マイケル・ローレンゼン

アメリカの野球選手 (1992 - )

マイケル・クリフトン・ローレンゼンMichael Clifton Lorenzen, 英語発音: [ˈmaɪkəl ˈklɪftən ˈlɔrɪnzən][1]; 1992年1月4日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州アナハイム出身のプロ野球選手投手外野手)。右投右打。MLBカンザスシティ・ロイヤルズ所属。愛称はゼン・マスター[2]

マイケル・ローレンゼン
Michael Lorenzen
カンザスシティ・ロイヤルズ #24
シンシナティ・レッズ時代
(2018年8月4日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 カリフォルニア州アナハイム
生年月日 (1992-01-04) 1992年1月4日(32歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
215 lb =約97.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手外野手
プロ入り 2013年 MLBドラフト1巡目追補
初出場 2015年4月29日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴

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プロ入り前

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2010年MLBドラフト7巡目(全体221位)でタンパベイ・レイズから指名されたが、契約せずにカリフォルニア州立大学フラトン校へ進学した。

プロ入りとレッズ時代

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2013年MLBドラフト1巡目追補(全体38位)でシンシナティ・レッズから指名され、プロ入り。契約後、傘下のルーキー級アリゾナリーグ・レッズでプロデビュー。A級デイトン・ドラゴンズ、A+級ベーカーズフィールド・ブレイズ英語版、AA級ペンサコーラ・ブルーワフーズでもプレーし、この年は4球団合計で22試合(先発1試合)に登板して1勝1敗4セーブ、防御率3.00、19奪三振を記録した。

2014年はAA級ペンサコーラでプレーし、24試合に先発登板して4勝6敗、防御率3.13、84奪三振を記録した。

2015年は開幕をAAA級ルイビル・バッツで迎えた後、4月29日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした。同日のミルウォーキー・ブルワーズ戦で先発し、メジャー初登板は5回3失点(全てソロ本塁打)で敗戦投手となった[3]。この年メジャーでは27試合(先発21試合)に登板して4勝9敗、防御率5.40、83奪三振を記録した。

2016年は肘痛で開幕から故障者リストで過ごし、6月22日に復帰した。8月16日には父親の死去のため忌引リスト入りし、19日に復帰した[4]。同日の復帰初戦となったロサンゼルス・ドジャース戦では5点リードの7回表一死一・二塁から登板し、1.2回を無失点に抑えた。さらにその裏、打席が回るとメジャー初本塁打を放った。ダグアウトに戻った後も、本拠地グレート・アメリカン・ボール・パークに集まった28184人のファンからのカーテンコールは鳴りやまず、チームメイトに背中を押されるようにして、目に涙を浮かべながら歓声に応えた[5]。この年は35試合に登板して2勝1敗、防御率2.88、48奪三振を記録した。

2017年は自己最多の70試合に登板し、8勝4敗2セーブ18ホールド、防御率4.45だった。打撃では打率.167、1本塁打、1打点だった。

2018年は45試合に登板し、4勝2敗1セーブ8ホールドを記録した。この年は右翼手も1試合だけ守った。

2019年スプリングトレーニングでは打撃を生かすために投手の他に中堅手にも就いている[6]。同年9月4日のフィラデルフィア・フィリーズ戦では5-4で迎えた7回表から3番手で登板し同点に追い付かれたものの2回1失点、7回裏にチームが勝ち越すと、8回は打者として左中間に2点本塁打、さらに9回は中堅を守り"三刀流"を達成した。1921年6月13日のベーブ・ルース以来98年ぶり2人目の「同じ試合で勝利投手、本塁打、野手で守備」を記録した[7]

2020年からは投手に専念し、打者としてはわずか1打席の出場に終わった。

2021年オフの11月3日にFAとなった[8]

エンゼルス時代

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2021年11月30日にロサンゼルス・エンゼルスと700万ドルの1年契約を結んだ[9]

2022年は開幕ロースター入りを果たし、この年より先発に復帰した。4月10日の本拠地でのマイアミ・マーリンズ戦でエンゼルス移籍後初先発登板を果たし、エンゼルス移籍後初勝利も記録した[10]。 オフの11月6日にFAとなった[11]

タイガース時代

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2022年12月20日にデトロイト・タイガースと850万ドルの1年契約を結んだ[12]。オプションとして最大150万ドルの出来高が含まれる[13]

2023年7月2日、MLB選出でオールスターゲームに初選出された[14]。試合では7回表の一死から登板し、安打と四球で走者を出したが、最後は三振を奪って無失点で切り抜けた[15]

