マシュー・ヴォーン
マシュー・ヴォーン(出生名:マシュー・アラード・ロバート・ヴォーン、英: Matthew Allard Robert Vaughn、1971年3月7日 - )は、イングランドの映画プロデューサー、映画監督、脚本家[1]。現在の本名はマシュー・アラード・デ・ヴィア・ドラモンド(英: Matthew Allard de Vere Drummond)[2]。妻は2002年に結婚したクラウディア・シファー[3]。プロデュース作品としては1998年の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』、2000年の『スナッチ』など初期のガイ・リッチー監督作品が知られ、また自身の監督作品としては、『レイヤー・ケーキ』(2004年)、『スターダスト』(2007年)、『キック・アス』(2010年)、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年)、『キングスマン』(2014年)などが挙げられる。
マシュー・ヴォーン Matthew Vaughn | |||||||||||
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妻のクラウディア・シファーと、『キック・アス』のヨーロッパ・プレミアにて | |||||||||||
本名 |
マシュー・アラード・ロバート・ヴォーン(出生名、英: Matthew Allard Robert Vaughn) →マシュー・デ・ヴィア・ドラモンド(現在、英: Matthew De Vere Drummond) | ||||||||||
生年月日 | 1971年3月7日(53歳) | ||||||||||
出生地 | イングランド・ロンドン | ||||||||||
国籍 | イギリス | ||||||||||
職業 | 映画プロデューサー、映画監督、脚本家 | ||||||||||
活動期間 | 1996年 - | ||||||||||
配偶者 | クラウディア・シファー(2002年 - ) | ||||||||||
主な作品 | |||||||||||
監督 『キック・アス』 『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』 『キングスマン』シリーズ 『ARGYLLE/アーガイル』 製作・製作総指揮 『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』 『スナッチ』 『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』 『ロケットマン』 | |||||||||||
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幼少期
編集ヴォーンはロンドンで生まれ、当初はこの頃母ケイシー・シートン(英: Kathy Ceaton、2013年7月20日没)が交際していたアメリカ人俳優、ロバート・ヴォーンとの間に生まれたと考えられていた[4]。その後父方のDNA検査を行ったことで[5]、実際の父親はジョージ6世を名付け親に持ち、初代セント・オールバンズ公チャールズ・ボークラークの末裔であるイングランド貴族のジョージ・アルバート・ハーリー・デ・ヴィア・ドラモンド(英: George Albert Harley de Vere Drummond)であることが分かった[6][4]。幼い頃はヴォーンが実際の父親だと信じていたため、彼は「ヴォーン」姓を使っていたが、現在では職業上の名前としてのみ用い、本名は「デ・ヴィア・ドラモンド」姓になっている[4]。
ヴォーンはバッキンガムシャーのストウ・スクールに通った[7]。卒業後は1年間のギャップ・イヤーを取り、ハードロックカフェを回る世界旅行に出た。ハードロックカフェの共同創業者であるピーター・モートンはヴォーンの名付け親でもあった[8][9]。ロサンゼルスに着いた後、彼は助監督として働き始めた[10]。その後ロンドンに戻ってユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンに入り、人類学と古代史を学んだが、数週間で中退した[7]。
キャリア
編集25歳になったヴォーンは、アナベラ・シオラとマイケル・ガンボンが出演した低予算スリラー映画『謀殺』の制作を担当する[11]。その後は、親友ガイ・リッチーの監督映画『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』で制作を務め、批評・興行・採算面で成功を収めたこの作品で、リッチー共々900万ポンドを得たと報じられている[10][12]。その後もリッチーとは『スナッチ』(2000年)、『スウェプト・アウェイ』(2002年)でペアを組んだ。
リッチーの代役として、ダニエル・クレイグ主演の『レイヤー・ケーキ』(2004年)で監督デビュー[13][14][15]。映画は好評を得て、ヴォーンには急遽降板したブライアン・シンガーに代わって『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(2006年)の監督に抜擢されるが、納期に間に合わないとして撮影開始の2週間前に降板した(但し、後の『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』はそれよりも期間が短かった)[3]。ヴォーンの後任としてブレット・ラトナーが監督を務めたが、彼は完成した映画について非常に批判的だった[16][17]。次の作品は2007年の『スターダスト』で、脚本の共筆と監督を担当した。2010年にはマーク・ミラーのコミック『キック・アス』の映画化で監督・脚本・制作を務め[18]、この続編である『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』(2013年)では制作を務めた[19]。また、『X-MEN』シリーズ旧3部作の前日譚『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年)では、監督と共同脚本を担当した[20][21]。ヴォーンは続編の『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年)の分も契約を行っていたが、オリジナル3部作の2作を監督したシンガーが復帰することになり、破談となった。ヴォーンは脚本の原案という形でクレジットされた[22]。
