ボズ・スキャッグス
ウィリアム・ロイス・「ボズ」・スキャッグス(William Royce "Boz" Scaggs、1944年6月8日 - )は、アメリカ合衆国の歌手。1970年代後半から1980年代にかけてヒットを放った。
ボズ・スキャッグス Boz Scaggs | |
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2015年撮影 | |
基本情報 | |
出生名 | ウィリアム・ロイス・スキャッグス[1] |
生誕 | |
出身地 | アメリカ合衆国 テキサス州プレイノ |
ジャンル | |
職業 | シンガーソングライター |
担当楽器 | |
活動期間 | 1960年代前半 - |
共同作業者 | |
公式サイト | www.bozscaggs.com |
来歴/キャリア
編集1944年にアメリカ合衆国オハイオ州カントンで生まれ、少年時代をオクラホマ州やテキサス州で過ごす[2]。12歳のときにギターを始め、セント・マークス・スクールでスティーヴ・ミラーと出会う。彼にギターを習いながらヴォーカリストとしてバンド活動を始めた。2人は共にウィスコンシン大学に進み、大学時代もブルース・バンドを組んだ。
1960年代前半、白人によるリズム&ブルースが盛んだったイギリスのロンドンへ渡る。いくつかのバンドでプレイした後、ソロとしてヨーロッパを遠征中スウェーデンのポリドール・レコードの目にとまり、1965年にデビュー作『ボズ』を発表した。
帰国後、サンフランシスコを拠点に活動し、スティーヴ・ミラー・バンドのファースト・アルバム『未来の子供達』(1968)とセカンド・アルバム『セイラー』にギタリストとして参加。いずれの作品でも、一部の曲ではリード・ボーカルも兼任した[4][5]。セカンド・アルバムはアルバム・チャートで24位まで上昇するヒット作となった。これで評価を得たボズは、1969年にアトランティック・レコードからルーツ・ミュージック志向のアルバム『ボズ・スキャッグス&デュアン・オールマン』を発表したが、しばらくはセールスに恵まれなかった。
ルーツ・ミュージック色が濃い音楽を発表し続けていたボズだったが、1976年、ソウル、クロスオーバー志向で洗練されたサウンドの『シルク・ディグリーズ』を発表した[6]。これが全米2位を記録し、500万枚以上を売り上げた。アルバムからも「ロウ・ダウン」(全米第3位)、AOR曲「ウィ・アー・オール・アローン」のヒットが生まれた(このアルバムに参加したセッション・ミュージシャンたちは、後にTOTOを結成)。次作の『ダウン・トゥー・ゼン・レフト』からはブルーアイド・ソウルの曲「ハード・タイムズ」「ハリウッド」がヒット。「ハード・タイムズ」は日本での最初のヒットとなった。80年の『ミドル・マン』収録曲では「ジョジョ」「シモン」が話題になった。同年、再びブルーアイド・ソウルの「ミス・サン」がアメリカ、日本ともにヒットしている。
その後、しばらくリリースが途絶えていたが、1988年発表のアルバム『アザー・ロード』の収録曲「Heart of Mine」が、そのミュージック・ビデオの効果もあり、翌1989年に大ヒット、カムバックを果たした。『アザー・ロード』は日本ではオリコン洋楽チャートで1988年5月30日付から通算3週1位を獲得した[7]。
2003年の『バット・ビューティフル』以降はジャズ・スタンダードに傾倒を始め、ジャズ・セットでのツアーも行っている。
2013年、スティーヴ・ジョーダンをプロデューサーに迎え、メンフィスのロイヤル・スタジオで録音したアルバム『メンフィス』を429レコードよりリリース。3月23日付Billboard 200チャートで初登場17位を記録した[8]。
ディスコグラフィ
編集スティーヴ・ミラー・バンド
編集スタジオ・アルバム
編集- 1968年 未来の子供達 - Children of the Future
- 1968年 セイラー - Sailor
ソロ名義
編集シングル
編集- ジョージア Georgia/It's Over(1976年、CBS・ソニー、06SP-2)
- ハード・タイムス HARD TIMES/(1977年、CBS・ソニー、06SP-195)
- Hollywood/A Clue(1977年、CBS・ソニー、06SP-206)
- トワイライト・ハイウェイ You Can Have Me Anytime/Isn't It Time(1980年、CBS・ソニー、06SP-465)
- Breakdown Dean Ahead/Do Like You Do In New York(1980年、CBS・ソニー、06SP-473)
- 夜のシモーヌ Simone/Middle Man(1980年、CBS・ソニー、06SP-493)