フィリーズ時代

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2023年8月1日に李灝宇とのトレードで、フィラデルフィア・フィリーズに移籍した[16]。9日の本拠地シチズンズ・バンク・パークでは初登板となったワシントン・ナショナルズ戦で2015年7月25日のコール・ハメルズ以来、本拠地では2010年10月6日のロイ・ハラデイ以来となる球団史上14人目となるノーヒットノーランを達成した[17]。オフの11月3日にFAとなった[18]

レンジャーズ時代

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2024年3月22日にテキサス・レンジャーズと1年450万ドルプラス出来高250万ドルで1年契約を結んだ[19]。レンジャーズでは18試合に先発登板し、5勝6敗で防御率3.81という成績であった。

ロイヤルズ時代

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2024年7月29日にウォルター・ペニントンとのトレードでカンザスシティ・ロイヤルズへ移籍した[20]

選手としての特徴

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投球

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救援投手として、最速99.3mph(約160km/h)・平均96mph(約154km/h)のフォーシームツーシーム、平均93mph(約150km/h)のカッターといった3種類の速球を中心に使用し、その他に平均86mph(約138km/h)のスライダー、平均82mph(約132km/h)のカーブ、稀に平均88mph(約142km/h)のチェンジアップも投げる[21][22]。2016年スターターからリリーバーに転向し、平均球速が約2mph上昇した。

打撃

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大学では外野手も兼任しており[23]、メジャーでも2015年には36打数9安打で打率.250、4打点、2016年はメジャー初本塁打、2018年は打率.290、4本塁打、10打点、OPS1.043、本塁打の内1本が代打満塁本塁打を放つ活躍を見せている。

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2015 CIN 27 21 0 0 0 4 9 0 1 .308 515 113.1 131 18 57 6 6 83 4 0 70 68 5.40 1.66
2016 35 0 0 0 0 2 1 0 10 .667 202 50.0 41 5 13 0 6 48 2 2 16 16 2.88 1.08
2017 70 0 0 0 0 8 4 2 18 .667 361 83.0 78 9 34 5 4 80 12 1 43 41 4.45 1.35
2018 45 3 0 0 0 4 2 1 8 .667 344 81.0 78 6 34 2 3 54 2 0 32 28 3.11 1.38
2019 73 0 0 0 0 1 4 7 21 .200 343 83.1 68 9 28 1 2 85 2 0 29 27 2.92 1.15
2020 18 2 0 0 0 3 1 0 2 .750 147 33.2 30 3 17 1 1 35 2 1 17 16 4.28 1.40
2021 27 0 0 0 0 1 2 4 11 .333 125 29.0 26 2 14 0 1 21 5 0 18 18 5.59 1.38
2022 LAA 18 18 0 0 0 8 6 0 0 .571 411 97.2 81 11 44 0 4 85 3 0 48 46 4.24 1.28
2023 DET 18 18 0 0 0 5 7 0 0 .417 418 105.2 89 11 27 0 2 83 4 1 44 42 3.58 1.10
PHI 11 7 1 1 0 4 2 1 0 .667 206 47.1 49 9 20 0 0 28 0 0 32 29 5.51 1.46
'23計 29 25 1 1 0 9 9 1 0 .500 624 153.0 138 20 47 0 2 111 4 1 76 71 4.18 1.21
2024 TEX 19 18 0 0 0 5 6 0 0 .455 419 101.2 82 15 48 0 5 75 3 0 43 43 3.81 1.28
KC 7 6 0 0 0 2 0 0 0 1.000 117 28.2 19 2 12 0 1 22 0 0 6 5 1.57 1.08
'24計 26 24 0 0 0 7 6 0 0 .538 536 130.1 101 17 60 0 6 97 3 0 49 48 3.31 1.24
MLB:10年 368 93 1 1 0 47 44 15 71 .516 3608 854.1 772 100 348 15 35 699 39 5 398 379 3.99 1.31
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別打撃成績

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O
P
S
2015 CIN 30 41 36 4 9 0 1 0 11 4 0 0 4 0 0 0 1 13 0 .250 .270 .306 .576
2016 35 5 5 1 1 0 0 1 4 3 0 0 0 0 0 0 0 2 0 .200 .200 .800 1.000
2017 70 12 12 1 2 0 0 1 5 1 0 0 0 0 0 0 0 5 0 .167 .167 .417 .583
2018 54 34 31 5 9 1 0 4 22 10 0 0 1 0 2 0 0 9 4 .290 .333 .710 1.043
2019 100 53 48 6 10 2 0 1 15 6 5 2 0 0 5 0 0 17 1 .208 .283 .313 .596
2020 6 1 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 ---- 1.000 ---- 1.000
2021 26 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
MLB:7年 321 147 133 20 31 3 1 7 57 24 5 2 5 0 7 0 2 47 5 .233 .282 .429 .711
  • 2024年度シーズン終了時

年度別守備成績

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投手守備


投手(P)