ヴォーンの次の監督作品は2015年に公開された『キングスマン』で、この作品ではマーク・ミラーとデイヴ・ギボンズによるコミック『ザ・シークレット・サービス』を翻案したものである。映画の脚本はヴォーンとジェーン・ゴールドマンが手掛け、プロデュースはヴォーン自身の制作会社であるMarvフィルムズが手掛けた[23][24][25][26][27][28]。2017年9月に封切られた『キングスマン:ゴールデン・サークル』でも、ヴォーンは監督・制作・共同脚本を務めた。2021年には2作の前日譚にあたる『キングスマン:ファースト・エージェント』を発表し、同作でも監督を務めた[29]。
2017年3月、Collider.comで、ヴォーンが『マン・オブ・スティール』第2作 (en) の監督として最有力だと報じた[30]。同年9月にはスタジオと次作の監督について交渉中であることを認めた[31]。
私生活
編集2002年5月25日、ヴォーンはドイツのスーパーモデルであるクラウディア・シファーとサフォークで結婚した[32][33]。夫妻の間には2003年1月30日に生まれた息子のキャスパー・マシュー・デ・ヴィア (Caspar Matthew de Vere) 、2004年11月11日に生まれた娘のクレメンタイン・ポピー (Clementine Poppy) 、2010年5月14日に生まれた娘のコジマ・ヴァイオレット (Cosima Violet) と3人の子どもがいる[34][35]。夫妻はノッティング・ヒルに家を構えており[36]、またサフォーク・スタニングフィールドのコールドハム・ホールを所有している[37]。自宅の警備に元グルカ兵を雇っていることを明かしている[38][39][40]。
フィルモグラフィ
編集映画
編集年 | 題名 | 備考 |
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1998 | ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ Lock, Stock and Two Smoking Barrels |
製作 |
2000 | スナッチ Snatch | |
2001 | ミーン・マシーン Mean Machine |
製作総指揮 |
2002 | スウェプト・アウェイ Swept Away |
製作 |
2004 | レイヤー・ケーキ Layer Cake |
監督・製作 |
2007 | スターダスト Stardust |
監督・脚本・製作 |
2009 | 狼たちの処刑台 Harry Brown |
製作 |
2010 | ペイド・バック The Debt |
製作・脚本 |
キック・アス Kick-Ass |
監督・脚本・製作 | |
2011 | X-MEN:ファースト・ジェネレーション X-Men: First Class |
監督・脚本 |
2013 | キック・アス/ジャスティス・フォーエバー Kick-Ass 2 |
製作 |
2014 | X-MEN: フューチャー&パスト X-Men: Days of Future Past |
製作・原案 |
2015 | キングスマン Kingsman: The Secret Service |
監督・脚本・製作 |
ファンタスティック・フォー Fantastic Four |
製作 | |
2016 | イーグル・ジャンプ Eddie the Eagle | |
2017 | キングスマン:ゴールデン・サークル Kingsman: The Golden Circle |
監督・脚本・製作 |
2019 | ロケットマン Rocketman |
製作 |
2021 | キングスマン:ファースト・エージェント The King's Man |
監督・製作 |
サイレント・ナイト Silent Night |
製作 | |
2023 | テトリス Tetris | |
2024 | ARGYLLE/アーガイル Argylle |
監督・製作 |
TBA | Stuntnuts: The Movie |
製作 |
Stuntnuts Does School Fight | ||
Stuntnuts Does Shiver | ||
Stuntnuts Does 4 |
脚注
編集- ^ “Vaughn hits out at fame obsession”. 2018年1月8日閲覧。
- ^ “MATTHEW ALLARD DE VERE DRUMMOND - LONDON”. 2018年1月8日閲覧。
- ^ a b “Director quits X-Men 3 for family”. BBCニュース. 英国放送協会 (2005年6月1日). 2018年1月8日閲覧。
- ^ a b c Norman, Neil (3 October 2004). “Matthew Vaughn: The director's cut”. インデペンデント. 2018年1月8日閲覧。
- ^ Hockney, Karen (April 25, 2002). “Vaughn's truth about son Matthew”. Standard.co.uk
- ^ “CLAUDIA GETS A 'C' ON HER LABOR DAY”. ニューヨーク・デイリーニューズ. 2018年1月8日閲覧。
- ^ a b BLAKE, VERONICA (1999年6月19日). “How we met: Guy Ritchie & Matthew Vaughn”. インデペンデント. 2018年1月8日閲覧。
- ^ “HARD ROCK SERVES UP THE “POPPY BURGER” INSPIRED BY MOTION PICTURE RELEASE OF “KINGSMAN: THE GOLDEN CIRCLE””. ハードロックカフェ. 2018年1月8日閲覧。
- ^ Ritman, Alex (2017年9月8日). “Matthew Vaughn Opens First 'Kingsman' Shop in London”. ハリウッド・レポーター. 2018年1月8日閲覧。
- ^ a b Hiscock, John (2007年10月5日). “Matthew Vaughn: The Brit who's making the stars shine”. デイリー・テレグラフ. 2018年1月8日閲覧。
- ^ “Movies – Interviews: Matthew Vaughn”. 英国放送協会 (2004年9月17日). 2018年1月8日閲覧。
- ^ “Film producer gives credit to the Tories”. デイリー・テレグラフ (2001年5月22日). 2018年1月8日閲覧。
- ^ Dawtrey, Adam (2003年6月15日). “Vaughn takes ‘Cake,’ Ritchie fires ‘Revolver’”. Variety. 2018年1月8日閲覧。
- ^ Felperin, Leslie (2004年9月28日). “Layer Cake”. Variety. 2018年1月8日閲覧。
