マコッサ(Makossa)とは、カメルーンの都市部でよく知られている音楽のジャンルである。ドゥアラ語で、マコッサは「踊る」という意味だ。なお、マコッサからは、後にマカッシ(Makassi)が派生した。

概要

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マコッサは、ダンス用音楽のジャンルの1つであるスークースに似た音楽だ。ベースによるリズム体がしっかりと入っていることと、金管楽器などの吹奏楽器が目立つことが特徴である。また、ジャズアンバスベイ、ラテンアメリカ系の音楽、ハイライフ、スークースから強い影響を受けている。

歴史

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発祥

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マコッサは、カメルーンのドゥアラ人によるダンスの1つである、「kossa(コッサ)」と呼ばれるダンスに、ジャズアンバスベイ、ラテンアメリカ系の音楽、ハイライフ、Soukousの影響が加わったことで発祥した。

一説によれば、マコッサは1950年代に現れたとも言われるが、録音資料は1960年代に入ってからのものしか見つかっていない。よって、マコッサが存在したと確認できるのは、1960年代である。この頃のマコッサの演奏者としては、Eboa Lotin [注釈 1] やMisse Ngohが知られる。また、Manu Dibangoは、1960年代終盤にカメルーン国外へもマコッサを普及させていったことで知られる。

変質

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マコッサの変質に大きな影響を与えたのは、サックスビブラフォンの奏者であるManu Dibangoだ。彼は、1972年に「Soul Makossa」を発表し、これがマコッサを世界中に知らしめる役割を果たした。

マコッサは、1980年代にアフリカ中での成功を収めた。そしてその結果、マコッサは、ズークのようなラテンアメリカ系の音楽の影響や、その他の大衆音楽の影響を受けて、形態を変えていった。こうして現れたのが、マカッシ(Makassi)である。マコッサを古典的な(クラシックな)音楽とするならば、さしずめマカッシは軽音楽と言ったところだ。

なお、世界中に知られることとなったマコッサは、カメルーン人以外の音楽に関わる人物へも影響を与え、今日に至っている。

脚注

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注釈

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  1. ^ Eboa Lotinは、アンバスベイをベースとして、初期のマコッサのスタイルを作った人物として知られる。

参考文献

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  • West, Ben (2004). Cameroon: The Brandt Travel Guide. Guilford, Connecticut: The Globe Pequot Press Inc.