ホンダ・シャトル
シャトル(SHUTTLE)は、本田技研工業が販売していた5ナンバーサイズのステーションワゴンである。
ホンダ・シャトル GK8/9型(ガソリン車) GP7/8型(ハイブリッド車) | |
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2019年5月改良型 HYBRID Z・Honda SENSING | |
2019年5月改良型 Honda SHUTTLE HYBRID Z・Honda SENSING | |
2015年5月発売型 HYBRID Z(2015年5月 - 2017年9月) | |
概要 | |
販売期間 |
2015年5月15日 - 2022年11月10日 (2022年8月末生産終了) |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 5ドアステーションワゴン |
駆動方式 |
前輪駆動 (FF車) 四輪駆動 (4WD車) |
パワートレイン | |
エンジン |
ガソリン車:L15B型: 1,496cc 直列4気筒 直噴DOHC ハイブリッド車:LEB型: 1,496cc 直列4気筒DOHC |
モーター |
ハイブリッド車: H1型:交流同期電動機 |
最高出力 |
ガソリン車: 97kW (132PS)/6,600rpm (2015年5月-2019年5月) 95kW (129PS)/6,600rpm (2019年5月-) ハイブリッド車: エンジン: 81kW (110PS)/6,000rpm モーター: 22kW (29.5PS)/ 1,313-2,000rpm |
最大トルク |
ガソリン車: 155N·m (15.8kgf·m)/ 4,600rpm (2015年5月-2019年5月) 153N·m (15.6kgf·m)/ 4,600rpm (2019年5月-) ハイブリッド車: エンジン: 134N·m (13.7kgf·m)/ 5,000rpm モーター: 160N·m (16.3kgf·m)/ 0-1,313rpm |
変速機 |
無段変速オートマチック (ガソリン車) 7速DCT (ハイブリッド車) |
サスペンション | |
前 | マクファーソンストラット式 |
後 |
車軸式(FF車) ド・ディオン式(4WD車) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,530mm |
全長 |
4,400mm (2015年5月-2019年5月) 4,440mm (2019年5月-) |
全幅 | 1,695mm |
全高 |
1,545mm(FF車) 1,570mm (4WD車) |
車両重量 |
1,130-1,300kg (オプション非装着時の数値) |
その他 | |
ブレーキ |
前:油圧式ベンチレーテッドディスク 後:油圧式リーディング・トレーリング |
系譜 | |
先代 | ホンダ・フィットシャトル[1] |
後継 | 既存の4代目フィットおよびフリード+、2代目N-BOXに統合 |
概要
編集「趣味やレジャーを愉しむユーザーに合った独自の価値を最大限に反映させた車種」として開発された5ナンバーサイズのステーションワゴンである。フィットシャトルの後継車種で、フィットとは異なる価値観を与えるために、フィットの名を外している[2]。
ベースのフィットと比較して、フロントマスクやインストゥルメントパネルなどに独自のデザインを施し差別化。ドアパネルとフロントフェンダーは3代目フィット用を流用している[3]。
2019年まではフィットやグレイスと同じく、本田技研工業埼玉製作所・寄居工場で生産されたが、2019年の改良モデルより同・鈴鹿製作所に移管されている[4]。
メカニズム
編集ハイブリッドシステムは2代目フィットハイブリッドやヴェゼルハイブリッドにも採用されているEV発進が可能な1モーターシステム「SPORT HYBRID i-DCD」を採用[5]。燃費はJC08モード燃費で34.0km/L[注 1]、ガソリン車は同21.8Km/Lをマーク。
ラゲッジルームも拡大され、5名乗車時で570L、後席を倒した状態で1,141L、最大荷室長は1.840mmを誇る[5]。
5ナンバーハイブリッドタイプのステーションワゴンで初の4WD車も設定されており、軽量・コンパクト設計のビスカスカップリング式4WDシステムを採用。
パーキングブレーキは室内空間を有効に活用すべく、フィットやグレイスのサイドレバー式から、左足ひとつで作動/解除できるフットリリース式に変更されている。
燃料タンクの容量は基本的に40Lだが、「HYBRID[注 2]」のFF車のみ上述のJC08モードでの燃費を実現すべく、32Lに変更されている。
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2015年5月発売型 HYBRID Z リア
年表
編集- 2015年4月17日