- ^ Schager, Nick (2005年4月20日). “Layer Cake”. スラント・マガジン. 2018年1月8日閲覧。
- ^ Jagernauth, Kevin (2011年6月6日). “Brett Ratner Quietly Fights Back On Twitter After Matthew Vaughn Trashes ‘X-Men: The Last Stand’”. インディワイア. 2018年1月8日閲覧。
- ^ Tyler, Josh. “Matthew Vaughn Hates X-Men 3 Too”. cinemablend.com. 2018年1月8日閲覧。
- ^ キック・アス - シネマトゥデイ - 2018年1月8日閲覧。
- ^ キック・アス/ジャスティス・フォーエバー - シネマトゥデイ - 2018年1月8日閲覧。
- ^ Fleming, Mike (4 May 2010). “Fox Signs Vaughn To Direct 'X-Men: First Class'”. Deadline.com 9 July 2010閲覧。
- ^ X-MEN:ファースト・ジェネレーション - シネマトゥデイ - 2018年1月8日閲覧。
- ^ Child, Ben (31 January 2012). “Matthew Vaughn to direct sequel to X-Men: First Class”. The Guardian (London)
- ^ Fleming, Mike, Jr. (27 March 2013). “Update: Fox Wins Rights To Matthew Vaughn’s Next Pic ‘The Secret Service', Sets November 2014 Release Date”. Deadline.com. 11 August 2013閲覧。
- ^ “Matthew Vaughn Eyes Newcomer Taron Egerton for ‘Secret Service’ (EXCLUSIVE)”. Variety.com (2013年7月25日). 2015年1月21日閲覧。
- ^ “Who Will Team Up With Colin Firth in Matthew Vaughn's 'Secret Service'?”. Variety.com (2013年6月27日). 2015年1月21日閲覧。
- ^ “Samuel L. Jackson to Play Villain in Matthew Vaughn’s ‘Secret Service’ (EXCLUSIVE)”. Variety.com. 21 January 2015閲覧。
- ^ “Sophie Cookson Lands Female Lead in Matthew Vaughn's 'Secret Service' (EXCLUSIVE)”. Variety.com. 21 January 2015閲覧。
- ^ Fleming, Mike. “Matthew Vaughn's ‘The Secret Service’ Gets A Femme Fatale In Sofia Boutella”. Deadline.com. 21 January 2015閲覧。
- ^ Pereira, Karen (2022年1月14日). “'The King's Man' director Matthew Vaughn confirms Colin Firth and Taron Egerton's return in 'Kingsman: The Blue Blood' - EXCLUSIVE!”. ETimes.in. 2022年5月10日閲覧。
- ^ Chitwood, Adam (March 13, 2017). “Warner Bros. Eyeing Matthew Vaughn to Direct Man of Steel 2”. Collider.com. October 9, 2017閲覧。
- ^ Lyus, Jon (September 15, 2017). “Matthew Vaughn Confirms Talks For The Next Superman Film”. HeyUGuys. October 9, 2017閲覧。
- ^ Moore, Lucy (2016年5月25日). “Celebrity Wedding Anniversary: Claudia Schiffer and Matthew Vaughn 25/5/2002”. femalefirst.co.uk. 2018年1月8日閲覧。
- ^ Wigham, Helen (2011年5月13日). “Vogue Daily - May 13 / Claudia Schiffer bought Coldham Hall for £5 million for wedding and home”. British Vogue. Vogue. 2018年1月8日閲覧。
- ^ Michaud, Sarah (2010年1月15日). “Claudia Schiffer Expecting Third Child”. People. 2018年1月8日閲覧。
- ^ “Claudia Schiffer names new baby daughter”. Hello!. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。[リンク切れ]
- ^ “Jonathan Ross' wife Jane Goldman lets it all hang out as she leads revellers at Kick-Ass premiere party”. Daily Mail (London). (24 March 2010) 21 January 2015閲覧。
- ^ “Celebrity couple's love for Suffolk”. East Anglian Daily Times. 17 March 2011閲覧。
- ^ “Gurkha-Kämpfer zum Schutz vor Stalkern”. gala.de. 2018年1月8日閲覧。
- ^ “Claudia Schiffer wird von Elite-Soldaten bewacht”. ゾースター・アンツァイガー (2010年3月24日). 2018年1月8日閲覧。
- ^ Sapsted, David (2006年9月8日). “Schiffer's huge dogs 'are terrifying our village'”. デイリー・テレグラフ. 2018年1月8日閲覧。