- 「ハート・オブ・マイン(Heart of Mine)」 - ボビー・コールドウェルが提供
スタジオ・アルバム
編集- 1965年 ボズ - Boz
- 1969年 ボズ・スキャッグス&デュアン・オールマン - Boz Scaggs
- 1970年 モーメンツ - Moments
- 1971年 ボズ・スキャッグス&バンド - Boz Scaggs & Band
- 1972年 マイ・タイム - My Time
- 1974年 スロー・ダンサー - Slow Dancer
- 1976年 シルク・ディグリーズ - Silk Degrees
- 1977年 ダウン・トゥー・ゼン・レフト - Down Two Then Left
- 1980年 ミドル・マン - Middle Man
- 1988年 アザー・ロード - Other Road
- 1994年 サム・チェンジ - Some Change
- 1996年 フェイド・イントゥ・ライト〜ラヴ・バラード・アルバム - Fade into Light(日本限定発売)
- 1997年 カム・オン・ホーム - Come On Home
- 2001年 ディグ - Dig
- 2003年 バット・ビューティフル - But Beautiful
- 2005年 フェイド・イントゥ・ライト〜ラヴ・バラード・アルバム 2 - Fade into Light(1996年盤に「ラヴT.K.O.」及びボーナスDVDを追加した内容)
- 2008年 スピーク・ロウ - Speak Low
- 2013年 メンフィス - Memphis
- 2015年 ア・フール・トゥ・ケア - A Fool to Care
- 2018年 アウト・オブ・ザ・ブルース - Out of the Blues
ライヴ・アルバム
編集- 2004年 グレイテスト・ヒッツ・ライヴ - Greatest Hits Live
コンピレーション・アルバム
編集- 1980年 ヒッツ - Hits!
- 1992年 ボズ・ザ・バラード - Boz the Ballade
- 1997年 マイ・タイム〜ボズ・スキャッグス・アンソロジー(1969-1997) - My Time: A Boz Scaggs Anthology
- 2006年 ヒッツ - Hits!(1980年の同名盤に5曲追加)
- 2011年 プレイリスト:ヴェリー・ベスト・オブ・ボズ・スキャッグス - Playlist: The Very Best of Boz Scaggs
- 2019年 ジャパニーズ・シングル・コレクション-グレイテスト・ヒッツ- - Greatest Hits -Japanese Single Collection-
日本公演
編集- 1978年
- 2月3日 横浜文化体育館、4日,5日 大阪 フェスティバルホール、7日 東京 日本武道館、9日 名古屋市公会堂
- 1980年
- 10月8日 横浜文化体育館、9日,11日 大阪 フェスティバルホール、10日,16日 名古屋市民会館、12日 神戸市立中央体育館、14日,15日,20日 東京 日本武道館、18日 東京 中野サンプラザ
- 1983年 Hot Live 1983 with マイケル・マクドナルド、ジョー・ウォルシュ
- 10月10日 大阪スタヂアム、15日,16日 東京 国立代々木競技場 第一体育館
- 1985年 EXPO'85 Live
- 3月7日 名古屋市民会館、3月9日 福岡サンパレス、3月11日,12日 大阪 フェスティバルホール、3月13日 東京 NHKホール、3月15日 東京 日本武道館、17日 つくば市谷田部 科学万博つくば'85 エキスポプラザ
- 1988年
- 6月30日 横浜文化体育館、7月8日,9日,10日 東京 日本武道館
- 1988年 KIRIN DRY GIGS'88 with ビリー・ジョエル、アート・ガーファンクル他
- 7月24日 東京ドーム
- 1990年 KIRIN DRY GIGS'90 with ダリル・ホール&ジョン・オーツ、ドゥービー・ブラザーズ、シーラ・E、ジョニー・ギル
- 7月15日 東京ドーム
- 1991年
- 5月28日,29日 大阪 フェスティバルホール、31日,6月1日,2日 東京 NHKホール
- 1993年
- 3月22日 東京 中野サンプラザ、24日 川崎市産業文化会館、27日 東京 渋谷公会堂、28日 東京 NHKホール
- 1994年
- 7月12日 横浜 神奈川県民ホール、13日 浦和市文化センター、14日 大阪 サンケイホール、16日 メルパルクホール広島、17日 福岡サンパレス、19日 名古屋 愛知厚生年金会館、20日 大阪 フェスティバルホール、22日,23日,24日 東京 NHKホール、26日 仙台サンプラザ、27日 盛岡 津南文化センター、30日 浦安 東京ベイNKホール
