ポルタ・ニグラ
ポルタ・ニグラ(Porta Nigra)はドイツのトリーアにある古代ローマ時代の建築物。ユネスコの世界遺産に登録されている。「ポルタ・ニグラ」とはラテン語で「黒い門」という意味[1]で、その名の通り、外壁の黒い石から名付けられた。ただしこれは中世の呼び名であり、古代ローマ時代の名称は不明。現在、地元では略して「ポルタ」と呼ばれる。
概要
編集186年から200年にかけてローマ市壁の北門として建造されたものであるが、中世になると放棄され、別の建造物を作るために一部が破壊された。1025年から1035年に没するまで門跡地で過ごしたギリシャ人の隠者シメオンを記念し、新たに身廊や尖塔などを建てて城門を覆う形で「聖シメオン教会」として機能転用された。しかし、1805年、フランス革命軍がこの地を占領した際、ナポレオンの命によりローマ時代以外の建造物はアプスを除いて取り除かれてしまったため、ポルタ・ニグラも城門跡として元の姿に戻された。現在ではトリーアの観光スポットとなっている。
1986年に「ローマ遺跡群、聖ペテロ大聖堂、聖母マリア教会」として世界遺産に登録された。
モータースポーツ
編集トリーアをホストタウンとして行なわれるラリー・ドイチュラント(世界ラリー選手権の一戦)では、ポルタ・ニグラ周辺でスタート・フィニッシュセレモニーが行なわれ、特設コースでのタイムアタック(スーパースペシャルステージ)も行なわれる。
脚注
編集- ^ 川口マーン惠美 (2018年5月11日). “中国がドイツに贈った「巨大マルクス像」が大論争を起こしたワケ”. 講談社. 2018年5月13日閲覧。
参考文献
編集- 『ドイツ』- 池内紀(1992年,ISBN 9784106018336)