ホウライシダ
ホウライシダ(蓬莱羊歯、学名:Adiantum capillus-veneris L.)は、ホウライシダ科ホウライシダ属のシダ植物である。
ホウライシダ | |||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ホウライシダ
| |||||||||||||||||||||
保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||
Adiantum capillus-veneris L. | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ホウライシダ |
分布・生育地
編集世界中の温帯から熱帯にかけて広く分布する。日本では四国や九州、伊豆半島などに分布するが、栽培されていたものが野生化していることもある[3]。海岸や川岸の崖や石垣などに生える。園芸用に室内や温室などで栽培もされている。
形態・生態
編集常緑性の多年草。根茎は短く這い、黒褐色の茎をのばす[4]。茎の長さは15センチメートル (cm) ほどで、茎には切れ込みのある扇形をした小葉が互い違いにつく。葉は2回羽状複葉で、小羽片は扇形をしており、基部は楔形、先は数か所ほど浅裂または深裂する[5]。小葉の各裂片(羽片)には、葉縁の一部が裏側へ折れ曲がった偽包膜が横に長く、1つずつ付く[5]。胞子嚢群(ソーラス)は葉縁の一部が折れ返ったところにつく。岩などに固着して生育していることが多い。
葉の形から別名「ヴィーナスの髪」、「ヴィーナスヘア」とも呼ばれる。
利用
編集ホウライシダはその形態の美しさから鑑賞価値が高く、他のホウライシダ属の各種とともに観賞用に栽培されることがある。その際には、総称として属名のアジアンタムで呼ばれることもある。栽培はそれほど容易ではなく、排水や保水の良い用土、適切な湿度調整などが求められる[6]。
園芸品種名にフィンブリアツム (Fimbriatum) やインブリカツム (Imbricatum) などがあり、小葉の羽片の先が切れ込む[5]。
「ホウライシダ葉エキス」には、毛髪ダメージによって生成されたシステインをシスチンへ再生する効果があることが発見され、ヘアケア技術が開発されている[7]。
脚注
編集- ^ Lansdown, R.V. & Bilz, M. (2013). Adiantum capillus-veneris. The IUCN Red List of Threatened Species 2013: e.T164082A13536625. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2013-1.RLTS.T164082A13536625.en. Downloaded on 27 October 2018.
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Adiantum capillus-veneris L. f. lanyuanum W.C.Shieh”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年3月28日閲覧。
- ^ 光田重幸 1986, p. 113.
- ^ 田川基二 1959, p. 65.
- ^ a b c 土橋豊 1992, p. 107.
- ^ 光田重幸 1986, p. 116.
- ^ “毛髪の主要成分シスチンに着目した新ヘアケア技術を開発 ~シスチンを再生させる成分「ホウライシダ葉エキス」を発見~”. hoyu. 2024年11月23日閲覧。
参考文献
編集- 田川基二『原色日本羊歯植物図鑑』1959年。
- 光田重幸『しだの図鑑』保育社、1986年3月。ISBN 9784586310111。
- 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、331頁。ISBN 4-529-02039-8。
- 土橋豊『観葉植物1000』八坂書房、1992年9月10日、107頁。ISBN 4-89694-611-1。
関連項目
編集外部リンク
編集- ホウライシダ - 植物和名ー学名インデックス YList
- アジアンタムとは|育て方がわかる植物図鑑 - みんなの趣味の園芸(NHK出版)