- 1995年
- 1997年
- 10月4日 東京 NHKホール、7日 東京 赤坂BLITZ、8日 横浜 神奈川県民ホール
- 2001年
- 12月2日 東京 NHKホール、4日 大阪厚生年金会館、5日 東京 赤坂BLITZ
- 2003年
- 5月5日,6日,8日~10日 名古屋ブルーノート
- 5月12日,13日,15日~17日 大阪ブルーノート
- 5月19日,20日,22日~24日 福岡ブルーノート
- 5月26日,27日,29日~6月1日 ブルーノート東京
- 2004年
- 5月10日,11日,13日~15日 福岡ブルーノート
- 5月17日,18日,20日~22日 名古屋ブルーノート
- 5月24日,25日,27日~29日 大阪ブルーノート
- 5月31日~6月2日,4日~6日 ブルーノート東京
- 2005年
- 11月13日~15日,17日~19日 ブルーノート東京
- 11月21日,22日 名古屋ブルーノート
- 11月24日~26日 大阪ブルーノート
- 11月28日 仙台サンプラザ
- 12月1日 札幌 北海道厚生年金会館
- 2006年
- 10月3日 名古屋ブルーノート
- 10月5日~7日 大阪ブルーノート
- 10月9日~15日 ブルーノート東京
- 10月17日 モーションブルー・ヨコハマ
- 2008年 TOTOとのジョイントツアー
- 3月20日,21日 東京 JCBホール、22日 パシフィコ横浜 国立大ホール、24日,25日 大阪 フェスティバルホール、3月27日 名古屋 センチュリーホール、29日 東京国際フォーラム ホールA
- 2013年
- 11月18日,19日 東京 渋谷公会堂、20日 尼崎 あましんアルカイックホール、22日 名古屋市公会堂、24日 広島 上野学園ホール
- 2015年
- 6月5日 仙台 東京エレクトロンホール宮城、8日 札幌 ニトリ文化ホール、10日,11日 東京 Bunkamuraオーチャードホール、13日 尼崎 あましんアルカイックホール、15日 名古屋市公会堂、16日 金沢 本多の森ホール
- 2019年
- 5月5日 仙台 サンプラザホール、 5月7日〜9日 東京 Bunkamuraオーチャードホール、 11日 大阪 オリックス劇場、 13日 広島 JMSアステールプラザ 大ホール、 14日 名古屋市公会堂
- 2024年
- 2月19日,21日,22日 TOKYO DOME CITY HALL、24日 仙台 東北大学百周年記念会館 川内萩ホール、26日 名古屋市公会堂、28日 大阪 フェスティバルホール、3月1日 福岡市民会館
CM SONG
編集toyota cresta (You Can Have Me Anytime)
脚注
編集出典
編集- ^ “プロフィール | ボズ・スキャッグス”. ソニーミュージックオフィシャルサイト. ソニー・ミュージックエンタテインメント. 2022年5月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k Ankeny, Jason. Boz Scaggs Biography, Songs, & Albums - オールミュージック. 2022年5月19日閲覧。
- ^ a b c “Boz Scaggs(ボズ・スキャッグス)の情報まとめ”. OKMusic. ジャパンミュージックネットワーク. 2022年5月19日閲覧。
- ^ “Children Of The Future”. Steve Miller Band Official Site. 2016年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月30日閲覧。
- ^ “Sailor”. Steve Miller Band Official Site. 2017年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月30日閲覧。
- ^ Strong, Martin C. (2000). The Great Rock Discography (5th ed.). Edinburgh: Mojo Books. pp. 847–848. ISBN 978-1-84195-017-4.
- ^ オリコンのデータ協力による “全曲、80年代の週間オリコンチャートNo.1” の洋楽コンピが登場!、ソニーミュージック、2017年8月8日。
- ^ “Boz Scaggs Memphis Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2019年3月26日閲覧。