- 新型コンパクトワゴン「SHUTTLE(シャトル)」に関する情報を、Hondaホームページ上で先行公開。発売日は5月15日と公表[6]。
- 2015年5月15日
- 「シャトル」を発売[7]。キャッチコピーは「では、美しい人生を。」。
- グレードはハイブリッドがベースモデルの「HYBRID」、「HYBRID」にLEDヘッドライトやクルーズコントロール、パドルシフト、「プライムスムース」と呼ばれるコンビシート(「ブラック」と「アイボリー」から選択可)、振幅感応式ダンパー、あんしんパッケージ(シティブレーキアクティブシステム、前席用i-サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグシステムの計3点)などを追加した「HYBRID X」、「HYBRID X」にルーフレールや16インチアルミホイール、左右独立温度調整式フルオートエアコンなどを追加し、2種のインテリアカラー(「ブルーブラック」と「リゾーターブラウン」から選択可)を用意した「HYBRID Z」の3種で、ガソリンが「HYBRID」からHondaスマートキーシステムなどを省いた「G」の1種となり、全タイプにFFと4WDが設定される。
- ボディカラーは8色を設定。「G」および「HYBRID」は「ホワイトオーキッド・パール(有料色)」、「アラバスターシルバー・メタリック」、「ティンテッドシルバー・メタリック(有料色)」、「クリスタルブラック・パール」、「ミラノレッド」の5色を設定。また、「HYBRID X」と「HYBRID Z」には前述の5色に「ゴールドブラウン・メタリック(有料色)」、「ミスティックガーネット・パール(有料色)」(新色)、「ミッドナイトブルービーム・メタリック(有料色)」(新色)を加えた8色から選択可能とした。
- 2015年12月17日
- 特別仕様車「STYLE EDITION」を設定[8]。(12月18日発売)
- 「HYBRID X」・「HYBRID Z」をベースに、共通でステンレス製スポーツペダルとETC車載器(音声タイプ)を特別装備したほか、「HYBRID X」にはフォグライトを、「HYBRID Z」にはスムースレザーの本革巻ステアリングホイールとトノカバーもそれぞれ特別装備した。なお、ボディカラーはベース車に設定されている「ゴールドブラウン・メタリック(有料色)」が未設定となる。
- 同時に既存タイプの仕様変更を実施。「HYBRID X」・「HYBRID Z」専用色だった「ミッドナイトブルービーム・メタリック(有料色)」が「HYBRID」及び「G」にも拡大設定となった。
- 2016年8月4日
- 一部改良[9]。(8月5日発売)
- 全タイプにおいて、インテリアライト(フロントマップランプ、ルームランプ、ラゲッジルームランプ)をLED化。また、「HYBRID X」と「HYBRID Z」は2015年12月に発売された特別仕様車「STYLE EDITION」の特別装備品をすべて標準装備化した。
- ボディカラーの設定を変更。「アラバスターシルバー・メタリック」に替わり「ルナシルバー・メタリック」、「ミラノレッド」に替わり「プレミアムクリスタルレッド・メタリック(有料色)」を新設定。また、「ティンテッドシルバー・メタリック(有料色)」と「HYBRID X」・「HYBRID Z」専用色の「ゴールドブラウン・メタリック(有料色)」を廃止し、新たに「ルーセブラック・メタリック(有料色)」を追加し、全7色(「G」と「HYBRID」は全6色)となった。
- 2017年9月14日
- 一部改良[10]。(9月15日発売)
- 安全運転支援システム「Honda SENSING」を全タイプに標準装備。これに伴って、タイプ名称を「G・Honda SENSING」、「HYBRID・Honda SENSING」、「HYBRID X・Honda SENSING」、「HYBRID Z・Honda SENSING」にそれぞれ変更した(「Honda SENSING」を装備しない設定も可能)。
- パワートレインは「SPORT HYBRID i-DCD」やガソリンエンジンのチューニングを実施したことで燃費性能が向上した。
- その他、ドリンクホルダーは底板の開閉で深さを2段階に調節可能な機能が追加されたほか、フォグライト[注 3]をLED化し、一部タイプにメーカーオプションされているナビゲーションには「CarPlay」及び「Android Auto」に対応した。
- 2018年8月
- 仕様変更[11]。
- ボディカラーの設定を変更。「ホワイトオーキッド・パール(有料色)」、「ルーセブラック・メタリック(有料色)」、「ミスティックガーネット・パール(有料色)」に替わり、「プラチナホワイト・パール(有料色)」、「シャイニンググレー・メタリック」、「プレミアムベルベットパープル・パール(有料色)」の3色を追加設定した。
- 2019年5月10日