2015 CIN 27 13 11 0 3 1.000
2016 35 10 5 1 0 .938
2017 70 13 8 0 2 1.000
2018 45 8 12 1 1 .952
2019 73 11 12 1 0 .958
2020 18 3 4 0 0 1.000
2021 27 4 5 0 1 1.000
2022 LAA 18 8 9 1 1 .944
2023 DET 18 11 5 0 1 1.000
PHI 11 3 3 2 0 .750
'23計 29 14 8 2 1 .917
2024 TEX 19 7 11 0 3 1.000
KC 7 1 1 2 1 .500
'24計 26 8 12 2 4 .909
MLB 368 92 86 8 13 .957
外野守備


左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)




































2018 CIN - - 1 0 0 0 0 ----
2019 8 3 0 0 0 1.000 18 22 1 0 0 1.000 4 2 0 0 0 1.000
2020 - 3 1 0 0 0 1.000 -
2021 - 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1.000
MLB 8 3 0 0 0 1.000 22 23 1 0 0 1.000 6 3 0 0 0 1.000
  • 2024年度シーズン終了時

記録

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背番号

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  • 50(2015年)
  • 21(2016年 - 2021年、2023年 - 同年途中)
  • 25(2022年)
  • 22(2023年途中 - 同年終了)
  • 23(2024年 - 同年7月29日)
  • 24(2024年8月3日 - )

脚注

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  1. ^ 英語のIPA発音記号変換(アメリカ英語)”. tophonetics.com. 2019年5月7日閲覧。
  2. ^ Explaining Reds Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月25日) 2017年9月25日閲覧
  3. ^ Associated Press (2015年4月29日). “Braun hits solo homer, grand slam as Brewers beat Reds 8-3”. ESPN. 2016年11月1日閲覧。
  4. ^ MLB公式プロフィール参照。2016年11月1日閲覧。
  5. ^ レッズ救援右腕、天国の父に捧げる初本塁打 「涙を堪えきれなかった」”. コラミィ (2016年8月20日). 2016年11月1日閲覧。
  6. ^ 新たな二刀流登場=投手が中堅守備挑戦-米大リーグ・レッズ”. 時事ドットコム (2019年3月12日). 2019年3月15日閲覧。
  7. ^ レッズ・ロレンゼン、勝利投手&本塁打&外野守備!ルース以来98年ぶり
  8. ^ 160 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). MLB Players.com (November 3, 2021). April 14, 2022閲覧。
  9. ^ Lorenzen, Halos agree to 1-year contract” (英語). MLB.com. 2021年12月1日閲覧。
  10. ^ Rhett Bollinger (April 12, 2022). “Lorenzen outmuscles Miami in 7-K Halos debut” (英語). MLB.com. April 14, 2022閲覧。
  11. ^ 131 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). mlbplayers.com (November 6, 2022). November 14, 2022閲覧。
  12. ^ Tigers agree to terms with RHP Michael Lorenzen” (英語). MLB.com. 2022年12月20日閲覧。
  13. ^ Tigers Sign Michael Lorenzen” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年12月20日閲覧。
  14. ^ Thomas Harrigan (July 2, 2023). “Breaking down the full 2023 All-Star Game rosters” (英語). MLB.com. July 3, 2023閲覧。
  15. ^ MLB Gameday: NL All-Stars 3, AL All-Stars 2 Final Score (07/11/2023)”. MLB.com (2023年7月11日). 2023年7月17日閲覧。
  16. ^ “Phillies acquire All-Star starter Michael Lorenzen from Tigers”. CBS Sports. (2023年8月1日). https://www.espn.com/mlb/story/_/id/38115627/phillies-acquire-all-star-starter-michael-lorenzen-tigers 2023年8月4日閲覧。 
  17. ^ Lorenzen no-hits Nats in 1st home start since trade to Phillies” (英語). MLB.com. 2023年8月10日閲覧。
  18. ^ 130 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). Home (November 3, 2023). November 10, 2023閲覧。
  19. ^ Anthony Franco (2024年3月22日). “Rangers Sign Michael Lorenzen” (英語). MLB Trade Rumors. 2024年3月23日閲覧。
  20. ^ Royals' Michael Lorenzen: Dealt to Kansas City” (英語). CBS Sports (July 29, 2024). July 29, 2024閲覧。
  21. ^ Michael Lorenzen Baseball Statistics 2013-2017”. Baseball Cube. 2017年5月9日閲覧。
  22. ^ Player Card: Michael Lorenzen”. BrooksBaseball.net. 2017年5月9日閲覧。
  23. ^ 「シンシナティ・レッズ」『2016MLB選手名鑑全30球団コンプリートガイド』 日本スポーツ企画出版社 96頁

関連項目

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外部リンク

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