佐藤直紀
撮影 江原祥二J.S.C.
編集 田口拓也
田村宗大
制作会社 シネバザール
製作会社 映画「マスカレード・ナイト」製作委員会
配給 東宝
公開   2021年9月17日
上映時間 129分
製作国   日本
言語 日本語
興行収入 38.1億円[3]
前作 マスカレード・ホテル
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2021年9月17日公開。監督の鈴木雅之や主演の木村拓哉といった一部キャスト・スタッフが前作『マスカレード・ホテル』から続投する。

キャスト

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スタッフ

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関連商品

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DVD、Blu-ray

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  • マスカレード・ナイト 通常版(2022年3月16日発売)
  • マスカレード・ナイト 豪華版(2022年3月16日発売)

脚注

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  1. ^ 初版奥付の記載による。
  2. ^ "木村拓哉と長澤まさみが映画「マスカレード・ナイト」で再びタッグ…「マスカレード・ホテル」続編、水と油コンビが再会心待ち". スポーツ報知. 報知新聞社. 18 November 2020. 2020年11月18日閲覧
  3. ^ 2022年記者発表資料(2021年度統計)”. 日本映画製作者連盟. 2022年1月26日閲覧。

外部リンク

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