- マイナーモデルチェンジを発表・発売された[12]。キャッチコピーは「たいせつを知る人の。」で、CMソングにはSurvive Said The Prophetの「Right and Left」が起用された。
- 外観は前後バンパーやLEDフォグライト[注 4]の形状を変更するとともに、リアデザインを刷新。また、「HYBRID X・Honda SENSING」と「HYBRID Z・Honda SENSING」にはクロームメッキパーツが配された[注 5]。
- 内装は「HYBRID・Z Honda SENSING」においてインテリアの加飾にピアノブラックが採用され、本革シートを設定。全タイプでシートデザインを刷新するとともに、「HYBRID・X Honda SENSING」と「HYBRID・Z Honda SENSING」にはリアセンターアームレストにカップホルダーに追加された。
- 装備面では、既搭載の「Honda SENSING」にオートハイビームが追加された[注 4]。
- なお、今回のマイナーモデルチェンジで燃料消費率と排出ガスがWLTCモード走行に対応したことで、全タイプ「平成30年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆☆)」認定が新たに取得された。これまで設定のあった「Honda SENSING」のレスオプション設定が消滅した。
車名の由来
編集前身のフィットシャトル同様、「人と荷物を安全に、そして先進の技術で運ぶ」というイメージをスペースシャトルになぞらえてネーミングしている。
また、今回は「SHUTTLE=コンパクトステーションワゴン」というホンダ流の表現を顧客にわかりやすく伝えたいという意図もある[13]。
脚注
編集注釈
編集- ^ 「HYBRID」FF車の数値。
- ^ 2017年9月の一部改良以降は「HYBRID・Honda SENSING」。
- ^ 「HYBRID X・Honda SENSING」、「HYBRID Z・Honda SENSING」に標準装備、「G・Honda SENSING」にメーカーオプション。
- ^ a b 「HYBRID・X Honda SENSING」、「HYBRID・Z Honda SENSING」に標準装備、「G・Honda SENSING」と「HYBRID・Honda SENSING」はメーカーオプションのLEDヘッドライト装着時に装備。
- ^ フロントバンパーロアーガーニッシュに採用(「G・Honda SENSING」、「HYBRID・Honda SENSING」はメーカーオプションにて装着可能)。「HYBRID Z・Honda SENSING」はアウタードアハンドルとサイドシルモールにも採用される。
出典
編集- ^ ホンダ、「シャトル」新発売…「フィット」外す - 読売新聞 2015年5月15日
- ^ ホンダ シャトル発表、フィットから独立した新型ワゴンのポイントは?カービュー2015年5月15日
- ^ 【ホンダ シャトル 発表】ドアパネルはフィットを流用も「全く別の車にできる確信があった」 - レスポンス 2015年5月15日
- ^ https://www.honda.co.jp/suzuka/[ 本田技研工業 鈴鹿製作所 主な製品]
- ^ 『新型コンパクトワゴン「SHUTTLE(シャトル)」をホームページで先行公開』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2015年4月17日 。
- ^ 『新型コンパクトステーションワゴン「SHUTTLE(シャトル)」を発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2015年5月15日 。
- ^ 『「SHUTTLE(シャトル)」に特別仕様車「STYLE EDITION(スタイルエディション)」を設定し発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2015年12月17日 。
- ^ 『「SHUTTLE(シャトル)」を一部改良し発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2016年8月4日 。
- ^ 『「SHUTTLE(シャトル)」を一部改良し発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2017年9月14日 。
- ^ 「ホンダ シャトル カタログ」、2018年8月発行。B411ST1790000 1808、本田技研工業株式会社
- ^ 『「SHUTTLE」をマイナーモデルチェンジし発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2019年5月10日 。
- ^ シャトルの名前の由来を教えて。本田技研工業公式サイト内 お客様相談センター
関連項目
編集- 本田技研工業
- ホンダ・フィット - ベース車
- ホンダ・グレイス
- ホンダ・フィットシャトル